Pluralism in Afghanistan’s Society Must Not Lead to Division Among People
By Hasht-E Subh Daily On Oct 30, 2022
ハシュテ・スブ・デイリー 社説(アフガニスタンの独立系メディア)
2022年10月30日
【リード】
アフガニスタンは、世界の多くの国と同様、民族的、言語的、宗教的、政治的、文化的に多元的な社会である。多様性という意味での多元性は、社会の豊かさと成長につながる。人類社会の進歩と進化は、異なる民族、文化、宗教の相互作用と交わりの産物であり、偉大な文明はそのようなプロセスの結果として出現してきたのだ。
【本文】
人間のDNAについて行われた新しい研究が明らかにしたのは、基本的に世界には純粋で均一な人種は存在せず、人間には複数の遺伝的特性が組み合わされているということだ。原初以来、国、組織、企業、異なる人間集団の関係の絡み合いが続いたが、時代とともに世界はひとつの村に変わり、いまやより多くの協力の機会が生み出されている。こうした現象を理解している人は、多様性こそが人類の貴重な資産であり、いつも大切にしなければならないと考えている。
多元性はサブカルチャー、マイノリティー、風習、言語などの形で表れるが、それを大切にすることを国家の義務と考える国は多く、そのために多額の国家予算をさいている。こうした予算は、科学的研究、文化的プログラム、意識改革などに使われ、必要な調和を生み出す。古くから我々は、この多元的な状態を統一と呼び習わし、それが意味するのは、多様性を均等に行きわたらせることだ。
もし、多元主義という現象を誤解して、それぞれの文化、国家、言語、宗教の美しさに対する知識を不十分なまま放置すると、ギャップ、いがみ合い、対立、衝突、そして時には破壊が引き起される。このような事態は、権力装置が民族的、文化的、言語的、宗教的、政治的な均質化を求め、あらゆる多様性と色彩を消し去ろうとするときに、たいてい起こる。
各国で極端なナショナリズムが形成され、その基盤が非多元的な要素に基づいていた時代には、多くの国でこのような衝突が起こり、大きな災難をもたらした。そのとき受けた傷は今でも人々の集団心理の中に残っている。アフガニスタンでは、この多元主義や多様性は、これまで国民の認識を高められない問題のひとつであった。政治や社会生活のさまざまなレベルで多元主義を活かす道は、まだ開かれていない。
もし我々みずからが永続的な平和と安定を実現したいのであれば、多様性を認め、我々の社会のカラフルさを評価し、さまざまなレベルでこの多様性を維持するために努力しなければならない。我々は、この多様性が、国力の分裂や分散を招き、紛争を増大させないように注意すべきだ。この国は、紛争、分裂、派閥争い、国民の分散に十分苦しんできた。
今こそ、これらの苦い経験から必要な教訓を学ぶべき時だ。この国のアイデンティティとこの社会の多元性。両者が完全に反映しあうべきだ。そして、国の大綱にはこの多様性を組み入れるべきで、政治勢力はこの問題を弱点ではなく強みにするような方策をとるべきだ。多元性と多様性を賢く扱えば、我々はダイナミックで力強く、進歩的な社会のひとつになることができる。しかし、カーブルの支配者たちが今やらかしているがごとく愚かに扱うと、わが国の脆弱性はさらに増大させられ、やがて災害へと変えられてしまう。
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