Democratic Worldview Leads to Democracy
By Hasht-E Subh Daily On Jan 4, 2023

ハシュテ・スブ・デイリー 2023年1月4日

 

サミュエル・フィリップス・ハンティントン(訳注:米国の国際政治学者、1927〜2008)はソ連崩壊後に出版した「第三の波 −20世紀後半の民主化−」(訳注:邦訳は1995年三嶺書房刊)の中で、鉄の壁の崩壊とポルトガルでの出来事(訳注:カーネーション革命=1974年、ポルトガルの独裁政権が軍事クーデターにより倒された)から、民主主義の急速な普及を予言した。アラブの春が始まったとき、多くの人が民主化の新しい波が来ていると思ったが、民主的な体制の確立では終わらなかった。アフガニスタンでは、20年間の長きに渡り民主主義が芽生えた後、中世に逆戻りし、何百万人もの人々が奴隷状態にされた。

なぜ、ある国の政治運動は民主化につながらないのか? なぜ社会を民主化しようとする努力が残忍な反動に直面し、代わりに混乱と独裁が起こるのか? 民主主義では国民が実権を握っており、文字通り世界で最も人気の体制であり、論理的にもそうあるべきなのに。

答えは、民主主義は、民主的な精神と世界観を持つ人々によって維持されるからだ。神政や独裁を愛し、それが普通になっている国民が、民主主義を語ることは不可能である。人々は、どんな体制でもそれを支えるバックボーンであり、人々が支え、養い、強化しない限り、どんな体制も維持することは不可能だ。そしてその人々を人々たらしめるのは、その文化と社会規範である。だから、人々が中世的な考え方や文化を持っている場合、民主主義は人気を得られない。

すべては民主主義を好む個別の人々から始まり、それらが集まって民主主義を望む社会を作り上げ、そして本物の民主主義体制が確立される。民主主義者とは、盲目的に他人に従うことをやめ、自分の頭で考えるようになる人たちのことである。また、民主的な社会とは、集団的な意思決定に依拠し、それを尊重し、自分たちの利益を守り、社会的・領土的一体性を維持する社会である。民主的な社会では、誰もが法律を守り、お互いに尊敬と寛容の念を持つ。

民主主義は、学校で学び、社会で実践され、政治の舞台で維持され、成熟する。民主主義は、何人も法を免れず、法律が国民だけによって、かつ国民の要求によって作られることを確約する。要するに民主主義は、たった一人が無制限の権力を持つのではなく、権力が国民自身の手の中にあることを確約する。このような体制を社会に導入するためには、社会の一人ひとりがもれなく教育を受け、そして政治意識に目覚めることが必要だ。

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