UNAMA, UN’s Affiliated Organization or Taliban’s Reporter?
By Hasht-E Subh On Jul 23, 2022
2022年7月23日 ハシュテ・スブ(アフガニスタンの独立系日刊メディア)主張
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77年前に制定された国連憲章の各章を開くと、「世界平和への献身、戦争から未来の世代を守ること、人権の尊重と保護」という事柄が、国連関連組織の中核的責任および責務として、非常に明確かつ大胆に宣言されている。残念ながら、これらの組織は、人権侵害に対して行動するのではなく、戦争被害者に援助を分配し、人権侵害の報告書を作成することしかしない援助NGOに成り下がってしまっている。
確かに、飢餓の危機に瀕している人々に小麦粉や食用油を配り、その苦しみを語り、報告することは決して悪いことではなく、そのような取り組みを評価する。しかし、戦争に巻き込まれ、超大国がお互い繰り広げるテロのゲームにはまった国々がある。その運命と尊厳を、ゲームに興じる超大国がもてあそぶという残酷な世界において、人権保護に関し責任と責務を持つのが国連だ。にもかかわらず、国連関連組織が報告者と援助分配機関の役割に終始することは、その作成する報告書を誰が読むのかという重大な問題を提起する。現在、そして未来の世代の運命に関わる私たちの懸念をどこに持っていけばいいのか?誰が世界の懸念に常時目を光らせ、破壊の責任を、戦争で荒廃した国々の運命と尊厳に対して行ったゲームの責任を、大国に負わせるのだろうか?
UNAMA(United Nations Assistance Mission in Afghanistan:国連アフガニスタン支援ミッション)の最近の報告書(「トピックス」コーナー、2022年7月21日の記事)は、人権侵害、嫌がらせ、虐待に関する統計を書き並べつつ、アフガニスタンの人々が直面し耐えている苦しみのごく限られた部分しか示さず、数字もはるかに小さい。この報告書は他のメディアによってすでに取り上げられ報告された数字や実態を超えるものではなかった。この報告書は、ターリバーンが規制・指示する放送局や組織がこれまでに発表した多くの同様の報告書よりも、さらにはるかに保守的でターリバーンに有利な内容になっている。この報告書はアフガニスタンの現実をさらけ出し伝えるものではなく、NGO指向でターリバーンに有利なものだ。
例えば、ターリバーンの囚人に対する措置について話すとき、報告書は、殴る、蹴る、叩く、食物と水の剥奪、独房に囚人を閉じ込める、不眠懲罰などが一般的で普通に行われていると非難するが、それらは最も民主的で文明的な社会でも通常行われる普通の刑罰である。国連関連組織によるこのようなタイプの声明と報告姿勢は期待外れであり、残酷なターリバーンに好意的で、そのソフトなイメージを伝える以外の何物でもないだろう。民主的な社会で刑務所を経験した人は、彼/彼女はもっと多くの虐待を経験したと結論づけることができ、それは自動的に彼/彼女の心にターリバーンのソフトでポジティブなイメージを与えることになる。
さらに、2021年8月~2022年6月15日の死傷者統計と政府崩壊前を比較することで、ターリバーンのポジティブイメージを描こうとしている。ターリバーン支配下の2021年8月以降とその8月以前の比較対照は、ターリバーンへの政府崩壊によって犠牲者が大幅に減少したという考えを生み出すが、それは正しくなく、アフガニスタンの現地における実情に対する偏ったアプローチである。
2021年8月以前と比較して2021年8月以降で戦死者が減少しているとすれば、それは犠牲者を生んだテロの元凶が権力につき、学校で子供たちを、産院で母親たちを、大学で学生たちを、道路や公共の場で一般市民を殺すターリバーンのように残酷な集団が他にいなくなったからであろう。これに対して、飢餓、自殺、強制移住、不法移民による犠牲者は大幅に増加しており、この報告書では触れられてすらいない。その沈黙が、ターリバーンの支配に耐え、その傘の下で生活することによる犠牲者の方が、戦場でこの集団と戦って死んだ者より多いことを明らかにしている。
UNAMAは報告書の中で、国民抵抗戦線の名前をISISの名前と一緒に並べているが、これはターリバーンを利することにほかならない。アフガニスタンの人々は、ターリバーン集団をISISと同じと認識している。両集団の運動の基盤と合法的な政府に対する戦争戦略が過激派宗教イデオロギーであることからだ。西側の扮装をしたターリバーン側圧力団体は、ターリバーンの支配が許容され、世界に受け入れられるように、ISISとアル=カーイダのイメージをターリバーンより厳しく危険に描こうとしている。一方、国民は現在ターリバーンの残酷な支配下にあるが、その代償として、教育へのアクセス、公務へのアクセス、言論の自由へのアクセスを奪われ、拷問を受け、厳しい人権侵害に耐え、飢餓と失業を余儀なくされている。
テロ集団にどのような名前をつけようとも、そのどれもがターリバーンの傘下にあり、アフガニスタン国民が経験している今日の苦しみと不運はすべてターリバーンの目論見通りである。
アフガニスタンで母体となるテロ集団(ターリバーン)が力を取り戻したことで、ISISやアル=カーイダなど他の子供テロ集団の自由な移動や再統合の土壌ができたのである。
先のマラウィ大集会(https://afghan.caravan.net/2022/07/24/sami_42/ 参照)にはムラーたちが無理矢理にか金に釣られてか参加したが、そこでターリバーンの隠れた謎の指導者、ムラー・ハイバトゥラーはこう述べた。「異教徒に対する我々の戦争は終わったのではなく、今始まったばかりだ。我々は我々の聖戦を拡大し、我々に対する世界の圧力に屈することはない。」この声明の意味するところを鑑みれば、今日の人類社会の価値観と発展に抵抗することを基本的な設立基盤とするテロ集団との交流と対処の戦略を再考するよう、世界にはっきりと警告しているのである。
アフガニスタンの刻々と変化する現状を考えると、UNAMAがターリバーンの意に沿ってこれ以上世界へむけ彼らに好意的なメッセージを拡散することは許されない。もしUNAMAが本当にアフガニスタン国民と共にありたいなら、国連憲章の視野に焦点を当てることを勧める。それは人権の保護と促進であり、国民の投票によって成立する政府を支援することだ。裏取引によって権力を握り、武器の助けを借りて国を支配するようになった、仲間内の取るに足らない身びいきすら獲得できないテロ集団による政府であってはならない。まして彼らは、ごく親しい支持者でさえ今や交流の継続を渋るようになったテロ集団なのだ。
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