ルクロード文庫 春分祭のお誘い

☀️シルクロード文庫のガイダンスに挑む
3月21日(春分-عید نوروز-祭)のお誘い

🌀場所: 驢馬駱駝(ろまらくだ)
164-0003中野区東中野2-25-6 PAO 9F

🔴13時20分~14時50分-Direct council-
これから、どんななかまで、どこまで
シルクロード文庫を『いかになすの』

講話<図書と息する出会いの旅へ(仮)>
話者: 松枝到さん。時間30分間
そして意見交換-Discussion!!

🟣15時~17時     ー後宴会ー
『羊の丸焼き春分-غید نوروز- 祭』
子羊一頭仕入れました。炭火で祝い
焼きだ~🎶たんまり食べてね🍗🍷

参加費:  予約2000円  -当日2500円
飲み物はBarカウンターにて500円
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🟢参加の方は下記のアドレスに予約を入
れてください。高騰する羊の丸焼きが
2000円でたらふく食べられます。
予約なしだと当日は2500円になってし
まいますので予約された方がお得。飲
み物はワインとハイボールと焼酎とビ
ールが500円。お茶類は300円です。
⚪予約アドレス  takuji@yasunaka.com
🔵シルクロード文庫春分祭参加の旨と
お名前を書いて予約してください。

シルクロード文庫  安仲 卓二 Ψ

 

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2023年3月9日 日経新聞

シルクロード文庫 知の森に

アフガン遺跡研究・前田耕作さんの遺志継ぎ、都内に書庫開設 安仲卓二

アフガニスタンをはじめとする中央アジアの遺跡の研究と保護に人生をささげ、昨年10月に89歳で亡くなった前田耕作さん。彼と共に準備を進めてきたシルクロード関連書籍を集めた「シルクロード文庫」を21日、東京都内に開設する。共に想い描いて10余年。前田さんの遺志を継ぎ、新しい発想や果敢な行動が生まれる、在野に育つ知の森にしたいと思っている。

書庫と読書室を備えた同文庫はJR東中野駅西口から徒歩約2分、私が管理するビルの8階に作った。蔵書はユーラシア大陸の東西を結ぶ古代の交易路「シルクロード」にまつわる宗教、美術、歴史、民族に関する史料や研究書で1万数千冊にのぼる。開設後も前田さんの同行者らの蔵書を集める作業は続く。集積される本の仕分け作業を公開しながら、作業に協力してくれる仲間も募ろうという試みでもある。

蔵書の貸し出しはできないが、来訪者には自由に本を手に取って、備え付けの机でゆっくりとページをめくってもらいたいと思う。前田さんと長年交友のあった文化史家の松枝到さんの講義なども実施する予定だ。

前田さんとの出会いは和光大学の学生時代。私のゼミの教授の研究室が前田さんの隣だった縁で付き合いが始まり、卒業後も酒を飲んだり一緒にアフガニスタンの研究に同行したりと半世紀近く交際してきた。とにかく弁舌と思索に富む方でかつ自由。権威的な決め付けが嫌いで、失敗や逸脱を恐れない、越境する思想家であった。

「アフガニスタンへの旅立ちは私にとってまったく新たな世界への旅立ちであり、同時にまた新たな揺らめきの始まりでもあった」。近著「みろくへの道」(PAO刊)にこう記した前田さんは1964年、名古屋大学の学術調査の一員として東西2体の巨大仏で有名だった同国のバーミヤン遺跡を初めて訪れて以降、東西文明の行き交ったシルクロードが研究フィールドになった。

小さな手帳を手に壁画に向かう姿、遺跡や風景をカメラに収める姿、数十メートルはあるハシゴを登っていく姿、遺跡修復の作業員たちと談笑する姿――。学者というと研究室に閉じこもっている印象があるが、前田さんは常にフィールドに立つ人だった。その姿は7世紀、中国から西域へ求法の旅に出た高僧、玄奘三蔵の姿と重なって見えた。

2001年に思想的に未熟な一部タリバンが2体の大仏を破壊した際には、言葉少なく鬱々とした前田さんの姿が痛々しかった。それでも気持ちを立て直し、破壊した仏教画の修復に関わった。そうさせたのは同国の人々の無垢(むく)さに魅せられていたからだろう。

アフガン人は貧しかったが、慈愛と平等性があり、私たち異邦人に優しく接してくれた。純朴の世はもはや存在しないが、同国の人々にその残り香を感じたのだと思う。21年の米軍撤退、ガニ政権崩壊後も、前田さんは各国の専門家と現地の文化財の保護に努めた。

「平和というデザインは文化というしなやかな糸を織り込まないかぎり現実のものとはなりえない」と近著で説いた前田さん。戦争の世紀であった20世紀を乗り越え、21世紀は相互依存と非火力の道を歩むかと期待したが、今なお戦争は絶えない。シルクロードでは多様な民族や文化が伝播し習い合わされてきた。この幾重にも絡み織られた糸こそ歴史そのものである。それは昨今の紋切り型で狭い民族観を抜け出す気づきを与えてくれる。そう信じた前田さんの想いを今こそかみしめたい。

(やすなか・たくじ=会社経営)

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