Taliban Ministers Hold Trilateral Meetings in Pakistan

By Hasht-E Subh Last updated May 8, 2023
ハシュテ・スブ・デイリー 2023年5月8日

 

WAJ:ターリバーンの最大の擁護者のひとりだったパキスタンのイムラン・カーン前首相の逮捕・釈放劇と併行してイスラマバードでターリバーン、パキスタン、中国当事者の3者会談が開かれた。その目的はなにか、アフガニスタンの独立系日刊ジャーナルのハシュテ・スブは、アフガン領域を拠点とするテログループをターリバーン・中・パが三者三様の意図をもって利用しようとする現実を指摘している。ターリバーンがアフガニスタンを再占拠してから、西のイラン、東のパキスタンで政治的な動揺が広がっていることに注意を払うべきであろう。

ここ数日、ターリバーンの閣僚がパキスタンに赴き、いくつかの会合を開いている。その中で最も重要なのが、中国・パキスタン代表との3国間会議だった。アナリストによれば、この2カ国は、先日のドーハ会議(※)で提起された国際社会のメッセージをターリバーンに伝えようとした。ターリバーンが行動を改めなければ、国際的な孤立や認知の問題が長期化し、その他の潜在的な影響にも直面することになると考えられている。イスラマバードでのこれらの会合の目的は、パキスタン・ターリバーン(Tehreek-e Taliban Pakistan(TTP))や東トルキスタン・イスラム運動(East Turkistan Islamic Movement(ETIM))などの過激派グループの活動に対する懸念を表明し、これらグループとの対決や抑制をターリバーンに約束させることにあったとする指摘もある。

(※ 2023年5月1~2日にグテーレス国連事務総長主催で開かれたアフガニスタンに関する国際会議。ターリバーンは招待されなかった。そのため、中・パ代表が会議の結果をターリバーンに伝える役を与えられたようだ。ドーハ会議の詳細は本サイト「トピックス」欄の「●2023年5月1~2日 <中東かわら版>」を参照)

いまさら国際社会の要求を伝えるために会議を開く必要はなく、それらはアフガン国民はメディアを通じて周知の事項だ。さらに、ターリバーンの外務大臣が知るために出張しなければならないような新しい情報、隠された情報は存在しない。国際社会の要求は、アフガン女性の教育と労働への復帰、包括的な政府の樹立、アフガニスタンにおけるテロ活動の防止に集約される。しかし、アフガン国民の要求はこれらの問題にとどまらず、軍事集団の政権からの撤退、政治体制の正統性の基礎となる国民投票の復活、法の支配、民族・宗教差別の撤廃、政府の基本機関間の三権分立などであり、 国際社会の要求に加え、権力構造の分散化、政党と市民組織の自由な活動、表現の自由の確保、国際条約、特に人権と市民権の分野での遵守、ターリバーンの指導者と司令官による広範な財政汚職の防止などである。

パキスタンと中国は異なる要求を持っており、TTPとETIMの活動を心配している。2国は過激派グループの活動の停止を求めており、彼らに安全な場所を与えないようにと要求した。今、他の地域諸国は同じ問題に直面している。

TTPやETIMの活動が、パキスタンと中国に深刻な懸念を抱かせたというのは本当だろうか。パキスタンは戦略的観点から、ターリバーンやその他の過激派組織の存在を戦略的に必要なものとみなし、手放したくないと考えている。TTPとETIMは、インドへの圧力、地域諸国との交渉、世界各国から資金を強奪するために有益である。したがって、それらを排除することは中パにとっても望ましいことではない。また、ETIMは強大な中国政府にとって深刻な脅威ではない。これらのグループが懸念されるのは、制御不能に陥ったときだけで、単に挑発的な役割を担っているときではない。パキスタンと中国の主な心配事は、ターリバーンと米国との間の秘密協定なのだ。したがって、今次イスラマバード会議の目的は、ターリバーンが米国から多額の資金を受け取っているにもかかわらず、当該地域における米国の同盟国になることはなく、短期的にも長期的にも中パの利益を危うくする可能性はないと確信できる印が欲しかったのだ。しかし、ターリバーンは現在、ロシア、イラン、中国、パキスタン、ヨーロッパ、米国から最大の利益を得ようとしている。

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