(WAJ) 10月3日、本ウエッブ・アフガンサイトのコンテンツ作成作業中に、重要な情報源のひとつであるHasht-E Subhのhttps://8am.af/ドメインの接続が遮断されてつながらなかった。よくある接続状況のトラブルでなく、ドメインが廃止されている様子だった。慌ててネット上で調べたが、どうしてもつながらない。FacebookやTwitterなどには旧来のサイトがあることは確認できた。そうこうするうちにwww.8am.mediaでHasht-E Subh Dailyのコンテンツを見ることができ、情報収集には支障がなくなった。しかし、何らかの妨害がなされていることは確実だった。翌日、Hasht-E Subh社は下記の声明を発した。やはりターリバーンによる妨害であった。この間のひるむことなくターリバーンを批判する同紙への心配が現実になった。ターリバーンだけでなく強権国家では言論の自由、報道出版の自由が制限・弾圧されている。それらはその国だけの内政問題でなく、国際的に勝ち取っていかなければならない人権擁護の課題である。国外のわれわれは、ターリバーンの暴挙を許さず、監視をつづけ、アフガニスタンで自由な報道のために闘うジャーナリズムを支援・防衛しなければならない。以下にHasht-E Subh社の声明を掲載する。

 

 緊急声明 

ターリバーン電気通信省によるドメイン停止に関するハシュテ・スブ・デイリー(Hasht-e Subh Daily)新聞社の声明。

報道弾圧の暗い歴史を持つターリバーン集団は、ジャーナリストやメディアを脅かし、国民への自由な情報の流れを阻害する中核的な原因となってきた。過去20年間のターリバーンの政策は、報道機関に脅威を与え、危険を押し付けることに並々ならぬ重点を置いてきた。このグループのテロ行為によって多くのジャーナリストが命を落とし、またターリバーンの支配下にあった地域では多くのジャーナリストが大きな危険にさらされてきた。2021年8月15日のカーブル陥落後、大量のプロフェッショナルで経験豊富なジャーナリストが国を離れた。ターリバーンの支配下で働くことは不可能なだけでなく、ジャーナリストにとって深刻なリスクをもたらすものだからである。

ハシュテ・スブ 最終更新日: 2022 年 10 月 4 日

2021年にターリバーンがカーブルを占領した後、アフガニスタンに残り、国内で事業を継続することを決めたメディアは、大きな挑戦、圧力、弾圧に直面している。アフガニスタンのテレビチャンネルで番組を紹介する際に女性司会者に顔を隠すことを強要したり、マスメディア法や情報公開法を考慮せずに自由メディアに対する支配力をさらに拡大するために超法規的な命令を課したりすることは、自由メディアに対するターリバーンの行為のいくつかの例である。報道はアフガニスタンでとてつもなく危険な仕事となり、メディア活動家は国外に脱出せざるを得なくなった。

ターリバーン集団は報道の自由を信じず、彼らの独裁的な政権に対するリスクとして扱っている。ターリバーン集団は報道機関への圧力を強め、国民に検閲されていない情報が流れるのを邪魔している。同グループは、多くの元軍人たちの逮捕、起訴、拷問、さらにはテロなどの多くの事例を国民や国際社会に知らせることに抵抗し続けている。ターリバーンの指導者やその他のメンバーに対するいかなる異議申し立てにもさらなる制限を課し、世論が彼らの政権に疑問を抱くのを封じようとしている。人々に本当の状況を知らせず、国の偽りのイメージを提供することは、世論をそそのかし、国際社会を欺くためのこのグループの戦略のひとつである。

この16年間、Hasht-e Subh Daily紙は、独立したジャーナリズムを推進するプラットフォームとして、人々の立場に立つことを心がけてきた。前政権時代、本紙は汚職に対抗する公的な戦いで人々の大胆な声を代弁し、政府内外の文官や軍関係者、その他の腐敗した要素を名指しで非難してきた。本紙は昨年も、ターリバーン集団による犯罪や人権侵害を明らかにし、人々の側に立った。

国営メディアが提供する情報に対抗して、国民の課題を反映し、国民のために発言することは、本紙の優先事項であった。ターリバーン集団を動かしているイデオロギーのなんたるかを知っていた本紙の経営陣は、ターリバーン集団が自由報道の基盤を固めるのではないかと期待していた。しかし実際には、本紙の従業員を不法に呼び出して脅迫したため、何人かの従業員はアフガニスタンを去るか、国内に潜伏せざるをえなくなった。ターリバーンはさらに圧力をかけ、Hasht-e Subh Dailyの記者の所在を突き止めるためにターリバーンに協力した者に報酬を与えると発表した。いくつかのケースでは、地域や地元の記者たちがHasht-e Subh Dailyのメンバーであると非難され逮捕され、拷問を受けたが、ある安全上の理由から、それらのケースをメディアで話題にしなかった。

最近の試みで、ターリバーンの電気通信省は、Hasht-e Subh Daily (www.8am.af)のドメインを停止した。このドメイン[8am.af]は、本社が過去16年間、合法的に購入、登録、所有し、活発にオンライン化していたものである。ドメインの年間使用料も数ヶ月前に1年分前払いされた。独裁と全体主義体制を信奉するターリバーンのこの行為は、報道の自由、情報の自由な流れ、言論の自由に対する明白な行為としてみなされ、自由なメディアに対する弾圧の明確な兆候と見なされている。自由な情報へのアクセスという国民の主要な権利のひとつを侵害することに加え、ターリバーンのこの政策は、さらなる検閲を課し、この集団の犯罪や超法規的行為を国民から隠そうとすることを意味している。さらに、Hasht-e Subh Dailyのドメイン停止の決定は、この専制と過激派テロ集団の支配下にあるアフガニスタンで何が起こっているかを世界に知られないようにする試みである。

Hasht-e Subh Dailyは、これまでも、そしてこれからも、プロフェッショナルで独立した公正なジャーナリズムに徹し、真実を反映し、人々の声となることをその姿勢として定めている。本紙はアフガニスタンの人々の声であり、アフガン人と世界に対してアフガニスタンの物語を伝え続けるだろう。Hasht-e Subh Dailyは、独裁政権のこのような弾圧行為が人々の声を黙らせることはなく、表現の自由を完全に禁止することにはつながらないと信じている。私たちは人々、そして自由なメディアのコミュニティの支持を得ており、ターリバーンのそのような行為が彼らを失敗に導くことを知っている。

この件については国際的なメカニズムを通じて対処しているが、Hasht-e Subh Dailyのコンテンツはすべて安全であり、読者の情報の流出やHasht-e Subh ウェブサイトからのコンテンツの消失の心配はないことを読者に保証したい。本紙が失ったのはドメインのみで、ウェブサイトのコンテンツとアーカイブを保護するために適切かつタイムリーなバックアップをとっていたおかげで、コントロールが可能になった。ウェブサイトのコンテンツは外部のサーバーに保存され、ターリバーン集団の手の届かないところにある。私たちは降伏せず、さらに、人々の声であるために、より強固で献身的な取り組みを続けていくことを誓う。これからは、私たちの尊敬する読者や視聴者は、www.8am.media を介して私たちをフォローすることができます。

私たちは、すべての人権団体、報道の自由の主体、自由なメディア、そして人権の価値を守ることを約束する国家が、このような多忙な状況においてもアフガニスタンの人々を忘れず、アフガニスタンをイメージも発言力もない国家に変えないように要求する。報道の自由を守り、表現の自由を擁護することは、民主主義、法の支配、人権を守るために不可欠な要素である。

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