本サイトに掲載した「イランとターリバーンとイランの水利権をめぐる争い」の背景には、イランにおける深刻な水不足があります。
危機の背景には、イランが乾燥地帯で広大な砂漠を抱えていること、急速な人口増による消費量の増大に追いつかない水供給、無計画なダム建設などによる水資源管理のまずさなど、多くの問題点があります。イラン東部は、国境を接するアフガニスタンから流れ来る河川水に依存しています。アフガニスタンも乾燥地帯に属しますが、山岳地帯には大量の降雪がありそれが河川、湖沼、地下水として水資源となっています。それらはパキスタンへも流れ、同国との紛争の原因のひとつともなっています。
ここでは、イランにおける水危機に関する記事と論文を紹介します。(タイトルをクリックしてお読みください。)
(1)気候変動で沈むイランの古都 「あと10年で住めなくなる」
2021年11月28日 朝日新聞・飯島健太記者
衝撃的な写真と記事で危機の深刻度が描き出されています。
(2)イラン ザーヤンデルード川をめぐる水危機と人びとの暮らし
世界の半分と言われたほどの栄華を誇ったイスファハンを流れる大河ザーヤンデルード川はグロス山脈に発し砂漠へと消える420kmの内陸河川。この河川が今、危機に瀕しています。それにとどまらずイラン全体が水不足の困難を抱えるに至っている。その現状と原因を学術的に考察したこの論文は少し古いが参考になる分析を提供しています。
(3)ザーヤンデ川には水がない
朝日新聞の飯島記者も報告しているように、野口が2017年にザーヤンデ川にかかるイスファハン(エスファハン)のシンボル=スィー・オ・セ橋を訪ねた時の写真と記事をご紹介します。上流にできたダムの管理不全で河床はむき出しになり草ぼうぼうでした。(写真・左上)イラン紀行全128話は本サイト「旅コーナー」で閲覧できます。
https://www.facebook.com/juichi.noguchi/posts/1361925340505542