Taliban Issues Identity Cards to Foreign Terrorists, Allowing Them to Thrive in Afghanistan

By Hasht-E Subh Daily Last updated Dec 15, 2022
ハシュテ・スブ・デイリー  2022年12月15日

 

ハシュテ・スブ編集部注】以下は、2022年11月29日から30日にかけてタジキスタンのドゥシャンベで開催されたアフガン戦略学研究所(AISS/訳注:カーブルに本部を置く独立非営利団体で、アフガン発展のための学術的研究を行っている)主催のヘラート安全保障対話(HSD)で述べられたラフマトゥラー・ナビル(Rahmatullah Nabil)の発言である。ラフマトゥラー・ナビルは、2010年から2012年、2013年から2015年12月まで、アフガニスタンの諜報機関である国家安全保障局(NDS)の長官を務めていた。ナビルは、2019年のアフガニスタン大統領選挙の候補者でもあった。

(WAJ)この演説が行われた「第10回ヘラート安全保障対話(HSD)」については本サイトのこのページで詳しく報告されています

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紳士淑女の皆様、そしてゲストの皆様

まず最初に、このような対話を企画してくださったアフガニスタン戦略学研究所(AISS)事務局長のダヴード・モラディアン(Davood Moradian)博士と、その同僚の方々に感謝いたします。また、この会議を進行してくださった隣国タジキスタン当局の方々にも感謝いたします。

米軍とNATO軍の最終撤退がターリバーンの台頭を招いたために、アフガニスタンの危機を平和的に解決する可能性は取り払われました。アフガニスタンの人々は、一方的和平(訳注:当時のアフガン政府抜きで米国とターリバーンは和平交渉を進め、2020年2月アフガニスタンにおける平和回復に関する合意、いわゆる「ドーハ合意」に至った)がもたらす結果について繰り返し懸念を表明しましたが、残念ながらこれらの警告は無視され、あるいは十分な注意を払われませんでした。今、その無知の悪影響が感じられ、近い将来、アフガニスタンと周辺地域(領域)にとってより深刻な安全保障上の課題が出現する可能性が高まっています。

アフガニスタンの人々の不満は、ハーフェズ(Hafez/訳注:14世紀イランの詩人)の詩にあるこの言葉でピタリと表わされています:

“心に最後まで突き刺さるは、敵の言葉に非ず、そは友の沈黙なり。”

私は、「友」という言葉に「アフガニスタンの戦略的同盟国」のことを思うのです。

 

出席者の皆さん!

アイマン・アル=ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri/訳注:ビン=ラーディンの後を継いだアル=カーイダの指導者)の殺害(訳注:2022年7月米軍の無人機攻撃による)がカーブルのよく守られた安全地帯で起きたことは、人権、女性の権利、女児の教育権に対する重大な侵害に加え、表現の自由が制限されており、アフガニスタン、領域(訳注:デュアランド・ラインを挟む領域やアフガニスタン・パキスタンの周辺諸国、およびアフガンに深くかかわる諸国など、極めて広く深い概念。本サイトでは〝領域〟〝周辺諸国〟〝周辺〟などと使い分けて訳します)そして世界の人々に対する安全保障上の脅威が増大しつつあることを明らかにしています。

(訳注:ザワヒリ殺害に関する本サイトの記事は下記にて参照できます。
<主張>アメリカの戦略とザワヒリの死
アル=カーイダにとってザワヒリ殺害の意味は?
米、ザワヒリ殺害後の次の狙いは?
ザワヒリ殺害はバイデン大統領の中間選挙キャンペーン  )

ターリバーンが台頭して、アフガニスタンにおける戦略的縦深性(訳注:前線で攻撃を受けてもその中枢は深い位置にあり、攻撃しがたいこと)を獲得したと想定した国もありましたが、テロ集団がスキルとモチベーションを上げ、勢力圏を拡大した今、アフガニスタンで戦略的縦深性を獲得したのは国際テロリストと言え、これは領域にとって大きな問題です。

この15ヶ月の間にアフガニスタンで起こった動きをまとめると、次のようになります。

アフガニスタンを拠点とするテロリスト集団は、高度な技術へのアクセスを得た
彼らは現在、暗号通貨、デジタル通貨、麻薬取引などの近代的な金融技術/機構にアクセスできるようになった
特に昨年の連合軍撤退後、イデオロギー的目標の復活は、アフガニスタンだけでなく、周辺諸国や世界各地でも増加した。
これらのグループは現在、望ましい戦略的な領土を有している
若者を勧誘し、洗脳することは、彼らにとってもはや困難な作業ではない。
この領域の一部の国には、テロの黒幕となったり、他者への挑戦としてテロを正当化したりする傾向がある。
周辺諸国の一部には、アフガニスタンの未統治または低統治な地域において、テロの黒幕となり、支配を拡大する機会として利用する欲求と競争が高まっている

新しく生まれてくる潜在的な脅威をよりよく理解するために、後で述べる集団のうち、いくつかに私は注目しています。

<発端>

国際治安支援部隊(ISAF/ 訳注:2003年以降NATOが指揮していたアフガニスタンの治安を維持するための国際軍)は2014年に、その任務を「断固たる支援」へと変更しました(訳注: ISAF を牛耳るNATOは、その任務を徐々にアフガニスタン軍に移し、2014年からはアフガニスタン軍への訓練や助言による支援のみとなった)。それを機に、アフガニスタンの国土全般と国境地域に関するすべての情報/監視手段が損なわれ、アフガニスタン軍は最も長くかつ最も難しかった大統領選挙において、治安を維持するという任務に忙殺されました。

同じ年、パキスタン軍は最大のテロ拠点だったワジリスタン(訳注:パキスタンの荒れた山岳地帯で、西はアフガニスタンと接する)でザルブ・エ・アズブ作戦(訳注:過激派組織を掃討するための軍事作戦)を開始しました。すると、世界や領域のテロ集団が、逃げ込み避難場所としたのが、シャー・サリム・アルティラーやヌーリスターン州のカムディシュなどの回廊(訳注:2001年以降、パキスタンが封鎖していた)で、そこに中核基地を置きました。こうした地域はほとんどの場合、ターリバーンの支配下で、アフガニスタン軍、つまり国家防衛・治安部隊(ANDSF)がカバーできる場所ではなかったのです。

もちろんANDSFは、こうしたテロ集団に対し、国内の別地域ではよく戦っていました。しかし残念なことに、国民統合政府の成立後、アフガニスタンの政治指導者たちの間に緊張が生まれ、彼らの優先事項も刷新されました。さらに構造的な政治的干渉、アフガニスタン軍のスキャンダルまで出てきて、これらの新たに出現した脅威は無視されました。

<現状>

情報によれば、今何千人もの外国テロ集団のメンバーがアフガニスタン各地に居着いているそうです。大方の者はIDカードを取得して名前も変えています。ターリバーンと深い思想的な関係を持つおかげで、彼らから密接な連携と支援を受けられるのです。現在進行中の災害の深さと広さ、そして領域と世界に対する脅威をよりよく理解するために、これらのグループのいくつかをこれより簡単に紹介します。

<集団紹介> 

① アル=カーイダ中央司令部

アル=カーイダ中央司令部(AQC)とその軍事部門であるジェイシュ・アル=ナスル(Jaysh al-Nasr)。約300〜400人の戦闘員を抱え、その活動地域は15州、ほとんどの活動はハッカーニ・ネットワークが担っています。
アイマン・アル=ザワヒリの死後、彼らの戦闘員は新しい指導者を公的に選んでいません。アル=カーイダの将来の指導者には、一人のカリスマと彼を支える指導者グループが就くと考えられます。トップのサイフ・アル=アデル(Saif al-Adel)は、衆目がほぼ一致する所です。集団指導部/協議会にはサイフ・アル=アデルに加え、シェイク・ハムザ(Sheikh Hamza)、シェイク・アブドゥル・カリム・アル=メスリ(Sheikh Abdul Karim al-Mesri)、アブ・ウバイダ(Abu Ubaidah)、シェイク・アブドゥル・ラーマン(Sheikh Abdul Rahman)、シェイク・イクラマ(Sheikh Ikrama)が挙げられています。

② インド亜大陸のアル=カーイダ

インド亜大陸のアル=カーイダ(AQIS)は、インド、バングラデシュ、スリランカ、パキスタン出身の約500〜600人の戦闘員と、アフガニスタンほかの国々からも多数の戦闘員が参加し、その主要かつ有名な指導者の一人がパキスタン出身のオサマ・マフムード(Osama Mahmood)です。彼らの潜伏先や活動拠点は、ザーブル州、ガズニー州、ヘルマンド州、パクティーカー州が中心です。

③ イスラーム国ホラサン州

サナウラー・ガファリ、別名アブシャハブ・アル=ムハジール(Sanaullah Ghafari/Abu Shahab al-Muhajir)が率いるイスラーム国ホラサン州(ISKP)。約4000〜4500人の戦闘員を抱え、その活動地域の多くはアフガニスタンの東部および北部の都市地域であると報告されています。ヒズブ・ウル・テリールやジャミア・イスラ、サラフィスト・オブ・アフガニスタンの活動を禁止することで、これらのグループのメンバーの多くがISKPに鞍替えする可能性が高まっています。

④ テヘリク・エ・ターリバーン・パキスタン

ヌール・ワリ・メスード(Noor Wali Mehsud)の指導の下、現在デュアランド・ライン沿いで活動しているテヘリク・エ・ターリバーン・パキスタン(TTP)。約6,000〜6,500人の戦闘員を擁しています。ペルヴェーズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)将軍の時代、2007年にイスラマバードでラール・マスジド事件(訳注:首都イスラマバードで神学生らが起こしたモスク立てこもり事件)が起きましたが、それを受けてパキスタンの軍事情報部(MI)は、テロ活動をアフガニスタン内に止めようと考えました。MIの幹部の1人であるイクラムディン(Ikramuddin)の義理の息子バイトゥラー・メスード(Baitullah Mehsud)が、翌2008年に結成したのがこのTTPです。この集団は、やがてパキスタンにも牙をむき始め、南ワジーリスタン州マキーン地方でパキスタン兵300人を投降させるという伝説の作戦によって、その知名度を高めました。

バイトゥラー・メスードが殺害され(訳注:2009年、米軍の無人機攻撃による)、パキスタン軍情報部の意に反してハキムラ・メスード(Hakimullah Mehsud)がこの集団のトップに据えられて以来、TTPは結束を強めました。その後2011年にパキスタンの名将イマーム/サルタン・アミール・タラー(Imam/Sultan Amir Tarar)大佐が死ぬと、ハキムラ・メスードとパキスタン軍の敵対関係は頂点に達し、領域で暗躍するテロ集団の一部と連携して、標的をほとんどパキスタン国内へ集中させました。

⑤ トルキスタン・イスラム党

トルキスタン・イスラム党(TIP/ETIM)。約700〜800人の中国系ウイグル人の戦闘員がおり、その主要指導者であるハジ・フルカン(Haji Furqan)とシェイク・アブザール(Sheikh Abuzar)の2人は北部および北東部で活動しています。

⑥ イモム・ブクソリー・カティバシ

デルシャド・デハカノフ(Delshad Dehqanov)が率いるイモム・ブクソリー・カティバシは、ゴール州、バードギース州、時にはクンドゥズ州とバダフシャーン州で活動し、約100〜150人の戦闘員がいます。

⑦ その他の集団

これまで述べてきた集団以外にも、ジャマート・アンサルラー(主にタジキスタン)、ジュンドラー・ジュンド・アル=カリファ(主にカザフスタン)、イスラム聖戦グループ(主にキルギス出身者でリーダーはアラム・ベグ・モハンマドフAlam Beg Mohammadov)、マフディ・アルスラン別名モハメド・シャリフォフ(Mahdi Arslan/ Mohammed Sharifov)率いるテへリーク・エ・ターリバーン・タジキスタンなどの中央アジアに関連したテロ集団はその北部と北東部で200〜300人の集団をなして活動しています。

他にもパキスタンのテロ集団には、ラシュカル・タイバ、ジャイシュ・エ・モハメド、ムジャヒディーン・アル=バドル、ハラカト・アル=ムジャヒディーンなどがあり、インドのカシミールを中心に活動していますが、アフガニスタン東部地域にも自由に移動し、活動していることは述べておく価値があります。また、イラン国内に目標を持つジャイシュ・アル=アドルという名の集団は、、ターリバーンと密接な関係を築いて発展し、活発になってきています。

出席者の皆さん!

アフガニスタンの現状を招いた原因はたくさんありますが、私が思う主な理由をここで述べさせていただきます。

私たちは、アフガニスタンの有機的な構造にあまり注意を払わず、海外の政治体制や政府のコピーに当たり前のごとく頼りすぎています。

残念ながら、私たちの隣人、特に国際的な友人たちは、アフガニスタンの非常に限られたいわゆるエリート集団に頼っています。ところが、そのエリートたちは実は外国に依存し、アフガニスタンの問題については誰よりも無知なのです。

残念ながら、隣国の中にはアフガニスタンでテロ集団を陰から支援/促進し続け手先にしている国がいくつかあります。特に、とある隣国はアフガニスタンで最も過激な流れを支援してきた長い歴史を誇り、積極的にアフガン市民やその集団を弱体化させてきました。

このように学ばれた教訓を踏まえて、私は次のように発言を結びたいと思います。

1.  過激派はアフガニスタンの国境内にとどまりません。ターリバーンとの一方的な和平合意が、彼らの持って生まれた意識をまったく変えられなかったことはことはもう証明されています。言及された過激派グループ/勢力全体の反平和的性格を認識し、真実を受け入れない限り、どんな平和プロジェクトや努力も望ましい結果を達成することはできないでしょう。むしろ、アフガニスタンにとって40年にわたる破壊と同じ血まみれのサイクルが繰り返されることになるのです。

2.  ここで強調したいのは、地政学的な目的のために「良い」過激派と「悪い」過激派を区別することはできない、ということです。

3.  私たちは、外国人によってアフガニスタン人に押し付けられた政治構造や指導者が機能しないことにもう気づかねばなりません。アフガン人やアフガン社会にルーツを持つ人々の本当の声が聞かれるプラットフォームを作らなければなりません。 彼らこそがアフガニスタンの政治の将来を決定するのです。こうした問題が生じたからには、もう理解しましょう。いかなる集団が権力につこうとも、それが独裁ならば、悲惨な紛争の継続につながるということを。

ご清聴ありがとうございました。

 

(原文(英語)を読む)

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