Creating and Dealing with Terrorists in Afghanistan, a Filthy Game in Achieving Strategic Goals in the Region.
アフガニスタンでテロリストを生み出し彼らと取引する、それは領域における戦略的目標を達成するための汚いゲーム。

 

ファテー サミ (Fateh Sami)
2022年9月26日 (26 September 2022)

(WAJ)キューバ領内にある米軍グアンタナモ基地のテロリスト収容所から重要人物がターリバーンとの人質交換によって釈放され、ターリバーンに引き渡された。この人物こそ実はターリバーン創設時に資金をはじめ全面的な支援を行ったアフガン人麻薬王なのである。この人質交換の意味するものはなにか。そこには薄汚れたアメリカの陰謀が隠されている。

ターリバーンによる恐怖に満ちた不法な支配が1年を越えた。この間、女性はすべての基本的権利を奪われ、国民は安全な生活を失った。銃口が国を支配している。貧困に苦しむ人々への国際的な援助は、ターリバーンに横取りされた。彼らは自分たちの兵士や家族にそれを分配している。援助がどのように分配されるかを監督する国際組織は存在しない。アフガニスタンの困窮者に与えるという口実でアフガン銀行の口座に振り込まれた現金はターリバーン政権の不法な支配継続の手助けをしているだけだ。

 

無視され放置されるアフガニスタンの人権状況

女性は社会、経済、教育にかかわる仕事や活動に参加することができない。女性は法律上の関係(訳注:マフラムという親戚関係)にある男性と一緒でなくては必需品を買いに市場に行くことさえ許されない。人権機関と国連は、ターリバーン政権の非人道的な行動を見ているのに何もせず、アフガン女性の解放について不必要で偽善的な遺憾の意を表明するだけだ。彼らは、アフガン女性を守るための、人権条約の条文に基づく実際的な行動を何一つ起こしていない。

アメリカとそのNATOの同盟国が、疑いもなくこれら人道に対する犯罪の責任者だ。20年間の軍事的駐留によってマフィア政府を作り上げたのだから。パキスタンは、国内で訓練され強化され装備されたターリバーンやその他のテロリストをアフガニスタンに送り込み、自爆テロを含むあらゆる種類のテロ行為によってアフガン国民を殺害した。

その結果、アメリカとそのNATOの同盟国はアフガン国民を自らの非人道的な目標の捨て駒にした挙げ句、今は恥ずかしげもなくイラン人女性の抗議を支持すると発表している。 君たちはドーハで行われたいわゆる和平交渉の場にいなかったとでも言うのか?ザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)という、国粋主義者で無能で悪名高く親パシュトゥーンのスパイが手玉に取ったあの交渉の場に。彼はいつ何時も民族性を優先して判断し、アフガニスタンに関する公式任務についていたあいだ終始、米国の行政を誤った方向に導いた。

彼はテロ国家パキスタンとドーハで2年間じっくり共謀した後、アフガン国民をテロリストであるターリバーンに差し出したのだが、彼らの手はいま人々の血で染まっている。君たちは秘密取引によってターリバーンを政権に就かせたのではないのか? アフガニスタンの近隣諸国と競争させるという長期目標を達成するために、すべての先進的な武器をターリバーンに引き渡したのではないのか? 傀儡政府を生み出し、無能で人種差別者で分裂をあおる2人を頭目とするマフィア集団に統治させたのではないのか? マフィアの一団を率いたアシュラフ・ガニー(Ashraf Ghani)とハミド・カルザイ(Hamid Karzai/ジャグラーとして有名)とは一体何者だったのか? 君たちが手伝って偽の選挙をでっちあげ、二人をアフガニスタンの指導者としたのではないのか?

これらはアフガン国民が常に提起する質問であり、質問に対する適切な答えを切望しているのだ。アフガン国民は、君たちがテロとの戦いを口実にこの国をテロリストの巣に変え、パキスタンに引き渡したことを十分承知している。一方、君たちが知っての通り、パキスタンはテロリストを世界中から受け入れ、訓練し、育て、アフガニスタンおよび周辺領域へ輸出・供給する中心的役割を担ってきた。テロリズムはパキスタンの最も重要な輸出品のひとつであり、アフガニスタンの混乱に何らかの形で関与しているすべての関係者を、テロ輸出ビジネスによって様々な形で儲けさせているのだ。パキスタンはこの商売で何十億ドルも稼いでいる。

名だたるテロリストをブラックリストに載せた翌日、彼らと取引をしてアフガン国民の運命がかかった汚い諜報ゲームの舞台に立たせる。21世紀に行われているこの偽善的なやり口は、アフガン国民にとって忌まわしいものだ。こうしたやり方は、この領域を不幸で不安定な状況に追い込んでおり、無視できない。そしてアフガン国民はそこに隠された邪悪な意図を十分に理解している。

 

テロリストの倉庫から引き出された眠れる諜報員バシール・ヌールザイ

万が一の必要に備えてテロリストの倉庫に保管されていた眠れる諜報員の一人が、テロリスト集団ターリバーンを正当化するために表舞台に引き出された。この人物こそ、バシール・ヌールザイ(Bashir Noorzai/原注1)である。彼を登場させた目的は、ターリバーン政権に新たな力を与えて、彼らの行動がやや変わったというデマを広げることだ。それによって財政的に倒れることを回避したターリバーンは、新たなる大試合において、この領域の欧米のライバルに対して、欧米の代理軍としての責務を果すようになる。(訳注:https://afghan.caravan.net/2022/10/02/amin_kawa/参照)

アブドゥル・ナシール・ヌールザド(Abdul Nasir Noorzad)は、「大物スパイがやってきた」と題する記事で次のように書いている。「ハッジ・バシャールは、著名な過激主義者のひとりで、ターリバーン集団の中でも偏屈で影響力のある人物である。彼は、ターリバーンの元指導者であるムッラー・オマル(Mullah Omar)に最も古くから付き合い、最も近しい人物のひとりである。」そして、その記事の中で、元アフガン諜報部長ラーマトゥラー・ナビル(Rahmatullah Nabil)のつぎの言葉が引用されている。「ムッラー・モハマド・オマルとかねてから面識のあったハッジ・バシャール・ヌールザイは、テヘリク・ターリバーン(訳注:パキスタンのターリバーンで、かつてはムッラー・オマルに忠誠を誓っていた)の結成においても、重要な役割を果たした。彼はイスラム諸国のひとつ(訳注:彼の海外オフィスはUAEのドバイとシンガポールにあった)からテヘリク・ターリバーン結成のために1千万ドルの初期資金を送リ出した。『ムスリムの寄付』と偽装されたその金は、パキスタンを通ってムッラー・オマルとそのグループに届いた。こうしてハッジ・バシャールはムッラー・オマルの調教師、顧問、重要な資金提供者のひとりとなった(ちなみに、その資金の大半は外国諜報機関からのものであったが)。」 ここから分かるのは、バシール・ヌールザイの釈放が、特定の目的、特定のプロジェクトを遂行するため、つまりかつて失敗したプロジェクト(訳注:アフガニスタンとパキスタンのターリバーンが一致団結して首長国を形成し、中央アジアを混乱に陥れる)を成功させるためだけのものだということである。

(訳注:参考サイト:テヘリク・ターリバーン(TTP)について
https://carnegieendowment.org/2021/12/21/evolution-and-future-of-tehrik-e-taliban-pakistan-pub-86051

ヌールザイは、イスラームが禁じる麻薬取引に加え、シャリーア法に反する行為がお手のものだ。それは一夫多妻制、常時泥酔、違法な金儲けへの執着などである。金がからめば敵との握手も辞せず、かつてCIAと結託し、対ソ戦以降、ムジャヒディーン(訳注:イスラームに則りジハード=聖戦に参加する戦士たち)が手元に残していた米国製スティンガー・ミサイル(原注2)をかき集め、アメリカへ返還させもした。米国がミサイルを高額で買い戻したため、彼はしこたま儲けた(訳注:ムジャヒディーンへの総供給数は2000以上あり、一丁につき8万ドルで買い上げた)。それによって、後のアメリカのアフガニスタン駐留はやや楽になった(訳注:ターリバーンはアメリカの侵略に対し、残ったミサイルを使って抵抗した)。彼は、ターリバーンが外部と行うほとんどすべての金融・金銭取引に関与するばかりか、その活動自体に積極的に参加もした。ハッジ・バシャールは抜け目のない性格で謎めいた人物だ。彼は、貿易商、密輸業者として、もうけを得る術に長けており、ターリバーンに、個人的、集団的利益を提供する能力がある。

(訳注:<参考サイト>
:米国によるミサイル買い戻しとヌールザイの関与
https://www.news18.com/news/opinion/how-an-arrogant-us-and-a-scheming-isi-laid-ground-for-revival-of-taliban-2-0-5483467.html
:米軍駐留時代の追加買い戻し
https://www.rferl.org/a/1057196.html

 

ターリバーンにとってハッジ・バシャールの重要性は?

彼はターリバーンの有能なアドバイザーとして、ターリバーンに諸外国と戦術的な関係を結ばせることができる。ターリバーンの支配下にあるアフガニスタンを搾乳機のごとく利用しようとする国々にとってはありがたい存在だ。過去にこの分野でのバシール・ヌールザイの成功は大きなものであった。彼はターリバーンの決断のほぼすべてに影響を与えることができ、彼らの財政的支出を支えた。

彼はターリバーンに伝統的な影響力を持っており、この影響力はターリバーンというテロ政権の存続に非常に重要である。ターリバーン支配が内外から違法だと咎められている現状では、ターリバーンのやり方を変え、このグループから新しい顔を引き出すことが必要である。彼の釈放はまさにこの目的のために行われた。政治的に無力で、決定を下す権限のないターリバーンをしかるべき方向に導き、国外からの財政支援をネタに政権を安定させ生きながらえさせるためである。

ヌールザイの経歴とターリバーン内での影響力を考慮すると、彼はターリバーンの既存指導者に取って代わることが可能だ。その暁には、ターリバーンのやり方は若干変化し、世界の注目を集めるだろう。こうして、いわゆる「麻薬取引」がターリバーンの懐を潤すが、「漏れなく付いてくる外国の諜報戦略」によって、事態はパキスタンの思うツボとなる。

ハッジ・バシャールの復帰により、麻薬取引はより繁栄する。現在、ターリバーン政権の財政支出をカバーできる巨額の収入源は、麻薬取引のみだ。ターリバーンはこの儲かる商売を適切に管理して、その利益を何倍にもする必要がある。このビジネスで長年の経験を持つハッジ・バシャールなら、麻薬プロジェクトを適切に管理し、より繁栄させることができるだろう。

ハッジ・バシャールの解放は、世界のターリバーンに対する見方がこれから大きく変わることを意味する。バイデン米国大統領は、ターリバーンを承認する前提条件として、マーク・フレリックスの解放を繰り返し強調してきた。フレリックスがターリバーンに拘束されている限り、このグループの政権は承認されないと。聞こえはいいが、ばかにするにも程がある!

(訳注:<参考サイト:バイデン大統領の声明>
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2022/09/19/statement-by-president-biden-on-the-release-of-mark-frerichs/

さらに、ハッジ・バシャールは、儲かる麻薬取引以外にもターリバーンに不法な収入源を提供することができる。それは骨董品の密輸、マネーロンダリングと国内外への違法送金、偽札造りの助長、特に偽ドルの印刷とその流通の助長などだ。さらにこの領域では、武器や軍装品の販売も有益なビジネスだ。これらすべてが、アフガニスタンや周辺領域で活動するテロリスト網に資金を与え、テロの成功に向けての不滅で活発な道筋を創り出し、順を追って高いレベルへとテロを強化し必要な資材を提供していく。

一方、これまでのハッジ・バシャールの違法行為を見て分かることは、今回の彼の任務が及ぶ範囲の広さだ。それはアフガニスタンだけでなく、中央アジアと南アジアという広大な地理をカバーするが、その地はいま国際テロリズムの拡散に直面し、危険がますます高まっている。彼の任務は、この領域で金脈を整備し、テロ資金を調達するための広大なネットワークを構築することだ。

結論として、ハッジ・バシャールの任務は、麻薬の密輸を促進し、アフガニスタンから海外へ送り出す手順を加速することだといえる。通常、生産された麻薬は二つの方法で輸出される。第一は、アフガニスタンからイラン、トルコ、ヨーロッパへと渡り、一部はタジキスタンなどの旧ソ連圏の中央アジア諸国へ、残りはアメリカへというルート。第二は、アフガニスタンから中央アジアおよびロシアを経由してヨーロッパに入り、その後アメリカに到達するルートだ。

ロシアと中央アジアにおけるその同盟国の厳しい監視を考慮すると、第二のルートは課題に直面している。つまり麻薬が毎年何千人もの若いロシア人を殺し、ロシアの国家安全保障にとって主要な課題のひとつとなっているため、麻薬を運搬するこのルートはいつも摘発されるという危険にさらされている。一方、第一のルートは、そのルート上にある国々と結託して行われており、安全性が高い。

とはいえ、一本のルートで麻薬取引を継続するのは、長い目で見ると困難がともなう。それを避けるためには、新しい監督者が、別ルートを見つけ出し、新規の輸送計画へと移行させる必要がある。この新しい監督者こそ、いわゆる「名高き密輸業者」ハッジ・バシャールのほかに適任者はいない。麻薬取引という点では腐敗した元大統領ハミド・カルザイとこの男は同じ穴の狢である(訳注:カルザイの弟は、麻薬取引に関与していた)。われわれはいま、悪名高いペテン師犯罪者バシール・ヌールザイの策動を止めなければならない。

(訳注:参考記事:カルザイの弟の麻薬取引疑惑
https://www.nytimes.com/2008/10/05/world/asia/05afghan.html)

________________________________________________________________
(原注1) バシール・ヌールザイは、ハッジ・バシャール(メッカへ巡礼を済ませたバシャールという意味)とも呼ばれている。

 (原注2)  スティンガー・ミサイルは肩撃ちの熱探知型地対空ミサイルで、携帯型防空兵器(man-portable air defence)として知られる。縮めて「マンパッド (manpad)」と呼ばれ、主に低空飛行の標的を攻撃するために設計された武器。かつてムジャヒディーンに提供しソ連軍との戦いに使わさせたこの武器を、後にターリバーンが使用して米軍を苦しめたと言われている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です