読者の声

 寄せられたご感想、ご意見 

直接アフガニスタンに関係なくても、当サイトをご覧になって感じられたご意見、ご要望、ご自身の近況や関心事など、どんなささいなことでも、当サイトの編集アイデアになります。どしどしお寄せください。大歓迎いたします。投稿先:noguchi_phoenixlabo◆f05.itscom.net)(◆をアットマークにご変更ください。)
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=支援者の皆さまへのご挨拶(認定NPO法人 難民支援協会)=

今週から始まった通常国会に政府は入管法改正案を再提出する見通しです。2021年に廃案となった法案は、難民申請者の送還を一部可能にするなど難民保護の観点から問題がありました。そこから日本の難民保護の課題は変わっていません。難民支援協会(JAR)は公正な保護に反する法案の再提出を強く懸念します。2年前に廃案となった入管法改正案の問題点をまとめた意見書をこちら に再掲します。

日本に逃れてきた難民の方々が適切に保護され、安心して受け入れられるための法制度の改善を求めます。
(続)ご支援くださった皆さまからの声をご紹介します!

引き続き、ご寄付をくださった方々から多くのメッセージが寄せられています。そのうちいくつかをご紹介させていただきます。たくさんのご支援・応援メッセージに、心より感謝申し上げます。
「迫害を逃れて来た日本でも辛い日々で、更にこの冬の寒さのために過酷な環境となっていることを 考えるだけで心が痛みます。何かできることがあるのかを考えています。機会がある度に難民の皆さんの実情を周りの人たちに伝えたいと思います。おひとりでも、少しでも救済されます様にお祈りしています。」

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= よりどころは芸術と文化か=

ノーベル賞作家のアレクシエービッチは言う。(母ウクライナ人、父ベラルーシ人)
ロシアのウクライナ侵攻で起こったことは、私たちがこれまで抱いてきた「人間性」への漠然とした信頼を揺らがせた。ロシア軍が占領した町では、民間人の殺害、拷問、性的暴行といった残虐な行為が繰り返された。彼女は「人間から獣がはい出している」と表現した。この戦争の犠牲となり、絶望の淵に立つ人々にとってよりどころとは何か。アレクシエービッチ氏は、「戦争の終結は世界が団結しロシアのファシズムに立ち向かいウクライナが勝利することだ」と言う。世界の良識に期待したい。
しかし、ロシアは今ドネツク州ソルダムを攻撃している。この町は一万人の市民が暮らす緑豊かな住宅地だ(昨年8月の衛星写真)。この町が1月10日の写真では灰色の廃墟となっていた。攻め込んだのはロシアから委託された民間軍事会社「ワグネル」であり民兵の多くは、ロシア刑務所から集められた受刑者だという(朝日新聞記事)。
刑務所から解き放たれた受刑者が平和な町で殺戮、強奪、凌辱の限りを尽くし町を殲滅した。
ロシアは「ワグネル社」の功績を称え勝利宣言をした。
これは我々の身近で起きている事件だ。この狂気を世界の良識は止められるのか。
狂気と言えば、英国のチャールズ国王の次男ハリー王子が自伝「スペア」でアフガニスタン従軍中に敵の戦闘員25名を殺害したと告白している。さらに「彼らはチェス盤から取り除かれる駒であり、彼らが善良な人々を殺してしまう前に排除される悪人だった」との記述もあった。彼は自らをウイリアム皇太子のスペアと称し、戦争に参加し安全な場所から人を殺す。まさに「人間から獣がはい出している行為だ」。
ファシズムが食べ物も仕事もないという貧困から生まれるのなら、アフガニスタンも似ている。暫定政権は武力で市民を押さえつけ、外国に対してはテロで脅しをかける。暫定政権が発給するパスポートは抑えられるのか。
絶望の淵にいるのは日本人も同じだ。東日本大震災の被災者や、原発被災者は政府の中途半端な箱もの対策でお茶を濁され、北朝鮮に拉致された被害者の家族は、何もしない政府に北朝鮮に対し交渉してくれと血を絞り出すように40年以上叫んでいる。
国民は政府に何も期待していない。
イギリスのEU離脱や、トランプ氏が自国ファーストを叫んでから世界はだいぶ変わった。少しずつ排他性が広がる中で日常からよりどころを探して人間性を取り戻す努力をしなければならない。
よりどころを探すのに芸術、文化が力を貸してくれる気がする。(B.Sさん、2023年1月18日)

――昔、韓国の詩人・金芝河が「想像力」の重要性を強調したことがあります。自分の苦しさや痛さはなんの努力をしなくてもわかります。しかし、他人の痛み苦しみは想像力を働かせないとわかりません。直接関係なさそうは遠くの人に思いを寄せないと、自分の身に危険が及んできたときにはもう遅いのです。アレクシエービッチの『亜鉛の少年たち』を読みました。アフガニスタンに送り込まれ死亡した若者たちの母親や家族、帰還傷病兵、普通の従軍帰還兵などへの膨大なインタビューの集積です。日本では『きけわだつみの声』という遺稿集がありました。いまウクライナで未来の遺稿集への呻きが日々発せられています。世界は忘れることで同じような悲劇を繰り返します。「一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」という箴言がありますが、繰り返される戦争においては一度目も二度目も三度目も悲劇です。(野口)

 

=グローバル化は色んな価値観を深く理解する事が大切――『その男ゾルバ』を観て=

1983年に、米国東海岸の都市ピッツバークで開催された国際会議に出席した。その時のレセプションで国際的に有名な物理学者デニス・スペリオティスとの知遇を得た。彼はギリシャ人でIBMの磁気記録室長からミネソタ大学の教授を経て、その当時は磁性計測装置のベンチャー企業の社長だった。私の海外出張報告を読んだ私の所属する日立中央研究所副所長は、是非彼と磁気記録に関するコンサルタント契約を結べという事になり、年に二回、一週間のコンサルタントが始まった。私はコーディネーターとして、彼と公私に亘って付き合い、彼は私の磁気記録の指導者として随分お世話になったが、それ以上に彼のギリシャ人としての人格に魅せられた。その彼から、ギリシャ人を理解する上で最適な映画「その男ゾルバ」を観るように勧められた。夢多き主人公がその夢が失敗に終った後に浜辺で
ギリシャ音楽を伴奏に踊るシーンが印象的なラスト。夢多く鷹揚だが逞しいギリシャ人の精神が理解できた。
彼自身も夢多きロマンティストだった。彼が子供の頃、パルチザンの叔父がいて、その叔父が優秀な彼に土の上に“8”を書いて、「この数字はお前のラッキーナンバーだ。大切にしなさい」と話したそうだ。彼は、その後会社を起業し、開発した磁気計測装置製品に“8”の番号を付けた。その製品は画期的な製品で事業は成功した。
私は、彼と共著で磁気記録関係の論文を3報書いたが、彼の夢を持って研究に取り組む姿勢に感銘を受けたものだ。
彼の生まれ故郷のギリシャはスパルタで開催される磁気記録シンポジウムにも三度招待された。「本当のシンポジウムは酒を飲みながら自由闊達な議論をするんだ」と教えられた。五日間のシンポジウムは午前中だけフォーマルな議論。水曜日はフリーでギリシャ悲劇等を鑑賞。働きバチの日本人には考えられないスケジュールだが、世界からス
ペリオティスが集めた錚々たる参加者とはその後も深い付き合いが出来た。
後に光ディスクの国際標準化の仕事で、米国・欧州・中国・韓国と、国の威信を賭けて戦った際も、各国の代表との公私に亘る付き合いが、国際標準化活動でも大いに役立ち、日本が提案した規格が国際標準となった。
彼は晩年には、「今は哲学と美について考える事が楽しい」と言っていた。事実、彼はギリシャの古典に詳しく、磁気記録の世界で摩耗現象に関する学術用語の『トライーポロジー』はホメロスの詩を参考にした。その詩では摩耗することを『トリポス』というらしい。素敵だと思いませんか?
グローバル化は米国流の強欲資本主義に従う必要は無く、色んな価値観を深く理解する事が大切なのだと思う。(IDEMA事務局長・釘屋文雄さん、2023年1月16日)

――地球がひとつの宇宙船となった現代、グローバル化は必然。米ソ冷戦が終わってグローバル化がパッククス・アメリカーナになってしまいましたが、その限界も見えてきた現在、釘屋さんが体験されたような多様な価値観の共同作業が宇宙船地球号で実現し、日本が「和の精神」を発揮してそれに貢献できるようになりたいものです。(野口)

 

=アフガンやウクライナで起きていることは人権侵害でなく犯罪=

タリバンの女性の権利剥奪は現代社会であり得ないことですね。日本も相変わらず男系男子などと言っていますし、英国王室を離脱したヘンリーさんは、スペアと呼ばれ続けて人間性が歪んでしまいましたし、世界中に人権侵害はあるのですが、タリバンと、現在ではウクライナで起こっていることは、人権侵害以上の犯罪です。
アメリカはアフガンに仕掛けながら後始末をいい加減にして手を引き、このような事態が起こっています。今度はウクライナも途中で投げ出したりしないことを願います。
また、中国からの伊藤忠駐在員氏の寄稿は他の人にも見せたいです。
中国と台湾は第二次大戦の負の遺産である東西問題と思います。政治は対立していますが、日本に来れば中国も台湾も仲良くしていらっしゃるようですので、民間の声を生かすことが大切ですね。双方が歩み寄ってどちらがどちらということもなく合同して欲しいものです。
ゼロコロナ政策に関しては、人民大会で習近平体制が確立できるまでの情報操作のためという田中何某さんのご意見もなるほどと思いました。
中国の方に聞くところによれば、ワクチン接種の遅れているご高齢者が重症化して、若い人は集団免疫ができているという話です。親御さんを大切にする中国人の方達にはとてもご心配なことです。
日本はこうならないために高齢者から接種しているので、重症化と死亡率が少ないのではと思います。
つい感想が長くなってしまいましたが、この方のご意見は中国在住の日本人の感覚として、シェア可能なら他の方にも紹介したいです。
では今年もよろしくお願い致します。(匿名女性、2023年1月16日)

――日系イギリス人カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』は臓器移植用の臓器を取るために生かされている少年少女の物語。命もろとも部品が他人のスペアです。イギリスにはそういう隠された伝統があるのでしょうか。人権はフランスで生まれた思想ですが世界で定着するにはまだまだ人間が進歩する必要がありそうです。「読者の声」コーナーに掲載された原稿は投稿者から公表許可を得ていますので、お知り合いにもシェアしてくださって結構です。(野口)

 

=北京駐在員の見た中国~2023年春のご挨拶=

寒さ厳しい折、いかがお過ごしでしょうか。鈴木貴元です。現在、丸紅中国会社の駐在で北京におります。この1月で丸6年半が過ぎました。
長い2022年でした。2022 年、私は中国政府による新型コロナへの防疫対策強化で移動がほとんどできず、自宅のある北京市朝陽区の一角を行ったり来たりするばかりでしたが、中国に関わった様々な出来事のおかげで、仕事は益々増え、書かなければならないレポートはより多岐になり、非常に多忙な日々となりました。・・・
(この後、鈴木さんの原稿は、「コロナの件/22年の仕事の状況/経済見通しを作っていて/中国の海外から見える姿について/デカップリングの件/円安の件/北京について/2023年について」と微に入り細にわたり、中国に住んでビジネスをしていなければ見えてこない状況をインテリジェンス観察者、実践者の目で鋭く分析しています。なかなかお目にかかれない文章なのでご本人の許可を得てpdfにて全文を掲載させていただきました。⇒ ここをクリック
(鈴木貴元さん、2023年1月4日、丸紅中国在北京)

――中国は「ゼロコロナ」から「規制緩和」へと突然、極端な変更を行いました。「君子豹変す」という中国製のことわざがありますが「君子でなくても豹変するザンス」ってことでしょうかね。冗談はさておき、中国当局が数字を操作して現実を隠そうとしても隠しきれない現実がよくわかりました。またその他の事象の分析でも、日本のマスコミだけに接していてはわからない中国の現実、ホンネが垣間見えて興味深かったです。今後も折に触れてお話を聞かせていただけると幸いです。お体に気をつけて駐在をおつづけください。(野口)

 

=手のひら返し=

手のひら返しという言葉がある。
トランプ前大統領がアフリカ諸国を「屋外便所」呼ばわりして反発を招いた。
その間隙を縫って中国が一帯一路でインフラ投資を進め、ロシアが軍事的な影響を強めている。バイデン政権はアフリカとの関係構築に本腰を入れ、農業や安全保障などの分野に
7兆5千億円の支援を表明した。しかしアフリカ連合の指導者は冷ややかな対応だった。
話題は変わるが、米ツイッターが主要メディア著名記者のアカウントを凍結したことに批判続出。イーロンマスク氏はアカウントを再開させたが明確な理由を示さず「表現の自由」が揺らいでいる。こうした対応に国連のフレミング報道官は「報道の自由はおもちゃではない、自由な報道は民主主義の土台で有害な偽情報との闘いでの重要なツールだ」と批判している。
マスク氏はツイッター買収後アカウントの扱いなどを話し合う協議会を作る考えを示したものの実現していない。一方同社の偽情報をチェックする部門は人員削減され機能低下が心配されている。トランプ氏のアカウントも復活しており有害投稿への懸念が広がっている。
プーチン氏は外国記者も交え何時間でも質問に答える年末恒例会見を中止した。不都合な真実から逃れる権力者。戦火、離別、極寒から逃げられぬ市民。この理不尽。(朝日新聞社説)
12月20日、アフガニスタンを統治するイスラム主義勢力タリバンの暫定政権は、女性の大学通学を停止する通知を出し、即日の実施を命じた。24日にはNGOで働く女性職員の無期限停職を通知した。アフガニスタン各地で女性による抗議活動が起きている。
教育や働く者の権利が守られるか世界中が注目している。
世界人口の2割強を占めるイスラム教とは何か、何故タリバンを排除できないのか。
国内では政界と旧統一教会のなれ合い、安保政策の大転換に専守防衛それに伴う防衛費の急増と増税これらがうやむやなまま2022年が終わった。
各国を代表する人たちの言葉が軽い。
ウクライナ市民、世界中の国民は何によりどころを求めるか。2023年は自分自身でよりどころを探す年にする覚悟が必要だ。(B.Sさん、2023年1月4日)

――手のひら返しも1回ならまだしも、2度も3度もヒラヒラされると怒り心頭に発します。タリバンもその蛮行の原因のすべてがイスラームのせいとは言えませんが、責任は大です。世界の57か国が参加し、国連に次ぐ国際組織と誇るOIC(イスラム協力機構)は自らアフガニスタンに乗り込んでターリバーンに説教するくらいしないとダメでしょう。非イスラム組織だけに任せていてはこれまたダメでしょう。やっと少しは動き始めたようですけど・・・。時すでにかなり遅しですが、いまからでも誠意を見せるべきではないでしょうか。(野口)

 

=北朝鮮の武器ビジネス

年末年始にかけて北朝鮮は4発のミサイルを発射しました。
その狙いは武器ビジネス戦略の一環と考えます。

1.北朝鮮の武器ビジネス戦略
①昨年12月にロシア(ワグネル=ロシア)にミサイルを売却して入金を確認した。
②北朝鮮の武器ビジネスは10年以上前から秘密裏に実施してきた

「潜入10年 北朝鮮・武器ビジネスの闇」 – BS1スペシャル – NHK
③武器ビジネスとしての投資対効果で儲かると確信した。
資金はサイバーテロで獲得した
「北朝鮮 ハッキングで暗号資産865億円相当盗んだ」韓国政府 | NHK | 北朝鮮情勢
【解説】北朝鮮サイバー攻撃 暗号資産盗みミサイル資金源に?(油井’sVIEW) – 国際報道 2022 – NHK
売却金は現金で回収した。
北朝鮮、ロシア側に武器納入=米、核開発の資金源と警戒 | 時事通信ニュース (jiji.com
④ビジネス拡大のためには、以下が必要になる。
1)より高性能で安価なミサイルの開発。
2)量産体制の確立。
3)迎撃を回避し標的に着弾させる性能の実証。
⑤上記④-3)の目的のために日本近辺への発射実験を繰り返す。
⑥北はミサイル発射実験の理由を米韓軍事演習への対抗などとし正当化する。
⑦日米は国際法違反抗議を繰返すだけだから北にとっては脅威にならない。
⑧北のミサイル発射実験を阻止する決定打がないので着々と継続できる。

2.北朝鮮のミサイル性能実証の予想プロセス
①発射目的を日本のJ-アラートを頻発させるように繰り返す。
②パトリオット(PAC3)の発射を挑発する(日本が失敗すれば北は大成功)
注)PAC3では無理と評価したから、先制攻撃の方針を変更した。
   11月に韓国でパトリオットの実射試験したが整備不良で失敗した。
③国民の反応(動揺など)や政府の対応を注意深く観測しながら実験を繰り返す。
④国民の恐怖をあおり、「先制攻撃せよ」が多数になるまで繰り返す。
⑤先制攻撃されたら反撃し、迎撃を回避し目標に着弾するまで継続する。
⑥以上でミサイルの性能を実地で確認したら、一旦手を引いてビジネスに注力する。
理由は深入りすると集団的自衛権で米国の関与が脅威となるのでこれを避ける。

⑦ロシア(既に購入)や中国が買えば成功。
以上コスパの極めて良い戦略で先行投資の回収と貧乏国からの脱却が図れる。
注)武器商売では実戦での成功実証が極めて重要(イラン製ドローンなど)

3.対応策の基本
①挑発に乘らないこと
②先制攻撃すれば国際法上、北の反撃が正当化されるので絶対に先制攻撃しないこと。
③日米安保条約に基づく防衛の役割分担は、日本は「盾」、アメリカは「矛」という基本を変えないこと。即ち、「専守防衛」を遵守すること。
④現憲法は米国主導で制定されたのだから、これを遵守することが日米の信頼の基本であることを米国に再確認すること。

4.日本の防衛力強化策についての私見
①防衛予算を増やす場合は、国内投資を優先し、外国に支払う国税を最小限にすること。理由:防衛力強化は防衛装備品よりも国力(特に経済力)強化が重要。
②迎撃ミサイルは国産すること(ロケット技術、制御技術、IT技術がある)
③専守防衛装備品は民間企業と協力して国産化すること。
④自衛隊予算を増やすこと。
⑤サイバーテロに備えて日本のサイバー防衛力を強化すること(既に決定済み)
(自衛隊要員を900人から3000人に増やし、民間企業と協力する旨発表)
⑥J-アラートは本土に着弾しない限り警報を出さないように改良すべきである。
(12月に自衛隊はアラートキャッチ時間を5分短縮する目標を
  (飯沼一元さん、2023年1月3日)

――北朝鮮の核開発、ミサイル開発に対して日本政府は脅威に感じつつも自国の軍事予算増額や国民の危機感あおりに使ってきたキライがあります。しかし、北の技術がどんどん向上する一方、アメリカからは国防費を何が何でもGDPの2%にしろ、と言明されました。岸田政権は慌てふためいて防衛3法をこしらえたり、とにかく2%になるようにと数字合わせに奔走し中身の議論は後回し。国民からは呆れられ、保守陣営からも不協和音が大きくなっている状況です。戦争準備のまえに「外交」があってしかるべきと思うのですが、そんなものはなくひたすらアメリカさん頼み。ビジネスと技術開発でさえ国の在り方を見据えた自主性が感じられません。そこをなんとかしないとこの国は浮かばれませんね。新年早々暗いコメントになりましたが、「タダでは死なぬ」と意地を見せたいと思います。(野口)

 

= 中国の「ゼロコロナ政策」解除について=

昨年12月7日、中国から驚きのニュースが飛び込んできた。それは、中国政府が長年堅持してきた「ゼロコロナ政策」を転換して制限を緩和すると発表したことだ。それに併せて、中国人による海外旅行の解禁と、中国への入国者に義務づけていた隔離措置も撤廃することも明らかにした。これに対して、世界保健機関(WHO)は感染情報を開示するよう中国に求めたが、中国政府はかたくなにそれを拒否した。そこで、日本政府は水際対策として、中国からの入国者に対して感染検査を実施し、陽性の場合は待機施設で7日間隔離する方針を発表した。また、中国からの到着便の空港を、成田、羽田、関西、中部の4カ所に限定した。米国も、中国からの入国者に対して陰性証明を求め、EU諸国も検査を義務付ける方針を明らかにした。こうした各国による水際対策の強化に対して、中国政府は強い不満を述べた。しかし、世界保健機関のテドロス事務局長は、中国から十分な情報が提供されていない状況下では、各国の対応は「理解できる」と述べた。政策転換の引き金となったのは、昨年11月27日に武漢で発生した「ゼロコロナ」政策に反対す抗議デモである。それが北京にも飛び火して、「PCR検査より自由を、民主を、法治を」を求める声になった。さらに、中国各地に抗議デモは広がり、上海市では「習近平は辞任しろ!」と国家主席の退陣を求める異例のデモまで発生した。北京市にある習氏の母校・精華大学でも学生が抗議行動を起こした。昨年10月に発足した3期目の習指導部は、早くも統治への不満が表面化する事態に直面することになった。

激しい抗議活動は天安門事件以来のことである。天安門事件は、1989年6月4日に起きた学生を中心にした民主化運動で、10万もの学生や一般市民が参加した。当時共産党指導部の最高実力者であった鄧小平氏は、これを「動乱」とみなしてデモの現場に大量の兵士と戦車を投入して徹底的な弾圧を行った。死者は3000人にも及んだというのが通説である。天安門事件は、中国にとっての「アキレス腱」である。いまだにタブー視され、「なかったこと」にされている。経済改革を推し進め、開明的な人物と見られていた鄧氏にとって、最大の政治的汚点になったと世界から見られている。今回の大規模な抗議デモに直面して、習国家主席の頭をよぎったのは、この天安門事件であるに違いない。民衆の不満や反発を抑え込めば似たような事件に発展すると、慌てて「ゼロコロナ政策」の転換を図ったものと思われる。放置すれば共産党自身の存在が危うくなると恐れたのだ。憲法まで変えて長期政権を目指す権力者の本音が露呈した一瞬と言える。この混乱でコロナウィルスに罹り家族を失った人達の間には、「この3年間は一体何だったのか」という思いが募る。その疑問は当然と言える。急激な政策変更を強いられるのは、映画館に放り込まれ歩き続けろと言われたのに等しい。しばらくすれば目が慣れてくるが、その時間の余裕さえ与えられずに無理やり歩かされれば人はつまずいたり転んだりする。漸次的な変化であれば人はついていけるが、急激な変化にはついていけない。その意味で、一夜にして「真逆」の政策転換を強行して社会を混乱に陥れた習主席の罪は重い。

唐突とも思われる「ゼロコロナ政策」の解除は、思いもよらぬ感染の急拡大を招く結果になり、中国全体を極度の混乱に陥れてしまった。医療体制が追い付かなくなってしまったのだ。世界保健機関は情報の開示を求めているが、中国政府は「社会を不安定にさせる」としている。武漢で新型コロナウィルスが初めて確認されてから3年になる。中国政府はこの3年、各国に比べ格段に感染者を抑え込んだと誇示してきた。その一方で、市民生活に多大な犠牲を強いる結果になった。しかし、そのタガが外れた今、中国で感染爆発が起きてしまった。なぜ中国は、これほどまでにゼロコロナ政策に固執してきたのか。その疑問に答えるヒントとなる論文が昨年5月に米国科学誌に発表された。それは米中共同チームによる研究論文で、中国が「ゼロコロナ」政策を解除した場合における影響を分析したものである。それによると、解除後6カ月で患者数は1億1220万人、入院者数510万人、重症者数270万人、死亡者数160万人となるとしている。論文は、解除後の感染爆発は必至であり、医療体制や社会全体に大きな混乱を引き起こす可能性が高いと分析している。その理由として、①中国の高齢者のワクチン接種率が低い、②中国で使用しているワクチンの有効性が相対的に低い、③中国の医療体制が構造的に脆弱である、の3点を挙げている。これらの理由は、何れもその解決には時間を要するもでばかりである。そう考えると、中国政府には「ゼロコロナ政策をやめようにも、やめられない」事情があったのだ。この分析は、中国における現在の状況と驚くほど符合している。感染の急拡大が起り得ることが分かっていながら、中国政府が政策転換をせざるを得なくなった背景には、やはり民衆の反発と不満の高まりがあったと言える。

中国は2021年から、自らの影響力を強めようと積極的に「ワクチン外交」を展開した。特に、アフガニスタンを含む東南アジアやアフリカなどの発展途上国向けに大量の中国ワクチンを供給した。日本などの先進国が、自国民へのワクチン確保で手いっぱいになり、途上国への供給を後回しにした影響もあった。習主席は2021年の新年の辞で、120カ国以上に対し、20億回分のワクチンを供給したと自賛した。実際、北京在住のアジア外交関係者は「欧米製の入手が難しかった時期に、中国製のみが頼りとなった」と指摘している。王毅外相は「中国のワクチン協力に政治目的はない。世界が新型コロナに打ち勝つことが唯一の目標だ」と強調して、米国などが指摘する「ワクチン外交」を否定した。ところが2022年に入ると、中国ワクチンの需要はオミクロン株の流行で激減した。その理由として、効果面への不信感から中国製ワクチンが敬遠されたのに加え、世界全体でワクチン接種のペースが落ちて欧米製の供給に余裕が出たことなどが挙げられる。長年続いた米中の緊張関係が一度だけ緩和されたことがる。それは1971年に日本で開かれた世界卓球選手権後に、中国が米国選手を招待したことがきっかけで、米中の対立が解けた歴史がある。いわゆる「ピンポン外交」である。それに倣って、中国が感染者の爆発で苦しんでいる今こそ、米国はワクチンを提供して感染の拡大防止に協力すべきではないか。コロナウィルスの感染拡大は中国だけでなく、世界の問題でもある。大局的見地から「中国の痛みは、世界の痛み」と考え、「米国の良心は、世界の良心である」と捉えれば、お互いに寛大になれるはずだ。これまで、どんなことでも口実にしてお互いを非難してきたことを考えれば、ワクチンを関係改善の口実にすることなどさして難しいこととは思えない。

ゼロコロナ政策は国民だけでなく、海外企業にも評判が悪かった。上海で続いた2カ月を超えるロックダウンで、世界中の企業の供給網が打撃を受けた。ある外資系企業の首脳は「中国では、人権や経済や生活よりも優先されるものがあることを痛感させられた」と振り返る。そのため、欧米企業の間では中国への投資を縮小する方針を打ち出すところが相次いだ。中国の観光客は日本にとって大きな財源である。コロナ前の2019年における中国からの観光客は959万人を記録した。しかし、それが「ゼロコロナ政策」のため期待できなくなり、日本は観光客誘致政策そのものの見直しを迫られた。さらに、中国から部品などを輸入している日本の製造業が、その影響をまともに受けた結果、日本の鉱工業生産量は低迷を余儀なくされた。その原因として、サプライチェーンを担う中国からの部品供給が滞ったことが挙げられる。中国の工場が止まれば、日本の工場も止まる。まさに、両国は「中国が咳をすれば、日本は風邪をひく」という関係にある。それだけに、日本は中国の「ゼロコロナ」政策が解除されたからと言って、気を緩めるわけにはいかない。中国由来のコロナウィルスの拡散と、混乱状況にある中国社会と経済が今後どうなるかは、日本にとって目を離せない最大の関心事と言える。一方、米中の緊張関係が絶えず世界に暗い影を落としていることを深刻に捉えると、ワクチンが両国の関係改善のきっかけになって欲しいという考えも募る。人には馬鹿げた話と思われても、私にはその可能性に一縷(いちる)の望みを託したいという思いがある。(中楯健二さん、2023年1月1日)

――新中国は国際舞台に登場するに際して、ご指摘の「ピンポン外交」や「パンダ外交」などの「ほほえみ外交」を駆使しました。しかし、2010年、GDP世界第2位となり、2012年には江沢民の「愛国教育」の成果が対日批判のあれ狂いとして表出し、2013年に習近平が総書記に就任するころから、「中国の夢」を公然と掲げ「社会主義強国」として世界に覇を求め始めました。天安門事件で足元が揺らいだころの「ほほえみ」は本心からのものでなかったことが明らかになった20年でした。中国がこれから経済力、軍事力で強大国になることは間違いないでしょうが、隣国である日本にとって、中国が「徳」と「仁」をもった国になってもらわないと困ります。世界が「徳」と「仁」を持った国だと認識してくれさえすれば、民主主義だろうが権威主義だろうが関係ありません。選挙の有る無しとは別の問題。そのことは日本も例外ではありません。日本がまず、「徳」と「仁」を持った国であることを世界に対して示せなければ、他国を批判する資格はないと心得ます。(野口)

 

=米中激突の歴史的深層=

諸行は無常である。行く河の流れのように歴史はくり返さない。
現在、かつての米ソ冷戦体制とは質量ともに上回る激突が、世界規模で米中間でおこなわれている。こんなことは有史以来未曾有の事態だ。
激突は文明的性格を帯びて、その場面は、貿易、通貨などの民生面と併行して、軍事力を基礎とした覇権の対立の様相を呈している。
しかし、毎日世界中を駆け巡る大量の、マスコミやネット情報の真相・誤報・虚報・謀略などに翻弄されないためにも、現状の奥にあるところを諸行無常の縁起的歴史観から観察してみたい。
ちなみに縁起的な歴史観とは、仏教の唯識論において、人類の意識の総体をアーラヤ識といい、過去の様々な歴史的情念や負の遺産はすべて消去されずに歴史の内部で重層的に蓄積されている。
すべての過去の記憶の中でも、多数に共有された民族的情念、政治的イデオロギー、宗教的集合意識などは凝集的に蓄積されていて、それらが状況に応じて現在史に影響を与えてくる。
そこで縁起史観においては、歴史を図式的固定的に理解するわけではないから、歴史状況の洞察を不断に忍耐強く継続しなければならない。

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現在、植民地支配によって地球規模に拡大したパクスローマーナ、その伝統を受け継ぎ原住民の虐殺と奴隷制とアヘン貿易で拡大してきたパクスブリタニカの大英帝国、さらにその情念を受けついでいるパクスアメリカーナの移民国家アメリカ合衆国、そしてそれらの拡大的支配情念に挑戦するかのようにかつては閉じた帝国であった中華文明が中華人民共和国・中国として、万里の長城を本格的に乗り越えてその存在を世界的に顕在化してきている。
しかも中国の影響は、軍事的には従来の陸上、海上、海中、空中空間を超えて、サイバー空間と宇宙空間にまで拡大してきている。本年1月3日には中国の無人探査機が月の裏側に着陸した。・・・(村石恵照さん、2022年12月31日)【つづきはここをクリックしてpdf原稿でお読みください

――以前にお送りいただいていた原稿でしたが、2022年を長いレンジで俯瞰するものでした。年末を飾る貴重な玉稿としてここに掲載させていただきました。文書中では数々の貴重なご指摘をいただきました。とくに「軍産複合体とは、軍隊と産業といった単純な構成ではなく、実際は金融資本、産業資本、軍需産業、政府、官界、議会、産業別利益団体、有名大学を巻き込んだ学界、労働界、ほとんどの有名マスコミを含んだジャーナリズム界、広告・広報業界、退役軍人団体、各州地方の利益団体、さらには宗教界も包括した巨大な網状の複合体だ。/そして三軍の長である大統領は、就任宣誓の時、左手を聖書の上に置き、最後に「神よ、我を助けよ」と誓う。あまりに当たり前の光景だから世界中の人々はなにも言わないようだが、あらためて考えれば奇妙な光景だ。」/<銃と福音書が合体した真理>が世界と対決している。強力な <銃と福音書が合体した真理> に対して、中国はいかなる真理をもってアメリカに対処するのだろうか。」というご指摘について、じっくりと考えたいと思います。(野口)

 

=死刑廃止論の行方=

「アフガンニュースレター」の編集余話で、野口編集長がアフガニスタンやイランの相次ぐ公開死刑に触れ、死刑制度は廃止すべきだと述べています。このテーマは私にも興味があったので実情を調べてみました。タリバンは12月7日、殺人罪で死刑判決を受けていた男の刑を執行した。公開処刑は昨年8月の政権奪取以降で初だという。また、イランでも反政府デモに参加した23歳の男性の絞首刑を公開で執行した。最近で2例目だという。両国とも政権に反対する者に対する見せしめとして公開死刑を利用している。人権を認めていない強権政権の行為と考えると不思議ではない。しかし、人権を認めている日本でも、死刑制度については長年議論の対象になってきたが、死刑廃止についての結論は出ていない。内閣府による過去5回の世論調査では、8割以上の人が死刑廃止に反対し、賛成する人はわずか5~9%に過ぎないという結果が出ている。なぜ、日本で死刑制度の廃止が進まないのか。その背景には、江戸時代の「仇討ち」制度が影響していると指摘する専門家もいる。「主君や父、夫などが殺された場合に、恨みを晴らそうとして、臣下や近親者などがその相手を殺す」のが仇討である。元禄赤穂浪士事件(忠臣蔵)に象徴されるように、「仇討ち」は日本人の心の琴線に触れるものがあるようだ。この制度は、明治6年に「復讐禁止令」が公布され禁じられたが、この精神は今でも日本人の中に残っている。仇討ちには厳格なルールがあり、「恨みっこなし」が原則だと言われる。今でいえばリンチ(私刑)に当たるため、統制しなければ社会秩序が乱れることになるため、江戸幕府は細心の注意を払っていたという。現在では、仇討ちは法律が禁じているためきできない。そこで、国家が代わって死刑制度の名のもとに仇討ちを代行していると言えないこともない。昔は「私怨」といったはっきりした理由があったが、今の時代、オウム真理教のサリン事件や秋葉原無差別殺傷事件など「行きずり」としか思えない殺人が横行している。意味もなく殺されたのでは、遺族は納得しようにも納得のしようがない。一般の人まで、あまりの理不尽さに同情して感情移入してしまう。そんなところから、犯人の処刑が、そうした鬱屈した気持ちを晴らす「カタリシス的役割」を果たしている面がある。

若い世代になっても、こうした心情は残っている。これは、どう見ても死刑廃止論には不利な状況である、人権問題に関わるだけに、死刑制度をこのまま放置していいはずはない。冤罪の可能性もあるからなおさらだ。葉梨康弘法相が「法務大臣は死刑のはんこを押した時だけニュースになる地味な役職だ」などと発言して波紋を広げたが、そんな時だけこの問題が話題になるようでは議論は一向に深まらない。ところが、一度だけ議論が盛り上がったことがある。それは、日本弁護士連合会(日弁連)が2016年10月に、「2020年までに死刑制度の廃止を目指す」との宣言を採択した時だ。これに対して、犯罪被害者遺族や被害者支援に取り組む弁護士らから強い反発の声が上がった。一方、シンポジウムも各地で開かれるなど、その宣言をきっかけに死刑制度の存廃をめぐる議論が高まった。宣言の主旨について、日弁連は「被害者遺族が厳罰を望むのは自然な感情である。被害者に『死刑反対の立場になってくれ』と言っているわけではない。被害者と加害者、どちらの人権も尊重する社会を考えたときに、被害者支援も全社会的課題として取り組みながら、刑罰のあり方も見直していく。ただ、遺族が死刑を望んでいるから、社会が思考を停止して死刑を維持するという結論には問題がある」と説明した。一方、全国犯罪被害者の会は「宣言は遺族感情を全く理解していない。家族を奪われた遺族は、加害者の死刑を要求する。命を奪った者は命を差し出すべきだ」と加害者の死刑を強く要求した。そのため、議論は一方通行のまま深まらなかった。この状況に危機感を持った人がいる。それは、2010年当時の法相だった千葉景子氏である。2人の死刑を執行した直後の記者会見で「刑場を報道機関に公開する」と発言した。彼女は執行の様子を実際に見て「根本からの議論が必要」だと強く感じたのだという。日本では、死刑制度が必要なのかを論じようにも、「死刑とはどんなもので、死刑囚が執行の日までどう過ごしているのか」といった情報はほとんど公開されていない。千葉氏は、それを明らかにして議論を進めようとしたが、2010年の参議院選で落選してしまい、議論は立ち消えになってしまった。
日本の死刑制度は全国7カ所の拘置施設で法務相の命令によって執行され、方法は刑法で絞首刑と定められている。2010年以降の執行状況は、0人だった2011年と2020年を除き、年間2~15人で推移している。法務省によると、今年11月17日現在で確定死刑囚は112人。刑事訴訟法は、判決確定から6カ月以内に死刑を執行すると定めている。ただ、2019年までの過去10年間に執行された計48人でみると、確定から執行までの平均期間は約7年4カ月だった。国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」によると、2021年現在、198カ国・地域のうち144カ国が死刑制度を廃止・停止し、存続している国は日本を含めて55カ国である。経済協力開発機構(OECD)に加盟する36カ国で制度が残るのは日本と米国、韓国の3カ国だけである。韓国は1997年の執行以来、停止している。米国でも半数近い州が死刑を廃止したり、停止したりしている。制度を廃止する主な理由としては、冤罪の場合には取り返しがつかないことや、どんな理由であっても殺人を肯定しないという考えがある。欧州連合(EU)は「生命の尊重」との基本理念から、死刑廃止を加盟条件にしている。死刑制度の維持が、凶悪犯罪の抑止につながることを示す証拠が少ないことも、廃止を進める要因の一つとなっている。アムネスティによると、死刑制度廃止国で「凶悪犯罪が増えた」との報告はないとしている。

11月29日、興味ある訴訟ニュースが報じられた。それは、大阪拘置所に収容されている死刑囚3人が、絞首刑による死刑執行は、残虐な刑罰を禁止している憲法や国際人権規約に違反するとして、国に対して刑の執行の差し止めなどを求める訴えを起こしたのだ。その上で、死刑の宣告を受けてから長期間にわたって絞首刑の恐怖にさらされているとして、国に対して、絞首刑による死刑執行を差し止めるとともに慰謝料などを求めた。また、国は死刑がどのように行われるかなどの情報を非公開としていることについて、国民に絞首刑の実態を明らかにして議論すべきであると訴えた。死刑囚の代理人の水谷恭史弁護士は「死刑は生命のはく奪を持って罪を償わせるというものであり、苦痛を与えることが刑罰の内容ではない。日本以外では死刑の方法を苦痛などが軽減されるように改善している」と訴えた。しかし、過去の判例では、絞首刑が憲法違反であるとする判断は示されていない。1955年の最高裁の判決は「現在各国において採用している死刑執行方法は、絞殺、斬殺、銃殺、電気殺、ガス殺などであり、一長一短の批判はあるが、わが国の採用している絞首方法がほかの方法に比べ人道上、残虐であるとする理由は認められない」として憲法に違反しないと判断した。それでは、米国では死刑はどのように実施されているのか。米国では薬物注射による死刑が主であるが、執行には記者や被害者の家族、時には加害者の家族も立ち会う。死刑自体が可視化されていて、刑場で何が行われたか、その実態が詳細に報道される。この日米の違いは大きい。日本で情報公開が最近になって要求されるようになった理由はそこにある。死刑制度に賛成、反対のいずれの立場であるにしても、公開情報がなければ現実を見据えた議論はできない。情報がないままでは、いつまでたっても感情論に終わってしまう。情報に基づく議論をすれば、変化が生じる可能性も出てくる。現在の両極端な賛否両論のままでは死刑廃止は決められない。決めるのは政治家だが、賛否の意見が縮まらなければ、世論の動向に敏感な政治家は動かない。被害者の痛みに共感する気持ちと、死刑制度に反対する考えが両立するのが理想だが、日本では、それを実現させるにはまだまだハードルが高い。(中楯健二さん、2022年12月27日)

――法律にもとづいて人を裁き罰として死を与えるのが死刑です。秦の商鞅は秦のトップの行政指導者として改革(変法)を行いました。国家制度として中央集権化を進め、経済社会を大いに発展させ富国強兵を成功させた大功労者です。また革命的な政策を実施するために厳しい刑法を定めました。ところがその後反対派に追われ自分が作った法律によって逮捕・処刑されました。このときの処刑方法が有名な車裂きの刑(左右の手足を2台の車に結びつけ、その車を左右に走らせて四肢を引き裂く極刑)です。「悪法も法なり」として毒盃をあおって死刑を甘受したソクラテスの史実に比べれば想像するだけで目をつむりたくなるほどの凄惨さです。誰でも知るキリストは磔です。石川五右衛門の窯ゆでやハラキリも有名です。現代日本の法律では残酷な処刑方法を禁じていますが、ターリバーンは集団リンチである石打ちによるなぶり殺しや公開での肉体切断や銃殺などによる刑をいまだに実行しています。報じられた公開処刑はターリバーン2.0で初めてといわれていますが、この1年4カ月の間にリンチともいうべきむごい方法で公衆の面前で殺害されたあアフガン人男女の数は数えることができないほど多数です。問題は、人類がこの2、3千年の間に「法」によって人を殺す方法において「むごさを売り物にした見せしめ」を廃止しようと努力してきた歴史に反して、ターリバーンがいまだに「むごさ」を利用した「見せしめ」を統治手段として多用していることです。イスラーム法ですら人類史の流れに沿って処刑の方法に変更を施しています。変更を施さず相も変わらず統治を「むごさ」に頼ってネットなどで流しているのがターリバーンのみならず、世界にはびこる時代遅れのエセイスラーム頑迷主義者たちだと言えます。歴史によって葬り去られる潮流であることは間違いありません。(野口)

 

= 難民支援、ありがとうございました=

支援者の皆さま、ご挨拶をさせていただいた皆さまへ

ウクライナ侵攻などにより多くの人々が難民となったこの1年。紛争や迫害で故郷を追われた人の数が初めて1億人を超えるなど、国内外で様々な出来事がありました。

日本でもウクライナから避難した人々の受け入れが各地で進み、大きな注目を集めました。夏にはアフガニスタンから逃れた方々が一斉に難民認定され、過去最多だった昨年の難民認定数が大幅に更新される見込みとなり、トルコ国籍のクルド人が裁判を経て初めて難民認定されるなど、これまでにない動きもありました。

一方で、秋には国連から難民保護制度について見直すよう日本政府に対し勧告が出されるなど、世界の情勢を踏まえた難民保護のあり方が問われています。

日々多くのニュースがある中で、社会の印象に残っていない、あるいは既に忘れられてしまいそうなニュースもあったことを思い出してもらいたいと、1年間の出来事をウェブサイトにまとめました。ぜひ、ご覧ください。
「難民ニュースで振り返る2022年」を読む

ご支援くださった皆さまからの声をご紹介します!

この冬にご寄付をくださった方から多くのメッセージをいただいています。その一部をご紹介させていただきます。
「ご縁があって辿り着いた日本で、少しでも心穏やかにあたたかな冬が迎えられますように。 世界中の人々が、誰一人取りこぼすことなく!暴力や憎しみや悲しみ、貧困や飢餓、戦争のない平和を享受できますように。」

「これからも政府や国民への働きかけを宜しくお願いします。」

「出来る限りを目指すべく自身でも活動しています。この国を選んで来た人たちがこれ以上辛い思いをさせないことは、ひいては国内で暮らす人も共生の中での豊かさを実感できることだと考えます。一日も早く法改正されて現状が改善することを願います。」

メッセージはこちらのページでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。多くのご支援・応援メッセージに、心より感謝申し上げます。

難民アシスタント養成講座を開催しました
先月オンラインで開催した難民アシスタント養成講座には、約170名の方々にお申込みいただき、さまざまなバックグラウンドを持つ方にご参加いただきました。皆さんの関心の高さや熱意が伝わってくる2日間で、スタッフも励まされました。参加者の感想や講座後に行うアクションの宣言など、イベント報告にまとめました。ぜひ、ご覧ください。
詳細はこちら

税控除のための2022年分寄付領収証のお届けについて

難民支援協会は「認定NPO法人」のため、ご寄付は税控除の対象となり、確定申告によって寄付金額の最大約50%が税金から控除されます。
詳しくはこちら をご覧ください。)

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認定NPO法人 難民支援協会
〒101-0065 東京都千代田区西神田2-5-2 TASビル4階
TEL:03-5379-6001 FAX:03-5215-6007 info@refugee.or.jp

――難民支援後進国の日本ですが、少しずつ前進しているようです。こんなを抱えた人々に手を差し伸べる国でありたいと思います。(野口)

 

=アフガンニュースにコメントできない=

今号では、混とんとしたアフガニスタンの情勢、テロの拡散、あの9.11事件前の不穏な動きを予感させるといった言葉が並んだ。
世界では、80億人の未来、増え続ける人口と貧富の差。食糧危機。ウクライナの越冬支援する国際会議がパリで開かれマクロン大統領は「ウクライナの支援を訴えた」。この間にもロシアのミサイルはウクライナにある赤十字テントを爆破し多くの死傷者を出している。
英国の環境保護団体(ジャスト・ストップ・オイル)の活動家は、世界の美術館で名画にスープやオイルを投げつけ、「芸術と命、より価値があるのはどちらか」と訳の分からないことを叫んでいる。
男女平等や人権について、法制化が遅れている日本は、国際社会の中で苦境に立っている。
しかし日本の視点は、増税してまで米国の軍需産業を支援しようとしているように見える。
人を思いやる心がどんどん失われていくようだ。
アフガンニュースにコメントできない状態です。(B.Sさん、2022年12月18日)

――世の中は不条理という言葉が不条理に思えるほどに理屈に合わないことがまかり通っています。コメントしようにもコメントするのが馬鹿らしくなるほどに利害関係があけすけです。しかし確実に死活の淵で苦しんでいる人々はいるわけで、彼らはわれわれの犠牲になっている「炭鉱のカナリア」なのだと思います。カナリアではないはずのわれわれも神経がやられているのではないでしょか。コメントできなくて当然とも思います。現実を見つめて乗り越えるしかありません。(野口)

 

=敵基地攻撃能力その3(北朝鮮の狙い)

岸田政権は「相手に攻撃を思いとどまらせるには敵基地攻撃能力が必須だ」と明言しました。アメリカは濡れ手で粟なので大歓迎しましたが、それ以上にほくそ笑んだのは北朝鮮の金正恩でしょう。日本が宣戦布告に繋がる最も危険な道に歩み出したのです。私は一市民として全国民にその警鐘を伝えなければならないと思い本報告(第3報)を投稿しました。

1.北朝鮮のミサイル開発と発射実験の狙い
貧乏な北朝鮮が何故多額の費用をかけてミサイル開発を続けるのか?
「アメリカを威嚇して経済制裁を解除させるため」との答えが多いが、全くの間違い。
この取引のコスパ(費用対効果)はほゞ0.理由はアメリカが応じないから。
北朝鮮の狙いはズバリ日本です。日本近辺に落下するミサイル発射実験を何度も繰り返すうちに、遂にその挑発にのって先制攻撃を是とした。
今後の北朝鮮の行動はコスパの観点から以下のようになるでしょう。
①ミサイル発射実験を更に拡大させ日本人の不安をあおる。
②政府が挑発に乘って、先制攻撃する。
③北朝鮮は日本の「国際法違反」を名目にミサイルで反撃する。
④攻撃目標はコスパの良いエネルギー施設や都市攻撃など。
⑤北朝鮮ミサイルの威力を実践で実証し、武器輸出ビジネスを加速させる。
⑥ロシア・中国・中東他に最先端ミサイルを輸出して莫大な利益を稼ぐ。
⑦以上で初期目的を達成すればミサイルの増産と更なる開発を繰り返す。

2.ウクライナ戦争で明らかになったこと
ミサイルは戦車など比較にならないほど重要な兵器であること。
特に迎撃を回避し、目標を外さない精密誘導技術。おそらく北朝鮮は世界最先端。
アメリカは直接参戦しないで、後方支援(武器や技術供与等)に徹する。
つまり、日本は盾も矛も担うことになるが、軍隊の無い日本は戦争に勝てない。
③国際法違反や戦争犯罪の主張は抑止力にならない。後の祭り。水かけ論。

3.中国・台湾・韓国・沖縄との関係
①北朝鮮は沖縄や韓国(米軍基地)を攻撃しない。コスパが悪く損である。
中国にとって北朝鮮は「防波堤」として機能すればよいので、過度な介入はしない。
②台湾有事。中国は、「台湾は自国の領土」と主張しているので、ロシアが「ウクライナは自国の領土」として戦争したと同様になる。この場合、台湾がウクライナと同様に
「台湾軍隊が対戦し、血を流す」のを条件にアメリカは軍事支援する。
アメリカは米兵を派遣しない。台湾は既にその覚悟を決めているようです。
日本は中国が怖いので対ウクライナ支援と同様微力の後方支援になるでしょう。

4.米・中の対立
米国は中国を最も警戒していますが、中国と戦争する気はありません。
理由は何の得もないから。同様、日本も中国と戦争する気はありません。
警戒するのは、中国の覇権主義です。一帯一路および南太平洋、アフリカ、オセアニア  等の中間帯への進出・影響力の行使です。アメリカはこれを最も警戒しています。
ミサイル等の近代兵器で精密誘導の鍵を握る半導体は特に重要で、日本も一翼を担うべきです。また、サイバースペースでの戦いの鍵を握るIT技術も重要です。

5.日本の防衛と真の抑止力
先制攻撃用に5年で5兆円を使って長距離ミサイルを開発し、挑発に乘って実戦に出れば抑止どころか大損害を被るのは日本です。ミサイルの装備で抑止力が向上し「敵がビビる」などの期待は、北朝鮮から見たら荒唐無稽でしょう。
日本の進むべき道は先端技術開発等で国際競争力を強化し、経済力を倍化させて、国力を強化することでです。これについては中国の成功例に学ぶことも必要。
兵器開発は国力強化の効率が悪い。今更、武器輸出大国を目指すのも筋違い。
国力の強化と「丸腰を撃つのか?」という憲法9条の砦、世界唯一の被爆国が先導する「核廃絶こそ抑止力」が日本の進むべき道である。

6.なぜ、こんなバカな方針がまかり通るのか?
原因は日本人の思考習慣にあると思われる。
「長いものには巻かれろ」、「出る杭は打たれる」、「お上には逆らうな」
そして、近年若者を含めて一人住まいが増え、家族・友人・仲間・集会などから遠ざかって社会に無関心になっている。
この問題を指摘した本が、宮台真司・藤井聡「神なき時代の日本蘇生プラン」
この他、下記の社会科学の本が参考になる。
小室直樹(中国原論、ソビエト崩壊)、姜尚中・内田樹「新世界秩序と日本の未来」
西谷修「ロジェ・カイヨワの戦争論」
(2022年12月10日 世田谷区在住 飯沼一元 80才)

――「なぜ、こんなバカな方針がまかり通るのか?」が大事な論点ですね。アメリカとの戦争に負け(本当は世界との戦争に負け)たのにアメリカ一辺倒で戦後を過ごし、アメリカの奴隷となって甘い汁を吸った体験がいまだに抜けないのでしょうね。日米合同委員会で毎月アメリカの指示を聞きその通りにやってるんでしょうから。日本政府は「アメリカの声」を聴く前にまずわれわれの声を聴くべきですね。(野口)

 

=敵基地攻撃能力

コロナ、ウクライナに続いて、今度は敵基地攻撃能力が国会決議されそうです。
ウクライナ戦争の恐怖、度重なる北朝鮮のミサイル発射の現実を前に 勇ましい発言が噴出し、反論すれば非国民呼ばわりされそうな雰囲気になってきました。
この問題は安倍政権が憲法改正と共に抑止力としてのミサイル装備を力説したことの延長上にあります。予算も確保し海上から1000km級の長距離ミサイルを発射できるようにするという具体案があるようです。この勢いでは十年以内に戦争が始まりそうです。
そもそも、「抑止力」とは誰が評価・検証するものでしょうか?
日本が勝手に、「相手はこれでビビるはず」と思っているだけではないでしょうか?
抑止力の評価は、本来相手国がするものです。仮に北朝鮮に評価を聞いてみれば、ビビるどころか「絶好のチャンス到来、一発の先制攻撃があれば、直ちに100発撃ち返す」となります。「これで、長年多額の投資をして開発してきた成果が日の目を見る。万歳!」となるでしょう。ここで、「先制攻撃がどちらが先か」は如何に慎重に手順を踏んだとしても、ウクライナとロシアのやり取りで明らかになったように水かけ論になること必定。
結果は強い方が勝つに決まっています。戦力を比較すれば東京が火の海になることを覚悟しなければなりません。政治家はこの危険性が架空のことではなく現実であることを事前に国民に理解させなければなりません。たとえアメリカに支援要請しても手遅れになることはウクライナで証明されています。
私は、以前から「核廃絶こそ抑止力」と言ってきました。岸田政権の命はここにあるはずです。
社会科学の本を通読すると、今こそ戦争を体験した老兵の知恵が必要と書かれています。
できる限りの社会貢献をしたいと考えています。(世田谷在住の80才男性)(飯沼一元さん、2022年12月9日)

――コロナ、ウクライナ、今度は敵基地攻撃能力と、ぼーっとしているとなんだかマスコミで言われている通りの問題、深刻さのような気がしてきます。しかし、ちょっと待てよ、と中身を見ていくと、世の常識とは様変わりの風景が見えてきます。一般大衆は忙しくて独自に調査して深く考える暇がないので流されていくようです。NHKは戦前の戦争になだれ込んでいくなかでの庶民の暮らしにスポットをあてる企画を行っているようですが、もっともっと、民衆自身による掘り起しが大切なようです。高齢者の出番です(笑)(野口)

 

=敵基地攻撃能力(その2)

政府が年内に改定する安全保障関連3文書の骨子案に敵のミサイル発射拠点などを攻撃する「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有を明記した。これは極めて重要な転換であり、
10年以内に日本が戦争に巻き込まれる可能性が高いことを先便で指摘した。
今回、この問題を別の視点から整理してみたい。

1.憲法との関係
憲法第13条には「国民の生命・自由及び幸福追求の権利については、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と記載されており、日本が自衛することは国政の義務であり、これに憲法9条が加味されることで、「専守防衛」が基本とされる。
ところが、近年北朝鮮がミサイル攻撃能力を飛躍的に高めたために、迎撃はもはや不可能と判断し、敵基地先制攻撃容認に転換したが果たして国民の命を守れるだろうか?
敵のミサイル攻撃を回避し国民の命を守る方法は、先制攻撃が唯一ではないはずである。
2.ウクライナ戦争で分かったこと
①アメリカはウクライナを防波堤にした。戦い血を流すのはウクライナで後方支援するのが米国。NATOも同様で集団的自衛権加盟国は直接的には参戦しないことが黙認された。
②実戦が先行すると、国際法違反・戦争犯罪の主張は抑止力にならないことが判明した。
3.北朝鮮を先制攻撃した場合に想定される結末
北朝鮮は必ず反撃する。先制攻撃が明白であれば100倍1000倍にして攻撃する。
日本(東京・大阪も含む)はミサイルでウクライナのように都市が破壊される。
日本がいくら国際法準拠と主張しても、無駄であり、アメリカは日本の代理戦争には参加しない。しかも、アメリカが支援するのは日本が自ら戦争し血を流す場合だけである。
以上から先制攻撃用に5年で5兆円を使って長距離ミサイルを開発し、専守防衛の範囲だと屁理屈を並べても実戦に出れば失敗するのは必定。まして、ミサイルの装備で抑止力が機能し「敵がビビっておとなしくなる」などの期待は、北朝鮮から見たら荒唐無稽であろう。北朝鮮の後ろには中国も控えている。戦時中の北朝鮮に対して平和ボケした日本が戦争で勝つなどありえない。
4.先制攻撃とは別の対策がある
安全保障に5年で43兆円使うより、低下が著しい国力の強化に投資するのが筋である。
国民所得も技術力もこの20年で大幅に低下し、人口減少にも歯止めがかからない。
コロナ感染カルテを医者がFAXで報告するなど、日本はIT後進国になり下がった。
筆者は1980年代のジャパン・アズ・No1をNECでリードしたが、先端技術開発で
国際競争力を強化し、経済力を倍化させて、本来の抑止力(国力)を強化すべきである。
そのためのテーマやアイデアは枚挙にいとまがない。
例えば、原発汚染水を飲料水に還元するシステムを開発すれば、問題解決に貢献できる。
以上
(2022年12月10日 世田谷区在住 飯沼一元 80才)

――いま国会でなされているようなちゃちな議論で敵基地攻撃によるミサイル攻撃を防げると思っているのでしょうか。仮想敵国は北朝鮮ですか? それとも中国ですか。中国にはいったいどれだけのミサイル発射基地がありますか? そしてそれらは常時監視できていますか? バカげています。彼らですらできるとは思っていないでしょうね。アメリカに言われて防衛費をGDPの2%に持っていくための議論でしかありません。敵基地攻撃ではなく、アメリカ発横車への屈伏にほかなりません。(野口)

 

=台湾での長い付き合い、アフガニスタンでも・・・=

先日の蔵前技術士会での有意義なご講話ありがとうございました。
私は、正直に申し上げてアフガニスタンと直接関わったことはありませんが、アメリカ軍が引き上げた後、どうなったのかよく分かりません。また、今、世界はウクライナ侵略の方に目が向いていますが、アフガニスタンはじめ、トルコのクルド問題、イランの動向などなど、平和にはほど遠い状況です。したがって、一般常識としてアフガン情勢も知っておくべきかなと思っています。
アフガンと直接に関係したことはないのですが、唯一の想い出は、昔、インドに仕事の関係で出張した帰り、デリーから東京への帰国便がなぜか突然欠航となり、やむなく、デリー、ムンバイ、パリ、東京というルートで帰国したことがありました。ムンバイからパリへ飛んだ際、アフガニスタンの上空を通過したのですが、眼下のアフガニスタンの荒涼とした大地を見て、こういうところでの人びとの生活はどうなのだろうか思いました。
ところで、私は仕事で台湾と長い付き合いをしてきました。ご承知のように、日本は台湾を50年ほど統治してきましたが、我々の先輩たちは台湾のためにいろいろ立派な仕事をしてきました。そのため、台湾の人びとは大変親日的です。
アフガニスタンでも、中村医師のような立派な仕事をされてきた、あるいは、仕事をされている方々がおられると思います。
皆さんのお仕事がアフガニスタンの将来のために大いに役立つことを願っています。(大谷昌弘さん、2022年12月9日)

――つたない話でしたが、お聞きいただきありがとうございました。台湾では八田與一さんの烏山頭ダムと灌漑事業が有名で、台湾の人々が太平洋戦争中八田氏の銅像を隠して徴発を逃れた話など、住民とのつながりがよく理解できます。また現在、記念公園もできて厚く顕彰されつづけています。中村さんの記念公園もアフガニスタンに完成しています。八田さんらの仕事は、映画『KANO_1931海の向こうの甲子園』でも描かれていました。とても感動的な映画でした。植民地支配のもとでも人々の暮らしを直接豊かにする人道的な事業は住民に支持される好個の見本だと思います。ペシャワール会の仕事をふくめ、数多くのこのような歴史を語り継いでいきたいと思います。(野口)

 

=「人と事業」を後世に残す=

「アフガンニュースレター」の前号に、故中村哲氏の3周年追悼会が案内されていました。中村さんが73歳で殺害されてから3年とは、月日の経つのは早いものです。捜査は今も続けられていますが、いまだに犯人は捕まっていません。ただ、事件の背景にはパキスタンとアフガニスタンにおける長年の水争いがあるのではないかと言われています。地元の政治家や関係者の発言などから、これはほぼ確かなようです。アフガニスタンは中央アジアの水源に位置しており、地表を流れる水のうち30~35%が国内で使用され、残りは近隣諸国、多くは東側のパキスタンと西側のイランへ流れる。「中村さんの灌漑事業が下流域にどの程度の影響を及ぼしたかは定かでないが、気候変動など別の要因による水量の変化が、『中村さんの仕事のせいだ』と結びつけられてしまった可能性はある」と地元の関係者は証言している。中村さんが地元で英雄視されているのは、荒れ果てた土地を潤したことにある。東部を流れるクナール川から用水路を築き、不毛の地とされたガンベリ砂漠の緑化に成功した。高温・少雨の影響で、アフガニスタンで水の重要さは年々増している。「かつてアフガンは水が豊富で中央アジアの農業の中心地だったが、100万人が餓死の危機に瀕した2000年の大干魃(かんばつ)で国土はやせ細ってしまった」とアフガン外務省関係者は言う。水争いは世界の各地でも起きている。例えば、インダス川におけるインドとパキスタン、ガンジス川におけるインドとバングラデシュ、ドナウ川におけるチェコスロヴァキアとハンガリーなどが挙げられる。現在では、エチオピアとエジプトが水の利権を巡って一触即発の関係にある。エチオピアがナイル川上流に巨大ダムを建築して、今年2月から発電を開始したからだ。これには、水資源の9割以上をナイル川に頼るエジプトが猛反発している。「食べ物の恨み」は怖いというが、「水の恨み」はそれ以上と言えるかもしれない。こうした記事を読むと、パキスタンとアフガニスタン両国の反目の中で灌漑事業を行うことが、中村さんにとっていかに命懸けであったかが分かる。テレビに映し出される用水路周辺の青々と生い茂った樹木の風景が、昔は全くの荒涼地だったとは想像することすらできない。それを成し遂げた中村さんの業績は、現地の人の暮らしを豊かにしただけでなく、人々が生み出す努力の結晶の尊さを我々に教えてくれる。中村さんは常々言っていたことがあるという。「アフガニスタンにいると『軍事力があれば我が身を守れる』というのが迷信だと分かる。敵を作らず、平和な信頼関係を築くことが一番の安全保障だと肌身で感じる。日本人ということで命拾いをしたことが何度もあった。憲法9条は日本に暮らす人々が思っている以上に、リアルで大きな力となって、僕たちを守ってくれている」と語っていたという。平和憲法の恩恵はこんなところにもあったのだ。ところが、その平和憲法が今や危うい。最近、政府が行っている議論は、「敵基地攻撃能力」が専らで、専守防衛の精神は薄らいでしまっている。今回の「サッカーワールドカップ」の一次リーグで日本が対戦したコスタリカは、軍隊を持たず、戦争をしないことを謳う「平和憲法」を持っていることで知られている。その点は、従来の日本と同じと言えるが、両国はいま違う道を歩もうとしている。一方は、軍事費をGDPの2% に増やして更なる軍事大国を目指し、もう一方は、すべての軍事費を教育に充てようとしている。何たる違いだろうか。恐ろしい。サッカーW杯で国を背負った選手が「勝った、負けた」と涙を流すことはあるが、血までは流さない。それがスポーツの良さと言える。
中村さんが、パキスタンとアフガニスタンの国境にあるヒンドゥークシ山脈に初めて登ったのは1978年のことである。その時に中村さんは、医療が届かない山村の人々の暮らしに触れて、彼らの苦境を肌身に感じたと言う。そんなこともあり、中村さんは1984年に自ら希望してパキスタン北西部に赴任し、医療支援活動を始めた。そして、戦乱が続くアフガニスタンにも活動の場を広げていった。アフガニスタンが大干ばつに襲われた2000年以降は、水を確保しようと、同国東部で約1600本の井戸を掘った。クナール川などに取水堰(せき)を10カ所つくり、住民とともに計約39キロの水路を掘り進めた。いまでは約1万6500ヘクタールの農地に緑が蘇り、約65万人の暮らしを支えている。事件後、中村さんを「カカ・ムラド(中村のおじさん)」と慕ってきたアフガニスタンの人々は、各地で追悼集会を開いた。事件の2日後、首都カブールで生まれた男の子は「ナカムラ」と名付けられた。父親は「ドクター・ナカムラの人助けの心を受け継がせたい」との思いから付けたという。中村さんの功績を讃えて記念切手も発行された。中村さん亡き後も、現地では取水堰の建設作業が続いている。その作業を、中村さんに共鳴する多くの日本人の寄付が支えている。アフガン政府は中村さんのやり方をモデルにした灌漑事業を各地に広げる構想を練っている。これが実現すれば、さらに何十万、何百万の住民が救われることになる。これは、中村さんが殺害された当時の新聞報道を拾い読みしたものだが、彼の遺志は今も引き継がれている。中村さんを支えてきたNGO「ペシャワール会」は、現地NGO「平和医療団(PMS)」と協力して、医療や食糧配給、用水路の事業などを継続している。日本で土木の専門家による技術支援チームをつくり、現地NGOとオンラインで協議を重ねて今年2月に新たな堰(せき)を完成させた。10月には小規模な用水路工事にも着手している。現在の会員・支援者は2万6千人。この3年間で1万人増えた。中村さんが蒔いた「種」は、確実に成長して実をつけている。これは、開発途上国に政府が提供する、ODA(政府開発援助)やJICA(海外協力隊)のよき見本となりえる。「金を残して死ぬ者は下、仕事を残して死ぬ者は中、人を残して死ぬ者は上」という言葉がある。まさに、中村さんは「人と事業」を後世に残した稀有な人と言える。それも異国で。心から冥福を祈りたいと思います。(中楯健二さん、2022年12月8日)

――水争いは僕の子供のころの郷里(鹿児島)にもあって、田んぼの水供給順をめぐってクワやカマを持ち出した衝突があり、死者が出たりしていました。アフガンの水はパキスタンだけでなくイランでも命の水で、イランとも現在も国家間の水争いが起きています。ウクライナ戦争でもクリミアの水をめぐる紛争の側面もあります。中村さんたちの人道を貫く活動を守るのが政治の力の「はず」です。その政治が目先の自分の仲間だけの利権確保に走り、本来政治の根幹にあるべき人道がわきに追いやられているところに、さらにはそもそも政治は人道の実現が目標であるはずなのに、それが忘れられたところに悲劇の原因があると思います。中村さんたちの人道の活動は政治の劣化・腐敗・敗北も照らし出しています。(野口)

 

=目の前の人、目の前の課題が大事=

今号で、「アフガニスタンにとって安定した政府と政治体制は不可欠な前提条件」との記載があった。とすれば今の暫定政権の中で国際社会が支援できることは限られる。という事。
12月5日にペシャワール会の活動報告があった。医療や食糧配給、用水路の事業継続、具体的には現地NGOとオンラインで新たな堰を完成した。また中村哲さんの活動に共感した10代、20代が動き始めた。彼らは「目の前の人、目の前の課題に懸命になることが大事と中村さんの活動から教わった」と言っていた。
横道にそれるが、目の前の課題に懸命になるという例で「椎名誠」という作家がいる。
彼は自然保護には積極的に動くことで知られているが30年前青森と秋田が経済活性化のため白神山地に縦貫道路を建設するとなった。地元自然保護団体は白神のブナを守るため反対運動を起こした。ブナと絶滅危惧種のクマゲラを助けようという運動だがクマゲラの生態を証明しなければならず、テントを担いでクマゲラ探しを始めた。椎名誠はこれに賛同しみずからテントを担ぎ自然保護団体と行動を共にした。結果縦貫道計画は中止されブナ林は残った。白神山地は現在世界遺産として貢献している。椎名誠は「世界遺産」は「地球そのもの」という。チマチマしたエリアではなく地球という目下傷だらけの本当はとてつもなく美しい惑星こそ人類が全員で愛し守るべきなのだ。と言っている。
ただ民間人がいくら訴えても地球はすさまじい勢いで汚染されていく。国連に法的拘束力がないため、CO2などを垂れ流す国の自覚を待つしかない。
イランのヒジャブについても、国連人権理事会はイランの人権状況について調査を開始するようだが、イラン側は協力に応じないものとみられ調査は限定的になりそうだ。
イランの反戦デモが体制を揺るがす「革命」に発展する可能性については、「今回の抗議運動はリーダーと呼べる人がいないのも特徴で、国会議員らと連携して法律を変えるような動きは難しい」(山崎和美、横浜市大准教授)。先の長い話だ。時間をかけてる間に沈黙を続けているアフガニスタンなどは消えてしまうのではないか。
ウクライナに目を向けるとNATOが越冬支援として戦力ではなくエネルギー関連施設の修復などを行うと発表した。ウクライナ市民が冬を越せるように国際的な支援が続くことを祈る。(B.Sさん、2022年12月8日)

――なにもかも一度にはできないので、日本庶民としては日本に避難してきているウクライナやアフガニスタンの人々の支援ならできるし、大事なことだと思います。4日に行われた中村哲さんらの仕事に対するアフガン人の感謝の姿勢は日本人にとって宝だと感じました。われわれ庶民としても、個々人が「忘れていないぞ」と声をあげ、微力でもささやかでもできることをしていきたいと思います。周りにアフガン情勢を伝達するだけでも意味がある、このブログ活動を続ける意味はある、と信じています。引き続き関心をお寄せくださり、「声」を届けてくださるようお願いします。(野口)

 

= トマホーク、一発いくら? =

500発買うって?
いったい誰が払うんだよ。 (TSさん、11月30日)

――1発1億円から2億円らしいですよ。ずいぶん値幅が大きいようで。ウクライナ戦争に便乗して大儲け。支払うのはあなたや私、世界人民。(野口)

 

=男性社会への異議申立て=

今回の「アフガン・ニュースレター」では、男性が支配するアフガニスタン社会で活躍する女性国会議員・ファウジア・クーフィ女史の自伝「お気に入りの娘」の要約が、サイト編集員の金子明氏による翻訳と監修によって紹介されている。男子誕生が望まれる中、間引きされかねなかった女性の、4歳から30歳でアフガン初の国会副議長に就任するまでの半生記である。波乱万丈という言葉がまさに当てはまる。アフガニスタンの近現代史とも、「アフガンを愛し、アフガンを良くしようとする」女性の奮闘記と捉えることもできる。クーフィ氏は1975年に、7人の妻を持つ国会議員の父親のもと、子ども23人の中の19番目の娘として、アフガニスタン北部の州で生まれた。アフガニスタンの社会は「娘は、家庭生活で父親が母親を殴る姿を見て育つ」「女児はやがて結婚して家を出ていくため、見返りが得られないとして、学校に行かせてもらえない」「男の子を産むことが求められる女性は、息子を授けてほしいと神に祈る」といった古い因習的な伝統が支配している。これを女の運命だと諦め「異を唱える者はいない」と著者は本の中で語っている。父親は反政府軍の懐柔に失敗して、彼女が4歳の時に殺されてしまう。父親の死後も激しい内戦が続き、家族は難を逃れるため、命がけでアフガン各地を転々とする。兄が警察署長を務めるカーブルで11歳から3年間過ごした期間が、彼女にとって最も幸せな子ども時代だったという。彼女は隣村出身の両替商を営む青年に求婚され結婚するが、夫はターリバーンに3回逮捕された上、拘置所で感染した結核が原因で若くして亡くなる。夫婦の間には2人の娘がいる。やがて、彼女は孤児院での仕事を得て働き始め、「子どものための財団」が行うプロジェクトにも参加して、医療や栄養上のニーズを調査するために僻地を回った。この体験が、彼女の人生を変えることになる。あまりの貧しさに心が折れそうになるが、父親を知る多くの人にも出会い、父親の偉大さを改めて知ることになる。その結果、彼女の心の中に政治家を目指そうとする気持ちが芽生える。「政治家になることが、自分の存在意義そのものだと気づいた」と語る。孤児院での仕事を通じて、彼女はユニセフの「児童保護士」の仕事に就く。やがてユニセフの責任者となり、アフガンで唯一の女性として働き始める。議員になりたい気持ちが強まり、カルザイ政権が発足した翌年の2005年に行われた国会議員選挙に立候補して当選する。勢いを駆って副議長にも立候補し11人を破って選ばれた。これがごく大雑把な自伝のあらましであるが、個人的な体験とはいえ、当時のアフガン社会の状況を知るには絶好の書となっている。

折しも、イランで22歳の女性が髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」をめぐって逮捕された後、急死した事件から2カ月がたつ。抗議デモは今も続き、治安当局の力による鎮圧で死傷者が増えている。こうした弾圧を許せないとして、抗議デモに賛同する国際支援の輪が広がっている。一方、世界における男女格差は広がりこそすれ、狭まっているとは言えない。その格差の指標である賃金、地位、教育、就職などの項目を見ても、女性の立場はいまだに男性と比べて不利な状況にある。そうした状況下で、女性による男性社会への「異議申し立て」の動きが、世界的な広がりを見せるのは当然と言える。日本も男性が支配する社会である。昨年3月に発表された世界経済フォーラム(WEF)の報告書によって、① 日本の国会に占める女性議員の比率は9.9%、② 大臣の同割合は10%、③ 企業における管理職の女性の割合が14.7%、④ パートタイムの職に就いている女性の割合は男性のほぼ2倍、⑤ 女性の平均所得は男性より43.7%低い、ことなどが明らかになった。また、韓国でも「異議を唱える」女性の動きが起きている。その象徴が女性文学の台頭である。無口だった人が、突然に滔々(とうとう)と喋り出したような感じで、韓国の若い世代の女性作家が次々と作品を発表している。ハン・ガン著「菜食主義者」は、世界3大文学賞の一つである英国・ブッカー賞をアジア人で初めて受賞した。また、チョ・ナムジュの「82年生まれ、キム・ジヨン」は韓国で130万部、日本でも21万部のベストセラーになった。さらに26カ国で翻訳され、海外における韓国文学ブームの牽引役を務めた。韓国での女流作家の登場は、日本で紫式部や清少納言、和泉式部などが活躍した平安時代を彷彿させる。漢字は男性文化の象徴であったため、日本でも書き手は男性に限られていたが、「ひらがな」の発明で文才のある女性たちが日記などを書き始め、女性文学のジャンルが確立された。日本と同様、男性中心の韓国文学の世界に、なぜいま女性作家なのか。その背景には、韓国社会における「女性蔑視」に対する女性の反発がある。日本には明治時代以降、平塚らいてうや市川房江,伊藤野枝などの社会活動家による女性の権利を主張する「フェムニズム」の歴史がある。彼女らの「男性社会に物申す」発言は大正デモクラシーを経て徐々に力を得て、男性もその発言の一部を認めざるを得なくなった。しかし、韓国には女性権利を主張する活動家の存在も大正デモクラシーの歴史もない。母や祖母たちは、男性と対等でないばかりか、幼い頃から兄や弟の学費のために働き、女の子を生むと夫の母に「申し訳ありません」と謝り、次も女の子だと分かれば中絶を強いられた。そんな母や祖母を見ながら育ってきた若い世代の女性の鬱憤が、小説の形で爆発したと言える。彼女たちが書く「フェミニズム」小説は、男性社会に突き付けられた「告発の書」である。それが今、女性の権利を主張する「フェミニズム」の流れにのって、世界的な注目を浴びている。アフガン、イラン、日本、韓国の女性たちの思いは、文化や社会環境は違っても、お互いに深いところでつながっているように見える。(中楯健二さん、2022年11月30日)

――金子編集委員のつぶやきの成果を取り上げていただき、ありがとうございました。とにかく、女が変わらなければ男は変わらない、社会も変わらない。ジャンヌダルクも女だし、ロシア革命や米騒動も女が立ち上がって始まったそうです。アフガンの女性は人類史の殿軍です。世界中のわれわれの尻をひっぱたいて、励ましているんじゃないでしょうか。(野口)

 

=まずはウクライナ人の命を救え=

アフガンニュースを読み返してみました。人道支援が中心のトーンです。
国連難民高等弁務官事務所によればアフガニスタン国民の半数24百万人が人道支援を必要としており6百万人が飢餓に苦しんでいます。アフガニスタン支援に協力ください、1日100円で救える命がある、と駅前で青年がビラを配っていた。
人道支援は大切だが、アフガニスタンは何故国全体が貧しいのか。
・政治や文化の基本はイスラム教で成り立っている。
・男尊女卑の考えが強く残っている。
・1973年王政崩壊以降経済成長が止まっている。
・国家予算の7割強は国際支援から成り立っている。
・GDPは世界平均値の10%以下でアジア最低。
・失業率40%超(現時点は不明)、しかし鉱山資源は豊富。
・暫定政権は「国内すべての勢力が参加した政治を作る」と内外に約束したが実現していない。
・治安の悪さから海外支援も行きにくい状況。
アフガニスタン国民は海外支援を頼り働く意欲が失せているのではないか。
(日本にも男尊女卑はある。からゆきさんや女工哀史、このコロナ禍で生活が行き詰っても生活保護を申請しない人は多くいる。国民性の違いか分からないが貧しさは自己責任と考え歯を食いしばって生きる人が多いように思える。)
タリバンが政権を掌握して1年3か月、暫定政権を認めた国はあるのか。
人道支援から凍結資産を解除しているようだが、誰が潤っているのか。
国際社会にしても日本単体でも支援ということで優先順位を付けるとすれば、まずウクライナだ。
ウクライナの命を救うことは、国際社会の義務だ。(B.Sさん、2022年11月30日)

――ターリバーンを国家承認した国はまだないです。実効支配勢力(武力抵抗勢力が国内にいますが)として対応しようとする傾向があります。周辺国はテロ輸出地域として警戒しながらも。アメリカはいうことを聞く勢力(内部かく乱も含めて)人参(凍結資産の小出し)をぶら下げています。いまや米政府、軍、CIAの下請け、というのがアフガン人の見立てです。いまは生存にやっきなアフガンの経済的自立は極めてむつかしいのが実情。しかし将来の連邦制を見据えて連邦経済の研究をしている経済学者もいます。緊急には「ウクライナ国民のこの冬の生き延び」ですがアフガニスタンも同じです。とにかく、一人でも多く生き延びてほしいです。(野口)

 

=アフガン難民の日本での実情

この欄で、アフガニスタンから日本への避難者が何人くらいいるのかということが話題になっていたように思います。先日のNHKの報道によると出入国在留管理庁発表で去年8月15日以降820人いて、今年98人難民認定されているそうです。

「アフガン避難民98人を難民認定 日本大使館スタッフら 年間最多」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220823/k10013783831000.html

また、その中のひとりの方が宮崎大学に受け入れられ1年間の就業が可能になったそうです。同じくNHKが報道しています。

「家族のためにキャリアは捨てた」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220930/amp/k10013841491000.html

気づいたのでお知らせしました。(K.Kさん、11月24日)

――わたしは両方とも見逃していました。貴重な情報ありがとうございました。先ほどは難民支援協会(JAR)からお便りをいただき掲載させていただきました。個人にできる支援には限りがありますが、さまざまな団体が取り組んでいるので、ささやかでもお手伝いしたり、情報を広げたりしていきたいと思います。今後ともどんな情報でもお気づきの際はぜひお知らせください。(野口)

 

= 人の命とか尊厳の重さを改めて考えたい =

バックミンスター・フラーという米国人がいます(1895ー1983年)。発明家で思想家、建築家、詩人ですが建築物ではジオデシックドームが有名。日本では富士山頂の観測所ドームが記憶に新しい。富士裾野で組み立てられヘリで運ばれた軽い金属素材だが風速60メートル以上の風雪を簡単にクリアーした。安価な金属素材だが正三角形に近い三角型で細分割した球面は強度が強いことが証明された。フラードームのコンセプトは有限資源を効率よく使うことで人類の生存を持続可能なものとする。フラーの下にヒッピーと呼ばれた若者が集まりドームの原理を学び製作した。スティーブジョブスも経営に行き詰った時に訪れている。フラーの著書に『「宇宙船地球号」人類は乗組員』があり今必要な著書である。

COP27が開催されている、地球温暖化で生じたとされる被害をめぐり途上国が先進国に損害賠償を求めて紛糾している。南の島ソロモン諸島では、年7ミリの海面上昇により砂浜がなくなり住民は移住の決断を迫られている。パキスタンのシャリフ首相はわが国の二酸化炭素などの排出量は非常に少ないにもかかわらず、破滅的な洪水が起き、犠牲者になった。これは人災だと訴えている。開催国エジプトは、海面上昇の影響を大きく受ける国の一つだ。世界最大級の三角州、ナイルデルタの約一割が水没するという予測がある。(11月16日付朝日新聞)。しかし人災の最たるものはロシアのウクライナ侵攻による二酸化炭素排出量の増加だ。2月から8月迄で約1億トンとCOP27で報告された。会議では「戦争は温室効果ガスを大量に排出させ、パリ協定を難しくしている」と訴えている。さらにソマリア、ケニア、エチオピアは過去40年で最悪の干ばつに襲われている。1年2回の雨期がほとんどなく3年目を迎えている。干ばつに加えソマリアではイスラム過激派「シャバブ」によるテロや紛争が絶えず援助物資の輸送も滞っている。危機的な状況だ。

国連によると年末までに30万人以上が壊滅的な飢餓、来年6月までに5歳未満の子180万人が急性栄養失調に陥ると推計されている。CO2排出量は世界全体で年間1.7兆トン。先進国と呼ばれる米国、中国、ロシア、ドイツ、日本の上位5か国で1.2兆トンを排出しているが上位国はCOP27会議に消極的である。「宇宙船地球号」を救出するのは大国の役目だろう。一方人口は増え続け80億人を突破した。1年1億人増ペースだ。増加はアフリカ、アジアのGDPの低い国が押し上げている。国連は人口の急増が貧困を招く可能性を指摘する。また女性の権利が侵害されているケースも指摘している。人の命とか尊厳の重さを改めて考えたい。(B.Sさん、2022年11月21日)

――「宇宙船地球号」は現在最大の危機を迎えています。天災より人災で内部爆発しそうです。半世紀ぶりの月面踏査とか「火星へ人を」とか投資拡大をもくろむ人々は騒いでいますがしょせん人類は地球号から外へ出ては暮らせません。理性が欲望に打ち勝たないと自滅の未来が待つのみです。ところで「違和感」が説明されるのかと思って拝読しましたが、そうではないのですよね(読み方が悪い?)。もしそうではなかったら、別の機会にご説明いただけると幸いです。(野口)


=他国発宗教の草刈り場=

アフガニスタンは地政学的重要性から米、ロ、中の覇権争いの標的にされていると言いますが、日本も旧統一教会の利益確保のための草刈り場になっています。その現状が、連日のマスコミの報道でだんだん分かってきました。日本に的を絞って勢力拡大を図る旧統一教会の狙いについて、同教会を長年にわたって取材してきた、韓国CBSテレビのソン・ジュヨル記者が語っている。それによると、「1954年に文鮮明によって創設された『世界平和統一家庭連合(旧統一教会)』は、単純なカルトというよりも宗教と産業が結合した“宗産複合体“の性格が強い。『統一グループ財団』があり、小・中・高校、大学まで持っており、機関紙には、『世界日報』がある。彼らは『天一国』という宗教国家を目指し、国旗や憲法までも作っている。バチカンのようなミニ宗教王国を目指し、その建設資金に日本の信者の献金が使われている。日本の信者には『先祖があまりにも多くの罪を犯したせいで子孫が苦しんでいる。だからその罪を帳消しにしないといけない』と説く。つまり先祖の犯した植民地支配という罪を償うため日本人信者はあらゆる献金をし、先祖解怨(かいおん)をして恨みを解き、懺悔する気持ちで献金をしなければならないと説いている」と、ソン氏は語る。これを理解すると、旧統一教会の日本攻略の意図がよく分かります。

旧統一教会が日本の政治家と初めて接したのは元総理の岸信介氏である。そのきっかけとなったのは、彼の家の隣接地に旧統一教会の日本における最初の本部が置かれたことだという。日本船舶振興会の笹川良一氏が手引したと言われている。それ以降、岸氏から安倍晋太郎・晋三親子へと3代にわたって、旧統一教会との関係が引き継がれていくことになる。同教団はその関係をテコに、選挙への支援を通じて自民党議員への影響力を強めていった。9月8日、茂木敏充・自民党幹事長は「旧統一教会と関係があった自民党議員は179人になる」と発表した。韓国では、キリスト教の影響が強く、旧統一教会の布教活動は日本ほどうまくいっていません。新興宗教として異端視されてきたことが災いしているからだという。韓国は、キリスト教徒がほぼ30%を占め、仏教徒も15%ほどいる。その地盤を切り崩すことが容易でなかったため、日本での活動に活路を見出だそうとしたという。それが幸いにも功を奏する結果になった。献金の7~8割が日本人信者からだというから、日本は教団にとって最高の資金源といえます。旧統一教会と自民党を結びつけたのは「反共」と「票」です。共産主義の一掃を目指す「国際勝共連合」は、文鮮明氏によって1968年に設立され、岸氏もその発起人の一人になっています。旧統一教会は集票機関として働き、議員を支援してきた。その見返りとして、自民党は「お墨付き」を与え、議員は教団側の集会で活動に賛意を示すなどしてきた。広告塔の桜田淳子などの芸能人だけでは物足りなかったのかも知れません。今、政治との距離が近い「創価学会」や「幸福の科学」などの新興宗教は、旧統一教会の「嵐」が自分たちに及ぶことを恐れ、ただひたすらに身をかがめて通り過ぎるのを待っている。公明党もこの件についてはほとんど発言していません。

今、問題になっているのは、旧統一教会が作成した「推薦確認書」の存在です。それには、選挙を通じて政治家との関係を強化し、教団側が掲げる政策を政治に反映させようとする狙いがあります。今年の参院選と昨年の衆院選では、その確認書を持参した教団関係者が議員に署名を求めて回り、その結果、何人かがサインしている。署名した議員は、選挙で教団信者からボランティアで電話かけなどの支援を受けたと証言しています。他国発の宗教団体との政策協定は、国政への影響が懸念される問題です。それも、反社会的な活動でトラブルの絶えない団体との協定です、軽く考えるわけにはいきません。安倍氏は、そんな団体と深くかかわり、教団票の差配までしていたとう。そんな彼が、国家に最大の貢献をした人物として「国葬」という最高の処遇を受けたことを問題だと考える人も多くいます。安倍氏と教団との関係について、岸田文雄首相は調査を求められましたが「ご本人が亡くなられた今、その実態を把握することには限界がある」として拒否しました。岸田内閣の支持率は、教団問題で右往左往しているうちに、30%台にまで急落してしまいました。何とも皮肉なことと言わざるを得ません。「信教の自由」は尊重されるべきですがが、反社会的な活動をする宗教団体に対しては手をこまねいているわけにはいきません。フランスの例があります。フランスには「カルト規制法」と呼ばれる法律がある。この法律は「法外な献金の要求」、「公共の秩序を乱す」、「身体に危害を加える」など、具体的な10の基準を定めている。もし団体の活動がその基準に抵触した場合は、解散や活動禁止などを命じることができる。教義の内容は問わないが、活動自体が違法と懸念される場合には、取り締まりの対象にしようとする考え方だ。この法律がつくられた背景には、旧統一教会を含む宗教団体の活動がフランスで問題になったことがあるからだという。こうした事情から、フランスでは、いわゆるカルト教団が無理な献金集めをすることができなくなっている。自民党に自浄能力があるとは思えない以上、日本もこの法律を参考にて反社会的な宗教団体を取り締まる措置を考えるべきである。安倍元首相の死は不幸なことでしたが、長年隠されてきた統一教会との問題が白日の下に晒されたことは「不幸中の幸い」だと言えます。それにしても、こんな深刻な問題を今まで報道しなかった日本のマスコミの「怠慢」は許せません。見て見ぬ振りをしてきたのであれば、その罪は重いと言えます。経済の観点から日本を守るための「経済安全保障(経済安保)」があるように、「宗教安保」なるものが考えられてしかるべきではないでしょうか。それは「信教の自由」を侵害するものではありえません。新興宗教などで強要される霊感商法や高額献金から家庭の崩壊を防ぐためにはどうしても必要と言えます。その意味で、旧統一教会に対する「質問権の行使」の行方が注目されます。(中楯健二さん、2022年11月19日)

――統一教会は1979年のソ連軍侵攻以前からアフガニスタンで布教活動(=反共活動)をしておりました。その後のソ連・PDPA軍との闘争にもかかわり、アメリカ軍侵攻後も活動しています。2007年にタ―リバーンが韓国人23人を拉致する大きな事件がありましたが、あれもアフガンで布教活動をする韓国キリスト教団体の活動でした。韓国軍はアメリカ軍とともに撤退の最後までかかわっていました。統一教会は宗教の側から政治経済軍事にかかわるコングロマリットというべきですね。法によって裁かれるべきです。(野口)

 

=難民支援協会(JAR)からのお願い=

いつも難民支援協会(JAR)の活動を応援いただき、ありがとうございます。
本格的な冬が近づく中、長引くコロナ禍により、頼る先がなくなった難民の方々の困窮が一層深まっています。同時に、今年10月の外国人の入国制限の解除にともない、日本に到着したばかりの方からの相談も増えています。
迫害から逃れ、やっとたどり着いた日本で、知り合いも誰もいない、言葉も分からない、今日眠る場所もない、所持金はわずか・・・。そのような方々が助けを求め、JARの事務所に連日相談に訪れています。→ http://bit.ly/3hTiNyG

Case: アニスさんは母国の軍事政権から迫害されている宗教を信仰していることにより、政府寄りの武装グループに複数回拉致され、身の危険を感じて4年前に日本に逃れて来ました。
来日直後にJARに相談して難民申請をしましたが結果は不認定。就労資格がなくなり、働くこともできず日々の暮らしに困窮しています。
居候をさせてもらっていた友人も失業をしてしまい、家を出なくてはいけなくなりました。他に行く先がないアニスさんは全ての荷物を持ってJAR事務所に相談に来ました。

JARを訪れる難民の方々が直面している困難の例

– 難民認定の厳しさ – 「迫害の客観的証拠など持っていない。あるのは身体の痣(あざ)だけ」
日本の難民認定の条件は非常に厳しく、母国に帰れば身に危険が及ぶことを客観的証拠に基づいて証明する必要があります。さらに、JARや弁護士の支援を受けて難民申請をしても、申請結果が出るまで何年もかかり、また、難民と認められるべき人が認められないなど、多くの問題があります。

– 生活困窮 – 「所持金は500円しかない。病気になっても家でじっとしているしかない」
JARに相談を寄せる方々の多くが、毎日の食料に困っている、病気になってしまったが病院にかかるお金がない、水道電気が止められてしまった、など最低限以下の生活を強いられている状況です。また、今年の夏以降、ホームレス状態となってしまった方からの相談が増えており、困窮の状況がより深まっています。

– 就労の難しさ – 「やっとの思いで就職したがコロナ禍で会社が廃業、いまだに転職先がない」
就労資格が得られず働くことが出来ない方が多くいます。また、難民申請中で就労資格がある方にとっても、日本で就職するには言葉の壁や外国人を受け入れる会社の少なさなど多くのハードルがあります。

さらに、勤め先がコロナ禍により休業や廃業してしまった、転職先を探すにも求人が少ない中では非常に困難、という声が寄せられています。→ https://bit.ly/3hTiNyG

JARが実施している支援

* 難民お一人おひとりの状況に応じた個別の相談対応(アラビア語など日英仏語以外の言語が必要な場合は通訳を手配し、相談に乗っています)
* 難民申請に関する情報提供や弁護士の紹介などの法的支援
* ホームレス状態に陥った方が一時的に泊まれるシェルターを提供し、満室時も他の宿泊先を紹介するなど、路上に寝泊まりすることのないよう支援
* 食料や生活物資の配送(通常は事務所でお渡ししていますが、事務所に来られない方には配送も行っています)
* 病気やけが、体調不良を訴える方を病院などの医療機関につなぎ受診をサポート
* 生計を維持するために就職・転職が必要な方への就労支援 など

冬のご寄付のお願い

日に日に寒さが増す中、より一層困窮が深まっている難民の方々の生活をつなぎ、今年の冬を越せるよう、そして難民の方々が安心して暮らせる社会をつくるため、私たちにできる限りの支援を行っています。

この先も、日本に逃れてきた難民の方々への支援活動を途切れることなく続けていくために、野口 様からのお力添えをいただけないでしょうか。

ご寄付は難民の方々への直接支援や、難民を受け入れる社会を目指した政策提言、広報活動に大切に活用させていただきます。
冬のご寄付はこちら (http://bit.ly/3XiS2Un)
2022年のご寄付領収証についてはこちら (http://bit.ly/3EJlQT4) をご参照ください。
※本日のご連絡と入れ違いでご支援をいただきました場合には何卒ご容赦ください。
※写真はイメージです。個人が特定されないよう、一部の情報を変えて紹介しています。

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** Twitter (http://bit.ly/3EmgJq)
** Instagram (http://bit.ly/3XbyPEl)
** Facebook (http://bit.ly/3EKj00a)
** Website (http://bit.ly/3EVTFk5)
認定NPO法人 難民支援協会
東京都千代田区西神田2-5-2 TASビル4階
TEL:03-5379-6001 info@refugee.or.jp
Office Hour:10:00-18:00 (休日:土日祝) (難民支援協会(JAR)さん、2022年11月17日)

――いつも難民支援活動、ご苦労様です。難民の中でもアフガニスタンからの難民は2重3重の苦しみを背負っています。私たちもできるだけのお手伝いをしたいと思います。今後とも情報の提供、よろしくお願いいたします。(野口)

 

= ウクライナ市民とアフガン市民のこと =

途上国の貧困撲滅などに取り組む国連開発計画(UNDP) のダルダリ・アフガニスタン常駐代表の言葉に触れて思い直しています。
ダルダリ氏はまず「命を救うことと同じくらい、生活を救うことが大切だ」と言い人道支援だけでなく開発協力の重要性つまり仕事を作ることを強調した。またアフガニスタンではタリバンが復権した後女性の教育や就業の機会が制限されているがダルダリ氏はタリバン復権の前から女性を取り巻く環境が「良くはなかった」。現在は「いつかよくなる希望まで失ってしまった」と訴えた。UNDPはこれまで女性が経営する3万4千の小規模ビジネスへの助成や技術支援を実現「UNDPがアフガニスタンに変化をもたらしているとすれば、女性起業家への支
援分野だ」と強調した。さらに経済の苦境に触れ「現地では食料の配給ではなく仕事が欲しい。仕事が必要だ」と話した(11月7日付け朝日新聞)。
侵略や災害で被害を受けた直後は水、食料、医薬品、医療従事者などの人道支援が必要だが一巡すると支援者の多くはこれで立ち直る。あとは自助努力だと判断する。被災地からのニュースが途絶えれば支援者の記憶から消える。アフガニスタンやミャンマーその他多くの国は実はそこから闘いが始まるということを私を含めた支援者は忘れていた。
戦争を知らない世代の私が気付いたのは、ウクライナの惨状を目の当たりにしたからだ。10月31日、ロシアはウクライナ全土の電力施設を攻撃した。目的を持ったインフラへの攻撃だ。ウクライナの市民は住居空間を含め、電気、水その他資源が不足する事態となった。オンラインやインターネットで勉強していた学生は手段を失い、市民は寒い冬を越すために薪を拾う毎日になった。首都キウィでさえ夜は闇の中で過ごす毎日だ。ロシアによる侵攻が始まって8か月、未だに支援地域のままだ。市民に明日のことを考える余裕はない。
ロシアによる侵攻が停止した段階でウクライナ市民の明日が始まる。日々ニュースはそれを伝えている。アフガニスタン市民は今どの位置にいるのだろう。
(B.Sさん、2022年11月10日)

――抗うことも逃げることもできない惨禍は文字通り地獄。現地からのレポートで、働こうにも職がなく、救済の手も伸びず、飢餓に苦しむアフガニスタンの都市部では麻薬中毒患者や精神に異常をきたす市民が激増しているそうです。ウクライナでのインフラ破壊のミサイル攻撃も同じです。なぜこうなってしまうのか、聞いている方も気がめいってきます。目をそらさず耳をふさがず真実を語りつぐことが求められているのではないでしょうか。(野口)

 

=多様性は何を意味するのか=

「アフガンニュースレター」の最新号拝見しました。アフガニスタンの独立系の新聞「ハシュテ・スブ・デイリー」が社説で、社会の「多元性」と「多様性」の意味を論じているのを読みました。(原文「アフガン社会の多元性によって国民を分断させてはならない」はここ)説得力のある論調だと思います。日本も社会の急激な変化への対応に苦しんでいます。「出生率の低下」「核家族化」、「価値観の多様化」、「ジェンダーによる男女差別」、「世代間の経済格差」など多くの問題を抱えているからです。これまで長い間、日本は同一の民族や言語、宗教によるメリットを享受してきましたが、高齢者人口が子どもの数を超え少子高齢化が始まった2000年頃から、上記のような問題に直面するようになりました。それと同時に、労働力不足のため、海外からの移民を受け入れざるを得なくなってきています。移民の数は、昨年末時点で280万人ほどになっています。日本が急成長した背景には、高い教育レベルと価値観の共有によって高品質の製品を生産し、世界に輸出することで成功を収めたことがあります。いわば「以心伝心」で生産性を高めることができたのです。ところが、それが原因で日米間に経済摩擦の問題が発生しました。それ以来、米国は日本に、国内でなく、多様な価値観が当たり前の米国でも製品を作るよう要求するようになりました。それが日本の悪戦苦闘の始まりでした。人種も、言語も、教育レベルも、宗教も、習慣もすべて異なる人々を相手に意思の疎通を図ることが、すべてコストに跳ね返るという生産環境に、日本企業は初めて直面しました。日本は太平洋戦争で敗戦を経験しましたが、言語や日本的価値観を失うことはありませんでした。物事が国内だけで治まる時代には、それは強みでしたが、国際化や多様化が進む中では、それが弱点として現れ始めました。海外から来る労働者は、初めはほとんどが単身で来て数年して帰国しましたが、現在では多くの人が家族を伴うようになってきています。そうした人たちを受け入れるには、子どもの教育から言語、法律、社会保障、就業規則、雇用条件など様々な問題を考慮しなければなりません。日本でも「ミニ・アメリカ化」が始まりました。

日本は、冒頭で述べたような種々の問題を抱えています。中でも「核家族化」の問題は深刻です。厚生労働省が昨年発表した家族統計で、「単独世帯」が、「夫婦と子供から成る世帯」を初めて上回ったことが明らかになりました。また、「単独世帯」が全体の28.8%を占め、その内の約3割が65歳以上だということも分かりしました。その事実は、孤独感に苛(さいな)まれる高齢者が確実に増え続けていることを意味します。英国と日本の政府は、その状況を深刻に捉え「孤独・孤立」を担当する大臣を設けて対応しようとしています。それは、従来の家族という概念が、通用しなくなり、代わりに家族でない、地域や地縁で結ばれる人のつながりが重要な意味を持ち始めていることを示しています。「遠い親戚より近くの他人」が現実になっているのです。そうした人間関係を舞台にした映画に、「男はつらいよ」があります。山田洋次監督は、登場人物について、こんなことを言っています。「この映画を描くにあたっての設定は、主人公の寅さんは父親が芸者に生ませた子で、さくらとは異母兄妹。おいちゃんやおばちゃんは親ではなく親戚。毎日とらやに顔を出す裏の印刷工場のタコ社長に至っては赤の他人。あの一家の特徴は血のつながりが薄いことです。寅さんが18年ぶりに故郷の葛飾柴又に帰ってきたとき、実家の人たちに『おまえは家族じゃない』と言われる可能性もあったが、この家族の人たちはそんなことは言わなかった。おいちゃんやおばちゃんは息子のように接し、さくらは兄として、夫の博も妻の兄として認めていた。血の濃淡にはこだわらず、みんなが仲良く暮らすことを意思的に努力する。つまり「家族をする」という努力ができる賢さがこの人たちにはあったのです。大げんかのあげくに、おいちゃんが、寅に『おまえなんか出ていけ!』とどなる、それを聞いた寅は『それを言っちゃあおしまいよ』と言って家を出ていく場面がよく登場するが、寅にすれば『一緒に暮らすことを前提にけんかしているのに、出ていけと言うならけんかする意味もないじゃないか』ということになる。だからタコ社長と大げんかをしても、お互いを傷つけ合うことは絶対にしない。「寅さん」シリーズが始まったころ、日本では三世代家族が崩壊し、核家族化が進み始めました。血縁より、地域社会を含めた新しい価値観をもつ社会に切り替わらなきゃいけない時代が来ていた。血のつながりを重視する気風は同じ民族であることが大事だという他民族を排除する精神にもなる。血や民族とは別の結びつきで人間同士の絆は築かれるべきなのでしょう。そもそも『家族はいいもの』というのは幻想ではないか。家族をつくりあげるのは理性と努力を要する面倒なものです」。これが山田監督の家族についての考え方です。最初の作品が作られたのは50年以上も前のことです。そうなると、山田監督はその当時すでに社会の変化を先取りするような家族設定をしていたことなる。これは、何とも驚きと言うほかありません。「驚き、桃ノ木、山椒の木」です。また、2018年には、「万引き家族」がカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを獲得しました。この映画も血のつながりのない「疑似家族」の物語です。10代後半で独り立ちするのが当たり前の米国でも、近年は不況の影響で親元に帰ってくる子どもも多くなっていると言います。欧州でも親と同居する子どもは多くいるということですから、家族問題は世界共通の課題と言えます。多様性の問題と取り組むには困難が伴いますが、一歩でも実現に踏み出せば豊かな社会が見えてくるとする「ハシュテ・スブ・デイリー紙」の主張には人を勇気づけるものがあります。アフガニスタンが直面する多元性と多様性の問題から、こんな話にまで発展してしまいましたが、長くなりましたのでこれで終わりにいたします。

(中楯健二さん、2022年11月9日)

――わたしが『ウエッブ・アフガン』を始めた目的は、
目的<1>  アフガン情勢を日本に伝える~変革(革命)運動への連帯
アフガニスタンは人類史の宝庫=博物館、その探求
アフガニスタンを素材に世界と日本を考える。
目的<2> 小資本・個人でも情報発信&ビジネス可能性の提示
でした。その意味で、中楯さんからはいつも「アフガニスタンを素材に世界と日本を考える」ヒントを与えていただけるエッセーを書き送っていただき、感謝しております。ひきつづき、ご意見をお寄せいただけると本サイトの視点が深まり、かつ豊富となります。今後ともよろしくお願いいたします。
(野口)

 

=アフガニスタンの童話

私は、最近、アフガニスタンにこんな童話があるのを知った。馬に乗った若者が足の悪い旅人が歩いてるのを見かけて、馬に乗せてあげる。旅人は道端に咲く綺麗な花を見つけて、それを取って欲しいと若者に頼む。若者が馬を降りて花を摘んでいると、旅人はその隙に馬を奪って逃げてしまう。若者は途方に暮れ、洞穴を見つけて雨風をしのいだ。そこに、オオカミやトラやキツネが入ってきた。彼らはそれぞれが知っている秘密話をし始める。トラは「山の大石の下の宝物をなめていると腹が減らない」と。オオカミは、「谷間にヒツジが群れているのだが、ものすごく吠える番犬がいて近寄れない」と言い、「その犬の涙を洞穴の入り口にある木の葉に混ぜると何にでも効く薬ができる」と話す。キツネは「林の中にいる小ネズミが、十二枚の金貨をクルクルとまわして遊んでいる」と楽しそうに話す。話を聞いていた若者は、ヒツジ小屋のおじいさんにオオカミがヒツジを狙っていると知らせ、番犬を増やすように伝える。すると、おじいさんは「そんな金はありませんよ。それどころか子犬を人に売ってしまった」と話す。そこで若者は、小ネズミから得た金貨を渡して子犬を買い戻すように伝える。おじいさんはさっそく町に行って子犬を買い戻してきて、親犬に引き会わせる。すると親犬はうれし涙で顔をくしゃくしゃにして喜んだ。それを見て、若者は親犬の目に溢れる涙を木の葉の上に受け止めて万病に効く薬を作った。そんなある日、若者は町に出かけた。お城の前を通りがかると、人盛りがしているので周りの人に聞くと、お姫さまが不治の病にかかって死にかけているという。そこで若者は、お姫さまの家来を呼んで、自分の作った薬を渡して飲ませた。すると効果はてきめんで病は完治してしまう。王さまは大喜びし、娘を若者に与えて結婚させた。そして、若者は王さまから城を作るように言われ、トラから聞いた山の大石の上に城を築くことにした。大工事のため全国から人夫が集められたが、その中に馬を奪った旅人がいた。仕返しをされると思った旅人は真っ青になったが、若者は「怖がらなくてもいいよ。あの時は腹が立ったけれで、でもそのおかげで僕はこんなに立派になったんだ」と言い、男にこれまでの出来事を話して聞かせた。それを聞いて、抜け目のない男は、若者と同じように金儲けをしようと洞穴に行くことにした。そこでは、自分たちの秘密を打ち明け合った、キツネとオオカミとトラがやってきて近況を語り合っていた。オオカミは「番犬の親子がいてヒツジに近寄れない」と嘆き、キツネも「小ネズミが金貨をなくして芸をしてくれなくなった」と愚痴る。トラは「山の大石の上にお城が建ってしまい、埋めてある宝物が掘り出せない」と憤慨する。そして、三匹は「これは誰かが我々の話を聞いていたからに違いない」ということになった。そこへ、あの男が現れたからたまらない。人間不信を募らせる彼らは、その男に襲いかかり、かみ殺してしまう。これがこの物語の概要である。一種の「勧善懲悪」の話である。この話から、アフガンの現状について、何か教訓を得ようと思って紹介したわけではない。ただ、アフガンにもこんな童話があり、子どもたちに広く読まれてきたことを知ってもらいたいと思ったからである。アフガンには「勧善懲悪省」という「徳の奨励と悪徳の禁止」を実施する行政機関がある。女性が頭を覆う「ヒジャブ」や全身を覆う「ブルカ」の着用状況などをチェックしている。これは、そんな国で読まれている「けもの達のないしょ話」という物語である。どんな童話が読まれているかを知れば、その国の子どもへの思いが分かるということなので、紹介した次第である。(中楯健二さん、2022年10月30日)

――「わらしべ長者」と「花咲か爺さん」を合わせたような童話ですね。いろんな国に同じような話があるようです。しかし、ターリバーンのような「勧善懲悪」は独りよがりで間違っています。彼らの「勧善懲悪」はイスラームの世界でも消えゆく宿命にあると思われます。(野口)

 

= マララさんの活動を思い出す =

マララ・ユスフザイさん25歳はみずから設立したマララ基金を通して
世界各国で女性の教育を支援する活動を精力的に行っている。
今年も9月の国連教育サミットに登壇、ウクライナやエチオピアでの
紛争や暴力が少女たちを教室から遠ざけていると語った。
他の登壇者、アフガニスタン女性ロボットチームの一員ソマヤ・ファルキ
さんは、「タリバンが社会における私たちの存在をゆっくり消している」
そして「何百万人の少女たちが夢を延期することを余儀なくされた」と語った
グテレス事務総長は、アフガンのイスラム主義組織タリバンに対し
「女子の中等教育のアクセスをめぐるすべての制限を直ちになくすこと」
を求めた。(日経新聞電子版)
マララさんは10月13日母国パキスタンの洪水被災地を訪問、キャンプ場で
女性や少女の悩みを聞き「あなたたちは困難に立ち向かう勇敢な女性だ」と
励ました。(日経電子版)
マララさんの精力的な活動も、2013~14年に起きた大きなうねりには程遠く
世界中で起きている紛争や自然災害の陰に隠れている。
ご存じのように、マララさんは97年パキスタンで生まれ
08年マララさんの村がタリバンに制圧され女子教育が禁じられた
09年マララさんは女性が教育を受ける権利をブログで訴え続け
12年タリバンに銃撃された
13年マララ財団を立ち上げ女の子が安心して学べる環境を作る支援活動を始めた
14年ノーベル平和賞受賞
マララさんは一貫して「教育以外に解決策はない」と訴えている
世界は共感し、イギリス政府とユニセフ共催のガールズサミットなどが
始まった。
今は教育を受ける環境が破壊され、平穏な暮らしが脅かされている。

追伸
今号のアフガンの声の記事にある
周辺地域全体を脅かすテロリズムしかし周辺国は懸念を表明するだけで
対処に協調せず中には協力する国もある。ある国にとってはテロリストだが
別の国にとっては戦略的資源であったりする。これはその通りだと思う。
(B.Sさん、2022年10月27日)

――マララさんはパシュトゥーン族のパキスタン人です。彼女を傷つけたのはパキスタンのターリバーンTTPです。アフガン人もパキスタン人もそしてパシュトゥーン人も非パシュトゥーン人も非人間的な女性蔑視観念に取りつかれたイスラーム極端派の犠牲になっています。しかし、彼女らはそれに負けず闘いを挑んでいます。われわれにできることは限られていますが、機会があればなんらかの支援の手を差し伸べたいと思います。(野口)

 

=それぞれの問題への思い=

アフガンニスタンの文化的価値を世界に紹介してきた前田耕作氏が亡くなられたということですが、私は寡聞にして彼のことを知りません。ただ、前田氏が調査保護活動をしていた、タリバンによって爆発されたバーミヤン遺跡の修復に、日本政府が技術的、金銭的支援をしていることは知っておりました。それにしても、先人が築いた文化的価値のある大仏を無残に爆破するとは、他の宗教の存在を認めない一神教らしいやり方だと思います。こうした宗教的無神経さを前にすると、言葉を失わざるを得ません。

イランで頭にかぶるスカーフの不適切な着用で拘束され亡くなった、若い女性の死に抗議するデモが世界に広がっていると言います。日本でもデモがありました。これは女性たちが、事件を他人事ではなく、自分事として捉えている証拠と言えます。こうしたニュースは、今の世の中では瞬く間に世界に拡散されます。他の問題でもそうです。新型コロナの問題しかり、LGBTなどの性的マインリティーの問題しかりです。これまでは、一つの事件が起きても、影響はその国、その地域だけに限定され、共通の問題とし意識されることはありませんでした。それが今では、意識の高まりと同時に、スマホやインターネットなどを通じて、その日に起きたことが、翌日には世界中に知れ渡るようになりました。全ての問題に境界がなくなり「地続き」になったと言えます。世界に連帯感が広がる下地になっています。現代人にとって、地球は心理的には「地球儀」のような小さな存在に感じられるようになっています。地球の片隅で起きたことも、地球儀で見るように身近な出来事になりました。こうした状況変化の中では、為政者は自国の問題に過ぎないと侮っていると、思いがけないしっぺ返しを受け、大怪我をすることになります。その意味で、今回のイランの問題がどう収束するか、一つの事例として注視したいと思います。

ロシア問題はいま大きな曲がり角に来ています。戦況の悪化で同盟国との関係が微妙に変化し、中国もロシアに距離を置き始めたと言います。プーチンは、ウクライナ戦争を短期間で決着できると、初めは楽観視していました。ところが、欧米からの最新兵器の供給で力を得たウクライナ軍の反撃に遭い、戦況はロシアにとってますます不利になってきています。この状況を見て国民は、これはプーチンが主張する「正義の戦争」ではなく、「プーチンの戦争」だと気付き始たと言えます。そのため、30万人の動員令が発令されると、多くの若者たちは徴兵を逃れるため、旧ソ連圏の国をはじめ海外への脱出を始めました。抗議デモもロシアの各地で頻発し、拘束される参加者も急増しています。こうなると、外国人傭兵を当てにしなければなりませんが、金目当てで愛国心に乏しい兵士がはたして戦力になるのか、疑問が残ります。指導部の間でも、不協和音が出るなどして足並みが乱れ始めているといいます。こうした状況は、最悪の結果を招く前触れと言えます。長期戦になればなるほど、ロシアは政治的にも経済的にも窮地に追い込まれる可能性が高くなります。和平交渉をするにもきっかけが掴めず、どこを見てもロシアに明るい材料は見当たりません。今、プーチンは断末魔の苦しみにあえいでいるに違いありません。プーチンに残された「手」は限られているように見えますが、どんな「奥の手」があるのでしょうか。原発攻撃なのでしょうか。しかし、それはとんでもない「悪手」と言えます。自国に「理のある戦争」と思って始めたことが、最悪の手段に訴えるとなれば、世界に申し開きができなくなり、ますます自分で自分の首を絞めることになりかねません。こう考えてくると、プーチンに残された最善の手は「和平交渉」をおいて他に考えられません。しかし、まだそこまで決断できずにいるプーチンは、毎晩あれこれ考えて夜も眠れず、ウォッカと睡眠薬のお世話になっているかもしれません。黒澤明監督に「悪い奴ほどよく眠る」という映画がありますが、「よく眠れない」プーチンには当てはまりません。枕を高くして眠りたいのであれば、「一日も早く和平交渉のテーブルに着いて、戦争を終結させることだ」とアドバイスをしてあげたくなります。(中楯健二さん、2022年10月19日)

――仏教はインド・アフガニスタンから新疆ウイグルをへて日本へ伝わりました。西の端のウクライナ・ロシアとつながるシルクロードが東西の争いの道になりかかっています。なんとしてもそうならないよう、われわれカマキリ軍団も奥の手のハサミをかざして抵抗せざるをえません。(野口)

 

= アフガンやイランの女性解放運動に期待 =

10月15日の視点「歴史を切り開く女性の闘い」を拝見し、NHK総合TVで2022年7月4日:22時~に放映された
映像の世紀ドキュメンタリー「女性解放の100年の歴史リレー」を思いだしました。
登場人物は、
1.英国の女性参政権運動の生涯を捧げた
エメリー・ディヴィソン(1872-1913)
2.世界一周に挑戦し女性の潜在能力を再認識させたアメリカの女性飛行士
アメリア・イアハート(1897-1937)
3.平等な市民権を徹底主張した米国初の女性連邦裁判官判事
ルース・ベイダー・キングスバーグ(RBG)(1933-2020)
でした。
ストーリーは、エメリー・ディヴィソンに感銘した米国の2人が、その意思を継承し発展させたことにより、今日があるというもの。アフガンやイランの女性解放運動が、やがてこのドキュメンタリーに繋がることを切に願います。(飯沼一元さん、2022年10月18日)

――イランのある女性から今イランで起きている大衆蜂起は「女性解放に向けた革命」との「声」をもらいました。NHKが見ている女性リーダーたちを先鋒隊とするならアフガンやイランの女性の闘いは「しんがり戦」です。後方を引き上げていかないと先鋒の進軍も鈍るのではないでしょうか。ぜひとも視点の拡張を願いたいものです。(野口)

 

=今号のテーマは長い戦いの幕開け=

今年のノーベル平和賞は、ロシアとウクライナの人権団体が受賞した。
多分に政治的色彩が強いことで関心を集めた。
世界の関心(共感)を集めるか否かで国の生死が決まる時代だ。
クーデターで国軍が実権を握ったミャンマーではアウンサンスーチー氏が拘束され、同時に拘束された側近議員4名は今年7月に死刑が執行された。アウンサンスーチー氏の刑も重くなっている。市民はデモが鎮圧された今、国軍の目を恐れものを言わなくなった。(朝日新聞、ヤンゴン支局長)世界も静観している。
イランで「へジャブ」の付け方をめぐって警察に逮捕された女性が死亡した事件は、イラン国内にとどまらず世界で抗議の声が広がっている。暴力は問題だがイランでは「イスラム教の教えで女性は公共の場ではヒジャブをかぶり髪の毛を隠すことが法律で義務付けられている」がどうなるのか。
アフガニスタンの女性の尊厳や子女教育も世界が問題視しなければならない事だが本号でファリド・ムータット氏が言うように、「アフガニスタンの中心問題の一つは染みついた宗教的頑迷だ、それは近代化の試みを阻害してきた。」
異なる宗教を持つ社会から見れば、理不尽な事件には抗議するが、根本原因には立ち入れないのではないか。
日本は宗教ではないが、法律が明治時代に作られたものが元になっているため女性差別が生まれている。その代表例が民法733条女性の再婚禁止期間だ。女性は経済的社会的に弱い立場にあるといった一見思いやりのようだが
結果としてDVや子女への暴力を生んでいる。やっと再婚禁止期間の廃止が決まりそうだ。一つでも欧米先進国に近づくのはウエルカムだ。
話は戻るが千年前のペルシャの叙事詩「シャーナーメ」でも髪を切ることで喪に服したり、不正に抗議したりする描写が出てくるそうです。女性の尊厳を守ることは長い戦いです。(B.Sさん、2022年10月17日)

――社会が複雑化多様化するにつれ、人類が寛容度を上げていかないと紛争は増えるばかり。対立抗争があるのは進歩を求める要求が消えないことの証明。他者を思いやる想像力も求められます。理想社会は雲のかなたにあってつねに追い求めるものかもしれません。長い長い、永久革命、永続革命です。(野口)

 

=ロシアの侵略は資源よりもNATOがらみの地政学=

ロシアのウクライナ侵攻から8ヶ月が経過した。プーチンもこれ程「特別軍事作戦」が長期化するとは思わなかったことだろう。軍事力では絶対的に優勢と思われていたロシアに対してウクライナが西側の軍事支援を受けてここまで反転攻勢できるとは誰も予想できなかった。ハード面の戦力よりも就中自国領土を死守すると言うウクライナ側と何のために戦っているのか大義さへもあやふやなロシア側ではその士気の違いから自ずと結果は見えてくるのかも知れない。

さて、その侵攻理由について、プーチンの意図がどこにあるのか巷間いろいろな説が出ている。ちょっと面白いと感じたのはロシアがウクライナの有する天然ガス資源の獲得を狙って侵攻したのだと言う見方である。確かに天然ガス資源はどこでも紛争の種になり易く戦争の理由としても尤もらしく聞こえる。しかし客観的に見てみるとその狙いは、この戦争をとても正当化できるものではないことが容易に理解できる。

広大な面積を持つロシアが有する天然ガス埋蔵量は、47兆8,200億立方メートル(2019)と世界最大級のレベルである。一方ウクライナの天然ガス埋蔵量は、1兆1,000億立方メートル(2019)である。ウクライナの天然ガス埋蔵量自体も決して小さなものでもなく立派な資源大国と言えるレベルではあるが、単純に天然ガス埋蔵量だけを比較して見るとロシアが有する埋蔵量の僅か2.3%にしかならない。ロシアがウクライナ侵攻に勝利しても天然ガス埋蔵量として追加できる量は僅か2%弱程度のものであり、いくらプーチンでもこれでは戦争のコストを考えると割に合わないと言うことはすぐ理解できる筈である。

資源狙いでなければやはり地政学的な理由の可能性が強くなる。欧米寄りのウクライナがNATOに加盟して民主国家に囲まれるのがロシアにとって脅威であり、絶対に阻止すると言うパラノイア的思いをプーチンが持ったと言う方が蓋然性のある見方ではないだろうか。そしてウクライナに親ロ派政権を作りロシア帝国の再構築を妄想したのかも知れない。(MMさん、2022年10月10日)

――これまでの大戦争は領土争奪かエネルギー紛争が多いですね。それからの類推での論なのでしょうが、やはり今度のロシアの侵略はNATOに対する恐怖感が第一要因のようですね。ロシア帝国の夢とかの夢想はとってつけたもののように思えます。アフガニスタンの場合にも地下資源狙いとの分析がありますが、どうもそれもおまけのような理由にみえます。本当の理由は南ユーラシアの地政学的利権あらそいなのでしょう。(野口)

 

=健全なジャーナリズムは健全な社会の証=

今号のニュースレターで、アフガニスタンの独立系新聞が報道をタリバンに ブロックさ れ 、麻薬王が米国人との人質交換で釈放されたと知りました。独裁者は自分の権力の誇示や維持のためならどんなことも厭いません。権力が長くなればなるほどその傾向は強くなります。取り巻きはイエスマン ばかり となり、権力者に耳の痛い話は 伝わりません。そうなると、不都合な情報から遠ざけられた独裁者は「裸の王様」にならざるを得なくなります。プーチンも習近平も金正恩もしかりです。そんな専制国家で、国民に真実を伝えるのはいったい誰なのか。それ はジャーナリストをおいて他にありません。昨年のノーベル平和賞は、二人のジャーナリストに与えられました。一人はロシア人、もう一人はフィリピン人の女性でした。両国とも、記者の活動制限や逮捕、殺害は日常茶飯事です。ロシアには「外国の代理人」という政府に批判的な個人や団体を監視下に置き、活動を規制する制度があります。またフィリピンでは、 2016 年に就任したドゥデルテ大統領 によって、麻薬容疑者の殺害を容認する政策 が強行されました。その 結果 、警察官によって殺害された人の数は、今年 6 月の任期終了までの 6 年間で 6000 人を超えたと言います。そんな 国 で の 2 人 の 受賞です 。 こ れ は、 同 じような環境に置かれているジャーナリストにとって 、この上な い励みになったに違いありません。
ジャーナリストへの期待は、ロシア やフィリピンだけではありません。米国や日本でも、ジャーナリストの存在が権力への重しになることが期待されています。米国では、トランプ元大統領の虚言癖によるフェークニュースが氾濫し 、 社会 を 混乱 さ せ ま し た 。 そ の 時、 米 ワシントンポスト 紙 は 「 トランプ氏が大統領任期中に噓や虚偽の発言をしたのは 1 万回を 超 え た 」 と 調査結果 を 発表 し 、 非難 し ま し た 。 日本では 、 与党の多くの議員が よ そ の 国 の 新興宗教 と 長年にわたって 政治的 に 癒着し ていたことが暴露されました。安倍元首相も深くかかわってい た と 言 い ます 。 な ぜそんなことが今まで報道されなかったのか。これだけ大規模なスキャンダルです、知らなかったでは済まされません。これは明らかにマスコミの怠慢です。それも事実が判明してからは、「鬼の首を取ったよう」に連日弾劾しています。これは健全なジャーナリズムとは言えません。体制は異なっても、権力者が不実な行動をするのは万国共通です。それを見抜き、批判し、事実を国民に伝えるのがマスコミ の役割です。マスコミも不実な行動をします。それをチェックするのは国民です。そ の 意味で、「権力」、「マスコミ」、「国民」 の 3 者 は 互 い に け ん 制し合 う 関係にあ り ます。 こ れ は 健全 な 状況と言えます 。 折しも 、 こ れ を書いてい る 今 、 今年 の ノーベル 平和賞 が 、 ベラルーシ の 人権活動家 と ロシア 及 び ウクライナ の 人権団体 に 与 え ら れ た と の ニュースが 入 って き ま し た 。 こ れ は う れ しい 知 ら せ で す。 去年 に 続 き 、 人権侵害 や 弾圧 に 声 を 上 げ た 活動が 認 め ら れ 、 世界 最高 の 賞 で 顕彰 さ れ る の は 、 強権国家 へ の ま た と ない 警鐘 になります 。お め でとう ご ざいま す。(中楯健二さん、2022年10月6日)

――インターネット関連技術の発展で、個の力でもジャーナリズム活動ができるようになりました。民主主義の発展だと思いますが、技術そのものには真善美はないので、ミソもクソも垂れ流してしまいます。真実でない情報やイデオロギーの伝搬を個々のジャーナリズムが厳しく批判克服していくことが求められます。そういう流れに一役買うブログ活動にしていきたいと気持ちを引き締めております。(野口)

 

=マスメディアではアフガンが忘れられている=

本刊では大きなニュースとして扱っていますが、
最近、世界の主要メディアが流すニュースから
「アフガニスタン」が消えたように思う。
話題はロシア、ウクライナに集中している。
プーチンが4州を一方的に併合した、ザポリージャ原発を
国有化する大統領令に署名した。一方ゼレンスキーは
「反転攻勢、奪還を叫ぶ」その裏で兵士、市民の犠牲が増え続けている
ロシア侵攻7か月経つと裏工作も盛んに行われウクライナに不利な
プロパガンダが親ロシア派から流されている。
これはニュースとして興味深いので大きく扱われ、その結果
消えて行くニュースも出る。
ニュースの中で頻繁に登場する言葉に「極右勢力」,「ネオナチ」がある
欧米のネオナチの活動は、白人至上主義、アジア人排斥、イスラム教排斥
移民排斥、LGBT排斥がある。アジアの難民、移民にとっては
頼るものが狭められていく。ISは極右勢力に数えられているが、
タリバンはどんな方向感があるのだろうか。アフガニスタンは
タリバンが方向づけることになるのだろうか。
(B.Sさん、2022年10月6日)

――アフガニスタンで求められているのは近代化(人権、平和、進歩)でありそれへの最大の反対勢力がターリバーンです。このターリバーンを変えない限り前進はありえません。何世代も100年以上かかるかもしれない闘いです。(野口)

 

アフガニスタン問題は国際テロリズムの一部

この恐ろしいニュース(訳注:9月30日にカーブルで起きた自爆テロ。ハザラ人の多いコミュニティでの大学入試模擬試験会場で起き、50人以上が死亡し約100人が負傷した。本サイト「トピックス」コーナー参照)を聞いたとき、私はとても悲しく、涙が出ました。私たちアフガニスタンのハザラ人は、どんなに虐げられていることでしょう。この100年、私の民族はアフガニスタンで大量虐殺に遭い、それは今に至るまで続いている。どんな理由があろうとも、このような形で殺されていいはずはないのです。
アフガニスタンはとても危険な国です。世界のすべての国がアフガニスタン、パキスタン、シリア、イラク、レバノン、パレスチナ、エジプト、イエメン、サウジアラビアにいるターリバーン・テロリストと他のテロリストグループを破壊しなければなりません。 これはイスラム・テロリストに対する世界的な戦いなのです。(ハザラ人難民MFさん、2022年10月4日)

――ターリバーンの蛮行は民族(部族)浄化といえます。彼らはパシュトゥーン以外の民族や宗教や文化をどんな手を使ってもアフガニスタンから追い出そうとしています。しかもターリバーンの蛮行はイスラームの教えから極端に逸脱した過激で非人間的で国際的なテロリズムの一部です。決して許したり見逃したりすることはできません。これがわれわれ日本人がアフガニスタン問題を他人事としてはいけない理由です。(野口)

 

=因習やいじめで社会のバランスが保たれていいのか=

アフガンニュース拝読しました。
イランの「へジャブ」に触れていたので役立ちました。
「地政学的リスク」という言葉があります。金融関係の方が頻繁に使うようです。為替や株や商品相場が大きく変動しても「地政学的リスク」として、自分の判断の及ばない範疇として
説明するときに便利な言葉です。ロシアの侵攻によるウクライナ市民の犠牲と世界の混乱。
少し異質だが、アフガニスタンの首都カブールを制圧したタリバンと存在が見えない暫定政権や国土の1/3が水没したパキスタン、レバノンのデフォルトによる経済危機と難民の悲劇、イランの「へジャブ」に端を発した抗議行動、イタリアの「極右」政権誕生、11月の米国中間選挙などニュースを拾い上げれば危機感は際限がない。
これだけ地球上にストレスが溜まると弱者は逃れようがない。因習やいじめによって人々のバランスが保たれていることは、歴史が証明している。ジェンダーギャップの小さな上位国からは悲鳴は聞こえてこないが日本を含めた下位国では悲鳴も上げられない。好転する糸口は何だろう。(B.Sさん、2022年9月29日)

――通信の発達で世界中の危機的なニュースが感度の鋭い人にとってはわが町隣町の危機に感じられます。鈍感力を発揮すればなんてことないのかもしれませんが、いつかドカーンとくるわけですよね。気づいたときは遅くて個人的なリスクヘッジでは避けようがない災禍に巻き込まれてしまうわけです。あきらめの境地にはなかなかたどり着けないので、あがき続けるしかありません。今後ともよろしくお願いいたします。(野口)

 

= アリストパネスの「女の平和」 =

イランで、頭部を覆うヒジャブを適切に着用していなかったとして拘束された、若い女性の死に対する抗議活動が全国各地に広がっているという。その背景には、不当な抑圧に対する女性の鬱積した怒りがあるように思えます。政治や宗教の話は、人前で話題にしない方がいいと言われますが、「人権の抑圧」については、いかなる国や宗教であっても非難されてしかるべき問題です。民主主義や共産主義、独裁主義など、体制は変わっても共通の関心事でなければなりません。実際、米国でも、中国でも、ロシアでも、日本でも起きていることです。それに抗議することは、問題の所在を世界に明らかにすることになります。報道によると、ヒジャブを燃やして抗議する女性までいるということですから、イスラム教国の女性としてはかなり過激な行動に出ている印象があります。もし抗議する女性全員が同じ行動に出たら、政府はどう出るのだろうかと思ってしまいます。
ギリシャ喜劇にアリストパネスの「女の平和」という有名な作品があります。アテナイに住む主人公の女性が長く続く戦乱に嫌気がさして、ペロポネソス戦争を終結させようと、ギリシャ中の女性に対して「戦争を続ける限り、男とは夜を共にするな」と檄を飛ばす。これに応じた女性たちは、アクロポリスに集結して男性に強く抗議する。男たちはそれでも戦争を続けようとして、両者の利害は平行線をたどることになる。しかし、最終的には女性の戦略が功を
奏して、アテナイとスパルタの戦争は収まり、平和が訪れるという筋書きになっている。
2千年以上前に書かれた「セックスと平和」についての物語ですが、現代に通じる傑作と言えるのではないでしょうか。イランのニュースとこの話はどうつながるのかと聞かれそうですが、無関係ではあり得ません。イスラムの教義には、本来、性差別はないのかも知れませんが、一夫多妻制、全身を隠す衣装「ブルカ」の着用、女性器の切除、男女間の握手の禁止などの習慣を見ると、とてもそうとは思えません。教義の解釈が男社会の価値観によるものだとすれば、女性がそれを変えることは容易なことではありません。
シェイクスピアは「弱き者、汝の名は女なり」と言っています。支配的な男社会に立ち向かうには、弱い立場に置かれている女性の団結による抗議活動以外にはないのではないと思って取り上げた次第です。(中楯健二さん、2022年9月28日)

――男女平等が進み、女性宰相同士の国が戦争するという事態が生じたらアリストパネスはどういう話をするんでしょうか、というのは冗談で、戦争に至る前に政治決着する知恵を人類は獲得する必要がありますね。まだまだ知的進化のレベルが低くてマッチョが幅を利かせている段階です。知的研鑽が求められているようです。(野口)

 

=あの『涙壺』の中には一体なにが?=

ところで 今回の アフガンニュースレターの中にありますyoutubeの動画が見られなくなっています。暴力場面の所為か? 削除された模様です。 見られなくて残念です。ひとまず、簡単な連絡まで・・・。

今まであちこちの外国を旅してきました。6年前に野口さんと同じツアーでイランに行きましたが、あんなに楽しい旅行はなかったです。最高! どこが「悪の枢軸」なんでしょう? イランの人々が私達を温かく迎えて下さる気持ちはよく感じましたね。

映画スターになったような気持ちでしたよ。道行く人々とハイタッチで挨拶! 挨拶すれば お菓子を分けて下さったり、コーヒーをカップに注いで差し出されたり、一緒に写真も撮りました。ツアーの全員がそのような経験をして 美女と言葉を交わした男性諸氏は歩く足もスキップしてました(笑)
若くてハンサムな男性が自ら スカーフを私の髪に掛けて下さるなんて・・・日本でも経験したことなかったですよ。おばあさん 感激です💛

確かにプライド高いペルシャ人の流れを汲むイランの人々です。長くて深い歴史の積み重ねによる自信からくる優しさでしょうか・・・。
メソポタミア文明が西へやってきていただろうことも遺跡を見ながら感じました。一番印象に残っていますのは ガラス製の「涙壺」ですね。優雅な曲線の器には愛の証明が入っていたのでしょうか、それとも 男女の駆け引きの欺瞞でしょうか・・・・
細かい遺跡のことはほとんど 忘れています(笑)(池上眞理子さん、2022年9月26日)

――Youtubeで削除されているんですが、中身はそんなに血なまぐさかったり残酷なものでなく、イランの若者と警察の追っかけっこみたいなものでむしろ笑い飛ばせるようなものだったんです。なぜ削除されたのか分かりません。他の動画にはいくらでも残酷なものがあるのに?です。イラン当局が厳しいネット制限を行ったのでYoutube側が忖度したのかもしれません。現在対処を検討中です。
イラン旅行は楽しかったですね。「旅」コーナーにコンテンツを上げながら一人で悦に入っておりました(笑)。再びあのような旅ができるような国にはやく戻ってほしいです。(野口)

 

= 女性のための女性の革命 =

This will be a revolution for the liberation of women. (在イラン・シーラーズ、女子エンジニア、2022年9月24日)

――イランでのマーサ・アミニさん殺害のニュースを伝える『Web Afghan』に寄せられた感想。「これは女性にむけた革命となるでしょう」と簡潔で力強い感想を寄せてもらいました。われわれは声援しか送れないけど頑張ってほしい。(野口)

=日中国交正常化50周年とエリザベス女王の死=

日中国交正常化50周年記念式典の招待状が来たということですが、今後も60周年、70周年に向けての礎となることを願っています。日中両国は政治的には対立していますが、経済的にはお互を必要とする関係にあるからです。胡錦涛時代から使われ始めた言葉に「政冷経熱」があります。政治的に冷えた関係にあっても、経済的に強いつながりがあれば、将来への展望は開けるという意味です。「点」と「線」と「面」の関係を考えるとき、「点」の関係であってもおろそかにしてはいけません。
中国に対する日本のODA(政府開発援助)が今年3月末で終了したと、メディアが報じました。国民の中には、ODAが今年まで続いていたことに驚いた人も少なからずいたのではないでしょうか。若者などはこれを聞いて、「なにそれ、うっそ!」というかもしれません。なにしろ今では、中国は世界第2位の経済大国に発展し、経済規模は日本の3倍にもなっています。そんな国になぜODAなのか。1979年にODAが開始されて以来、日本は40年以上にわたって、中国にODAで3.6兆円もの援助をしてきました。なぜか。その背景には、日本に対して中国が「戦争賠償の請求権」を放棄したことがあります。ソ連側についた中国に対し、米国が「賠償金を支払う必要がない」と言ったことに日本は従ったのです。しかし日本政府は、その代わりに、中国に誠意を示すことを目的にODA援助を決めました。中国が道路整備などのインフラを急速に近代化させた裏には、こうした日本の援助があります。しかし、中国人のほとんどはこの事実を知らされていないと言いますから、歴史は皮肉なものです。

9月の大きなニュースと言えば、エリザベス女王の死が挙げられます。静養先のスコットランドで9月8日に93歳で亡くなりました。在位70年、まさに「生涯現役」を押し通した一生でした。亡くなる2日前に公務で、保守党党首に選ばれたメアリー・トラス氏を首相に任命したばかりでした。自身でも「私人」であることを感じたことはなかったと言うほどの働きぶりでした。国王の公務は激務です。現上皇は3年前に、高齢で肉体的にも精神的にも公務に耐えられなくなったことで、85歳で天皇を退位しました。それほどの国家元首としての激務を最後までやり通したことには頭が下がります。英国王室は、日本の皇室と密接な関係を保ってきました。昭和、平成、令和と代々続く天皇とのつながりはよく知られています。英国の王位は男女に関わらず「第1子」が継ぐことになっています。そのため、女系であってもチャールズ皇太子が国王に就きました。ところが、日本ではそうはいきません。あくまで男系天皇の血を引くものしか今の制度では認められていないからです。現時点で天皇継承の資格を有する者は、継承順位で秋篠宮(56)、悠仁親王(16)、常陸宮(86)の3人しかいません。秋篠宮さまはかって「天皇が80歳になると、私は70代半ばです。それからでは後を継ぐことはできません」と発言しています。そうなると残るは悠仁さましかいないことになる。今のままでは、愛子さまには皇位継承の資格はありません。悠仁さまが結婚されても子どもが生まれるかどうかは分かりません。また、生まれても男子とは限らない。それに彼に不測の事態でも起きれば、天皇制は消滅せざるを得なくなります。男系天皇を主張する保守層がいくら頑張ってもこればかりは如何ともし難い。皇室断絶の事態を避けるには、英王室に倣って天皇の血を引く女性にも皇位継承権を与える必要があります。象徴天皇による国民統合の支柱としての天皇制を私は支持します。(中楯健二さん、2022年9月17日)

――いつも骨太の筋の通った「声」の投稿、ありがとうございます。私は生身の人間を生きたぬいぐるみのように利用する非人間的な制度は人類史的に終わりにすべきと思っていますが、中楯さんの主張はありうる主張なのでそのまま掲載させていただきました。(野口)

――いつも掲載有難うございます。野口さんが言われる通り、天皇制に非人間的な側面があるのは事実です。しかし、問題は「一世一元」の終身制になっているところにあると思います。ですから、天皇にも定年制を設けるか、退位に対する自由意志を認めるかを考えればいいのではないかと思います。それには、どうしても女性に継承権を認める必要があります。そうでなければ、継承権を持つ皇族がいないわけですから絵に描いた餅になってしまいます。私が天皇制を支持理由は、日本の国家元首が政治家になるのを想像しただけでもお恐ろしくなるからです。国のことを真剣に考え、品格のある人間は日本の政治家には見当たりません。欧米には「ノブレス・オブリージュ」という上流階級に課せられた社会的責任と義務を示す言葉があります。この言葉が示すように、日本のような国には、世俗的な利害に振り回されない人物が上にいることがなにより重要なことだと思います。その意味で、天皇制には大きな存在価値があると思っています。(「ノブレス・オブリージュ」:フランス語に由来するもので「貴族に課せられた義務」を意味し、国家元首ともなればこれを厳守しなければならない)(中楯)

――いつも骨太の筋の通った「声」の投稿、ありがとうございます。「ノブレス・オブリージュ」はいやしくも人の上に立とうとする人間であれば必須の要件ですよね。「武士は食わねど高楊枝」と言った日本武士道の精神にもそれがあったのでは、と思います。ところで、私は生身の人間を生きたぬいぐるみのように利用する非人間的な制度は人類史的に終わりにすべきと思います。現上皇様は私より少し年上で親の世代の不始末を背負って生まれた世代です。しかし彼は自分の生まれに不満を述べることなく私にはとてもできないコンペーセーションの仕事を全うされました。その一点だけで私は彼を尊敬します。その意味で、本サイトの開設に当たり、『上皇上皇后両陛下のフィリピン御訪問-「慰霊の旅」の集大成として』(←ここをクリック)を転載しました。天皇制についての議論は尽きないので、この欄ではこれで終了とさせていただきますが、中楯さんには今後とも引き続き自由な立場からの投稿をお願いいたします。(野口)

 

=市民生活の平穏健全化を願って=

今、政治行政で求められることは、道徳と教養に支えられたスポーツマンシップを持った人道主義を政治の基本理念とすべきことと考えられます。
天変地変社会と大変な現在では、今のニュースは独裁主義の戦いと天才のニュースで世界中が進化したデジタル手段を駆使した情報で満たされています。
それを打開するためには、家族生活の平穏な毎日を求めるべきです。その中で、我慢力のある忍耐力で少子化の解消と人間性の平穏な経過と経済文化と福祉社会の安定した発展が新政策的に望まれることと言えます。
西太平洋での台風発生数の減は、日本に水資源の過剰とも言える供給をもたらしています。特に熊本県では農林水産業や半導体生産と観光病回復の拡大構想らもあって県下の経済面に明るいニュースが賑わっているようです。そして学生野球と大相撲や米大リーグ野球等のホームラン競争談で賑わっています。
ロシア・中国の首脳会議の結論も西側と変わらむ姿となっています。国民生活を人道的に持っていくための首脳陣の執行力を待つのみです。
(東山春紀さん、熊本市 85歳 無職、2022年9月16日)

――ヤクルト村上選手の56号ホームラン期待で、出身地の熊本は大いに盛り上がっているようですね。暗い面倒なニュースが多い中、日本記録(世界記録?)実現ですべてに勢いがつくのを期待します。(野口)

 

=一日一日を大切に=

アフガンニュース拝読しました。
旬刊発行されている記事を読みながら、
読者も逃げ場がないことを感じる。
本号でも歴史の歪曲、領空侵犯、テロリストと交戦、暗殺
殺害、人身売買と気が滅入る言葉が並ぶ。日刊紙からも
戦争、コロナ、災害、虐待、貧困、不正と憤りを覚える言葉が
投げつけられる。Day after day は疲れる。心がDay by day にならない。
今日、日刊紙では救われるニュースがあった。米アウトドア用品大手の
パタゴニア創業者が同社の全株式を環境団体に譲渡すると発表したことだ。
同社の年間利益約140億円は毎年環境保護に生かすと言うことだ。
創業者は「地球が私たちの唯一の株主」と言った。その言葉に救われた
アウトドア派の私としては、モンベルからパタゴニアに乗り換えるつもりだ
アフガンニュースの本号ではマケドニアからギリシャへの旅という紀行文が
掲載された。旅は非日常なので楽しんで読ませて頂いたが、6泊は長い
6回に分けて掲載して欲しかった。
世界情勢が緊迫の度を増している事は理解している。しかし緩める
事も大切。
(B.Sさん、2022年9月15日)

――Day after dayは「来る日も来る日も」。泳げたい焼き君の気分でしょうか。Day by dayは「一日一日を大切に」。たしかにこちらの方が明日も楽しみになりそうです。良い言葉をありがとうございました。(野口)

 

= 日本は、一歩間違えば極東のウクライナになっていたかも =

菊池寛著作「大衆明治史(上)」
―建設期の明治― を読み終えて!

作家でジャーナリストであった菊池寛氏のこの著作は、明治の近代日本の屋台骨をまさに突貫工事で仕上げた男達の歴史書である。その屋台骨づくりで一番難航したのは、日本の植民地化を狙った欧米諸国の日本への優越や横暴に対してどう対応するかであった。そのもっとも屈辱的なことは、安政の時代に押しつけられた不平等条約である。

明治になって新政府条約改正交渉の中心人物である大隈重信が晩年なって「わが輩の過去50年来、政治に奔走した唯一の目的は、この日本をどうか欧米の列強国と肩を並べるようにしたいと思う一心であった」と述懐している。

日本は明治維新によって列強国の植民地になる事は免れたが、主権を持つ独立国として認められなかった。非白人国家である日本を彼等と対等な独立国として認めさせるには不平等条約の改正がどうしても必要であった。そこで明治政府が近代日本の目指す姿を次のように規定している。
1. 大日本憲法の制定
2. 国会の開催
3. 欧化施策の実施(岩倉使節団の派遣、鹿鳴館外交他)

明治維新後の日本を牽引し、日本を近代化に導いた立役者は初代内閣総理大臣伊藤博文である。特に枢密院議長時代に伊藤博文は憲法制定した。かつての政敵の大隈重信は条約改正を着手した。二人の巨頭が合体した流れ受け継ぎ、1892年(明治25年)第二次伊藤内閣の外務大臣に抜擢された陸奥宗光が陸奥外交を展開した。ついに1894年に一番難関の親日英通商後悔条約が調印(領事裁判権の撤廃)そして1911年小村寿太郎による関税自主権の回復を実現した。日本は、開国から半世紀を経て、悲願の不平等条約の改正が実現した。このことは、日本が立憲制度と東アジア地域で最強となった軍事力を背景に,列強と対等の地位を得た事を意味するのである。

この時代の日本の立ち位置を地政学的に分析すると、欧米列強とロシアのアジア進出が激化した時期でその矛先が日本に向いていた。その時に日本を主権のある独立国と認めら
れなければ、植民化された可能性が高かったと容易に推測できる。

現在のロシアによるウクライナ侵攻を考えると日本が極東のウクライナになっていた可能性があったと考える。それを回避出来た大きな要因は、やはり日露戦争の日本の勝利によるものである。日本のこの戦争の勝利は、まさに欧米列強とロシアに引けを取らない近代国家として世界に知らしめた。これでようやく近代日本が世界への仲間入りを果たしと言える。

ここまで漕ぎ着けた道のりは、長く厳しかったが、そこには多くの日本人英傑の先を見通した知力と命がけの行動があった。今の日本を取り巻く国際環境も、台湾有事やロシアの脅威があり厳しいものがある。それを乗り越えるには日本の行く末を憂う令和の英傑の出没を待たねばならない。そして新たな「坂の上の雲」を目指し歩き出せねばならない。以上(伊藤 正さん、2022年9月8日執筆)

――アフガニスタンでよく聞かれたのは「アジアで、同じような時期に自力で独立を勝ち得たのは日本とアフガニスタンなのになぜこんなにも差がついたのだ」とよく聞かれました。それ以来、野口は、明治維新とアフガニスタンの国造りとの比較研究を始めました。さまざまの理由があります。そもそも独立時点での両国の社会基盤の違いが大きく、かつ、日本は強力な中央集権国家を築き得たのに対してアフガニスタンは中央集権国家を形成しえなかった(いまもますます難しくなっている)点が違い発生の大きな理由だと思っています。伊藤さんがご指摘された明治維新後の近代化の成功、その光と陰は世界史に類を見ない例であると思います。韓国や東南アジア、遅れて中国が明治期日本のような「強力な中央集中権力+外国資本」の方程式で日本の後を追い、成功しました。アフガニスタンの将来は、このような方程式は到底〝解〟になりえないと考えます。アフガンの友人たちと考えていきたい課題です。(野口)

 

プーチンさん、ベネズエラの実例に学んでください

旧ソ連(編集部:以下〝旧〟は省略)がアフガニスタンへ侵攻したのは1979年であった。10年後多大の犠牲を被りソ連は撤退している。その時もソ連は西側からの経済制裁を受け国内経済情勢は悪化し、畢竟1991年のソ連の崩壊をもたらすこととなる。

ロシアのウクライナ侵攻では再度経済制裁を受けており、その規模とダメージはアフガン侵攻時以上の様相を呈してきている。多くの外資がロシアから撤退し、必要な輸入機材や部品類等も入手できなくなって来た。新車を製造しても今やエアバッグすら装備されていないらしい。西側諸国は、ロシアの石油天然ガスに依存しない方向で対処している。買い手が少なくなる中でロシアは石油を中国やインドへ投げ売りしたり、天然ガスを燃やしたりしている。何億年もかけてできた炭化水素資源を粗末にしないでもらいたいものである。

今後ロシアの石油産業は、油ガス田の十分なメンテナンスもできず減退する一方だろう。実は南米のベネズエラも厳しい経済制裁を受け、且つベネズエラ政府の外資に対する強制的国有化政策も相俟って外資の技術利用も困難になり、必要な機材や部品の入手も難しくなった結果、ひどい時には1999年当時の生産量の10分の1にまで生産量が激減し長い期間経済崩壊状態に苦しんでいる。プーチンは、このようなベネズエラの教訓をもっと勉強すべきだった。プーチンは、あまり歴史に学ぶことがないのかもしれない。

ソ連の崩壊後、ソ連時代の経済統計データがデタラメばかりだったと言うことが判明している。ソ連時代の経済学者の論文がすべてゴミになったようなものだ。国全体での情報隠蔽、欺瞞、嘘つき体質は、ソ連時代からのロシアの遺伝子なのかも知れない。ウクライナの戦況を伝えるロシア軍の幹部や広報官もすぐバレるようなウソを臆面もなく話している。沢山の政治評論家や経済学者がロシアの現状を分析し論評しているが、多くは目で見える表の現象についての話でしかない。例えればそれは洋服の表地の色やデザインについて論評しているようなものだ。ロシアを見る時に必要なのは洋服の表地ではなく裏地までも見る必要があると言うことだろう。裏地までひっくりかえし、じっくり分析しなければ実はロシアの本質は理解できないのだと思う。ソ連時代の経済統計がデタラメだったようにこのウソつき体質はロシアの遺伝子として連綿として続いているようだ。オリンピックのドーピン疑惑も国家全体でデタラメをやっていたように何ら恥を知らない国民性が透けて見える。多分ロシア人の思考回路が所謂西側諸国の常識とも違うのだろう。それが裏地を良く見る必要があると言う意味である。表の顔は、人の良い人間に見えても裏の顔は偽善者が潜んでいるようだ。ロシア人の人間性の分析なしに政治経済評価はできないだろう。

閑話休題、ロシアのモスクワには「モスクワ駅」がないことをご存じだろうか。起源はフランス式に倣ったと言うことはあるけれど、モスクワにはモスクワ駅はないと言うのもロシア人の思考回路の一例だろう。東京に東京駅がないと言うのは我々の思考回路にはない。ロシアでは始発駅ではなく目的地の名前が始発駅の名前になっている。だからモスクワ駅があるのはサンクトペテルブルクだったりする。これは小さな例ではあるがロシア人の思考回路の一端を感じることができる例だ。要するに考え方が彼我では違うのである。知床半島で観光船が沈没してロシアで見つかった3名のご遺体が日本に返還されるまで数か月を要した。家族を喪失する悲しみはいくらロシア人でも同じような悲しみを共有できる筈である。日本人ならご遺族に今すぐ返したいと思うが数か月かかっている。真実は分からないが邪推すると日本側はまじめに書類や手続きや外交交渉を行い時間が掛かったと言うことだろうと思う。ここでもロシア人の思考回路に思いが至っていないのではないかと考えてしまう。ロシア人でも直接「金をよこせ」とは言わないだろうが何らかの飴を、この際ワイロなどとは言わずお礼の品を持参しますとか伝えればもっと早く帰ってこられたのではないかと考えたりもする。同じ人間でも思考回路がまったく違う、彼らの洋服の裏地は我々の裏地とはまったく違うことを前提にロシア人を見る必要があるだろう。

プーチンも国内に宮殿を持っているようだが、オリガルヒと言う人達も十分役得を活かして財を築き、運が悪ければ窓から突き落とされて自殺したと報道されている。まるでヤクザの利権争いそのままである。武士道精神のような真偽正邪の考えはなく、勝敗損得だけのプアな世界である。ソ連時代の経済統計データのデタラメ、ロシア軍の正しく大本営発表のような戦況報告、自分でミサイルを撃ち込んでおいてウクライナ側がやったことだと言う人のせいにする体質。ロシアの現状を見る時には、表の現象だけを見るのではなく、ロシア人の裏の顔、裏地の態様を把握しなければロシアの本質を本当に理解することはできないだろう。(MMさん、2022年9月15日)

――やはり学ぶということが大事なようですね。ベネズエラという身近なところに格好の実例があったとは。石油やガスは自噴すると思ってたんでしょうか。また、ウクライナの戦況報告をするロシア官僚たちの発言を聞いているとウソというより自分たちが思い込んでいる妄想を語っているとしか思えません。観光船事故での遺体返還交渉での「邪推」、あながち邪推ではないかもしれませんね。相手になにか頼んだり、面倒をかけたりした場合にお礼をするのは人間として当然のことですよね。今回の交渉で日本側は誠実をもってあたったのでしょうか。武士道の話がでましたが、「武士は食わねど高楊枝」という言葉があります。やせ我慢では悲しいですが、身分制度の上段に鎮座している武士は支配者であると同時に公務員。「下々のもの」の暮らしや幸福を優先して考える高貴なるポジションにいいるものとして「ノブレス・オブリージュ」の姿勢とみれば、尊敬に値します。(野口)

 

=問題になるとすれば中東の混乱か=

パキスタンが破綻しても日本への影響がそれ程多いようには思えません。問題になるとすれば中東の混乱による原油と天然ガスのような気がします。しかし、それも途中にイランを挟んでいるので大きな混乱はなさそうに思うのですが。中国も一帯一路が進まなくなるでしょうからそれなりの対応を取ろうとするでしょう。パキスタンが中国の手に落ちたときインド洋の安定にどう影響するかは確かに心配ですから、日本もそれなりの手を打とうとするのではないかと思います。なってみないと分からないことばかりですが。
(松本康男さん、2022年9月12日)

――アメリカのアフガン侵攻とセットのイラクでは8月30日に「イラク首都で衝突14人死亡 サドル師支持者、抗議激化」と混乱がますます激化しています。ウクライナ戦争がつづくなかで石油・天然ガスだけでなく食糧、肥料など、生存に直結する一次産業がらみの危機が広がっています。とても個人の力では追いきれないほどの情報の変化です。予測が難しく気も休まらない。考えなくていいんなら楽なんですけど・・・(野口)

 

=アフガンからの生のニュースが救い=

ロシアによるウクライナ侵攻のあおりを受けてアフガニスタン問題の取り上げ方が少なくなりました。8月15日前後はターリバーン復帰の1周年ということもあり、いくつかの新聞では大きく取り上げられたのですが。少女らの教育は停止され、大人の女性の就労や外出も制限されたままです。アル=カーイダリーダーの殺害などは報道されますが、地震や洪水や疫病の発生もあるのに、それらの救援活動など滞っています。アフガニスタンからの生のニュースが読めるのが救いです。アフガニスタンが忘れられないようニュースの提供をつづけてください。(T.Tさん、2022年9月10日)

――アフガン現地からのニュースは悲しかったり憤ったりするものがほとんどなのですが、細くても途切れない人びとの悲鳴や願いを感じ取れます。われわれの力には限度がありますがあるだけの力を振り絞ってやれることを見つけて取り組んでいきたいと思います。お力添えのほど、よろしくお願いいたします。(野口)

 

=一面的なニュースソースに陥らぬよう=

最近の大きなニュースと言えば、パキスタンの水害とIAEAによる、ザポリージャ原発施設の視察だろうか。
パキスタンの水害は、国の1/3が水没し千人以上が死亡する惨事だ。原因の一つは温暖化による氷河湖の氷が解けたことによるようだ。
しかし、世界の関心はザポリージャ原発に向けられている。一触即発の事態に地球が緊張しているようだ。
ゼレンスキー大統領はテロ国家ロシアは、IAEAや国際社会の決定を気にしていないと非難している。ロシア対欧米、他国は静観の図式だ。ゼレンスキー大統領は、人道支援の発信も続けている、英国首相に就任したトラス氏はウクライナへの支持を伝えた。
一方、アフガニスタンは人口の半数が人道支援を求めているのに暫定政権の首脳は、世界が共感できる人道支援を訴えているのか。
タリバンの一部は、治安が改善したと主張している。(朝日記者解説)。本アフガンニュースを拝読していなければ、アフガニスタンの苦境に触れることができない。(本ニュースソースも一面的だと思うが)
ともあれ、子女教育の推進や女性の地位向上を図るために支援することは必要だ。継続して見守りたい。(B.Sさん、2022年9月8日)

――「本ニュースソースも一面的だとおもうが」、ヒヤリとするご指摘ありがとうございます。公正中立なる主張などはありえないゴマカシと思って編集しておりますが、ニュースソースや視点が一点に凝り固まると誤りに転落してしまいます。心して取材を続けていきます。今後ともモニター、よろしくお願いいたします。(野口)

 

=ゴルバチョフ氏の死=

アフガニスタン攻撃の基地になっているパキスタンが政情不安や洪水などで、スリーランカに続いて経済危機の瀬戸際にあると言うことですが、会社であれば企業買収先を探すとか、清算手続きを始めるとかできますが、国家ではそうするわけにもいきません。IMF(国際通貨基金)の支援を受けるようですが、破綻した国家は貿易も支払いは現金主義が原則になるため物資の輸入も思うようにいきません。そのため、国民は耐乏生活を余儀なくされます。

稲盛さんの話が出ましたが、彼は独自の経営理念で「稲盛教」の教祖みたいな存在でした。社員だけでなく、会社経営者の「鑑」と崇められ、中国にまで信者が多くいるというのには驚かされます。ゴルバチョフ氏も亡くなりました。91 歳と言いますから、年齢的には何ら不足はありませんが、彼が残した「核兵器なき世界」が遠のいたことは残念至極です。彼ほど毀誉褒貶を一身に集めた人物も珍しいと言えます。自由世界では「冷戦終局をもたらした」と称賛され、ノーベル平和賞まで受賞しましたが、ロシアでは、ソ連を崩壊させ経済破綻を招いた張本人だとしていまだに批判の対象になっているようです。その批判の急先鋒がプーチン大統領です。彼のゴルバチョフ氏への反感は根強く、ソ連崩壊で失った領土を何としてでも奪回したいというのがプーチン氏のウクライナ侵攻の動機になっています。核の脅しを口実にして、ウクライナのザポリージャ原発を盾にしているところなどは「その執念」の顕れと言えます。

國際原子力機関(IAEA)は職員 2 名を原発に常駐させることを決定しましたが、これは英断ではないでしょうか。彼らは戦争下の赤十字職員みたいな存在ですから、ロシアの攻撃をやめさせるきっかけになるかも知れません。それでもロシアが原発への攻撃を続けるのであれば、ロシアに同情的な国も一歩引かざるを得なくなるでしょう。ゴルバチョフ氏が 1992 年に広島を訪ね、原爆資料館を訪ねて芳名録に「歳月を経ても広島の悲劇は和らいでいない。これを繰り返してはならない。原子爆弾の犠牲者が永遠に追慕されることを」という言葉を残したといいますが、これが原爆被害者に対するものだけでなく、「核なき世界」への人々の願いを代弁したメッセージだと受け取って、彼の冥福を祈りたいと思います。(中楯健二さん、2022年9月6日)

――アフガン、パキスタン、稲盛・ゴルバチョフ両氏の死。われわれの生活とは遠く距離があるようですが、実は密接につながっていることを痛感します。世の動きへの敏感さを失わないようアンテナを磨き感度を維持していきたいと思います。・・・(野口)

 

= ベトナムから見たロシア・ウクライナ戦争 =

116回目のベトナムより帰国したばかりのビジネスウーマンです。
ベトナムでは、日本とこのウクライナとロシアの戦争に全く違った印象を持っていることに驚きました。

ベトナム各所で聞こえたアメリカへの不協和音。日本への不満。ロシアへの同情。
これらは現在日本への人材派遣を強力に進める越政府にとっては耳の痛い話。
大っぴらにテレビで偏り発言をするわけにはいかないとか。

よってあれだけ毎日戦争 戦場の様子を垂れ流している日本に比べ、ベトナムテレビは極端に戦争場面は少ないものでした。いやほとんどなかったです。
しかしFaceBookまた反政府系新聞ではもちろん、連日戦争報道があったようです。

ベトナム人ビジネスパートナーが言うには2014〜2021の間 連日ドンパスやルーガン戦争のことがベトナムでは報道されていたにも関わらず 日本では一切の報道を見なかった。
「日本の無関心 平和ボケに呆れました。2021年からのアメリカ ウクライナ ロシアのあの争い バイデンのワルシャワ演説の事実無視発言を知っているか?」と責め立てられる始末。

ウクライナとロシアと共に友好関係を結ぶベトナムであれば ウクライナ移住中であった同胞1600人以上が今回3月中に帰国。英雄扱いでどこの家庭も家族も多額の援助金と共に拍手と温かい目で迎え入れられたとのことです。

以下ベトナムビジネスパートナーから
①プーチンを戦闘行為に駆り立てたのは誰か(何か)

②ミンスク合意を破ったのはゼレンスキーだろう?
真実を知るのはゴルバチョフ

③2021年12月以降の米ロ交渉が直接の引き金じゃないか!
騙されたのはプーチンだと言ってる。
ワルシャワ演説のバイデンの事実無視発言 あれは酷すぎる!

④日本人(私です)が2022年2月突然ロシアがウクライナを突然攻撃した
と言ってるのはあまりに無知だ ❗️

⑤この戦争は自分の領土は遠く離れてなんの被害も受けないアメリカが
欧州でのエネルギー市場での権益強化 莫大な利益を生んでいる。

ベトナム世論はこの戦争はただただアメリカの一人勝ち。
初めからアメリカが目論んでいたシナリオ。

日本人(特に私)は何も知らない、知りたくない。円安ばかりに慌て
ふためいて 「全てはロシア プーチンの所為よ。彼の暗殺しかない」としか
喚けない「なんでもアメリカの言う通り!自分では考えたくない」
いつもの日本人❗️❗️

と言うことでした。全くその通りで 知識もなければ 情報もなく 思考力も
無くしたボーッと生きている私(日本人代表)です。

風見鶏、八方美人の現ベトナム政府は国連では「強気中立」と国民に釈明しているのがせいぜいで
国民はまあまあ安堵。しかしベトナム男子たるものほとんどのベトナム庶民は
「ロシア頑張れ‼️」だそうです。

(マダム禮さん、2022年8月29日)

――『ウエッブ・アフガン』は、99%マダム禮さんのベトナム人パートナーとほぼ同じ意見です。ただ違いの1%は、そういう米英の挑発・策動に引っかかって先に手を出し他国の領土に攻め入ったこと、してはならない核兵器による恫喝をプーチン大統領がしたこと。この1%のおかげで残りの同情されたかもしれない99%が台無しになってしまいました。だから辛抱ができないバカプーチンを批判しているのです。「ロシア頑張れ」は僕も同じで、アナクロニズムな帝国ロシア復活を妄想するなどは論外でロシア人民は必ずやバカ者退治をしてくれると信じています。ついでに言うと、英米は植民地主義をすすめた何百年も前から1%の真実や理想やあるべき願望を何十倍にも膨らませあたかも人類共通のものであるかのように描きあげて自分たちの悪事を隠します。おびただしい犠牲による流血をすすって、かれらはこの能力と手際の良さを獲得し、いまや芸術(幻術)の域にまで高めています。CO2削減やSDGs、ESG投資などというスローガンもそうです。第三世界はそれを見抜いてるんですが、各国指導者は金欲しさに面従腹背、忖度姿勢をとらざるを得ないんですね。(野口)

 

= アフガニスタンの産業やサービスは? =

ガニ政権は米国の後ろ盾はあったにしても7年続いた。その間女子教育や女性の社会進出も進んだ。ただ複雑な多民族国家を束ねられずにいたと認識している。
米国の後ろ盾がなくなり、タリバンがカブールを制圧した瞬間ガニ政権は崩壊した。しかしタリバンもまた女子教育や女性の地位向上に後ろ向きな少数民族の意見を無視できず、今に至っていると理解している。
以前、アフガニスタンには世界のサプライチェーンを構成する産業やサービスはないのかと質問したことがありますが、どうなんでしょう。なければ自給過多の産業(薬物以外で)は無いのですか。
アフガニスタンの知識が乏しい私としては、何もなければ経済大国の後ろ盾に頼るかテロ集団化するか難民として国外に流出するか、いずれにしてもアフガニスタンの自然崩壊だけは食い止めなければならない。
国際社会の問題意識待ちではないのか。国際社会がアフガニスタンを忘れなければいいが。(B.Sさん、2022年8月27日)

――たしかに、ターリバーンの存立根拠のひとつは、現在のアフガニスタンの経済社会民意の反映だと思います。アフガニスタンは東世界・西世界の支援をあてにしたそれの改革=近代化が失敗し続けたのだと思います。不肖私はPDPA政権下のアフガニスタン政府と組んでまずは貿易のインバランス(日本から年間5億円の輸入、輸出はほとんどゼロ)の改革に取り掛かろうと1987年に株式会社キャラバンという貿易会社をつくって活動しました。当時の貿易会社大手のトーメンなどの協力も得たのですが、西側世界総がかりの経済制裁の壁は破れず、ドン・キホーテ状態。その後現在までの雌伏、ジグザグ、苦汁の道のりはご存じの通りです(笑)。アフガニスタンの人びとの苦難に比べればどうということもないのでしょうが。(野口)

 

= 外交とか人質は侵略に欠かせないのか? =

アフガンニュースを読みながら別のところに目が移ってしまいます。
外交とか人質は侵略に欠かせないものだということ。
ロシアはウクライナのザポリージャ原発を占拠し世界に脅しをかけ、一方天然ガス資源を盾にヨーロッパや資源の乏しい国に脅しをかける。まさにやりたい放題だが、日本はサハリン2に擦り寄る。
中国は一帯一路外交で金をばらまき、ザンビアではデフォルトを起こし幹線道路がとん挫している。ロシアと中国の外交手腕を考えるとアフガニスタンやミャンマーは自国の事、世界の関心が薄れていく可能性が高い。アフガニスタンは国際社会と協調し凍結資産を解除すること。経済の立て直しを図る。この道筋を付けるための外交を早くやることだと思う。世界から取り残されないために。(B.Sさん、2022年8月27日)

――外交は交渉そのものですし、人質は交渉のカード。侵略はそのいずれも効を果たさぬ場合の最後の手段、と考える政治家や軍人がいまもいるんですね。というか、そう考えるのが政治家や軍人なのか。いずれにせよ、悲しい限りです。(野口)

 

=8月になると思い出す歌「ヒロシマ」=

アフガンニュース有難うございます。8月15日はタリバンが実権を掌握してから1年になりますが、それを独立系の新聞が「国家破綻記念日」と命名したとは悲しいブラック・ユーモアですね。初めて知りました。野口さんが言われる通り、8月15日は日本にとっては終戦でなく、敗戦記念日です。日本の運命を決めた「月命日」と言えます。私は8月になると、いつも「8月や6日、9日、15日」の俳句と、シャンソン歌手・林夏子が唄う「ヒロシマ」という歌を思い出します。広島と長崎の被爆者への鎮魂歌です。歌詞は下記の通りです。

どこへ消えたのか ヒロシマ 内海には港もなく
漁師の手に 魚もなく 日の出もなく
子どもたちの 歌も消えて 怒りさえ消えた

何が起きたのか ヒロシマ 菊の香り 椿の花
枯れた葦や マーガレット そのすべてが
街と共に どこかへ消え 恐れさえ消えた

あの日あの時の ヒロシマ 皮膚は焼け
肉は溶けて 人の影が 石に焼きつき
黒い雨 降り続く 今も心に 黒い雨 降り続く

あの日あの時の ナガサキ 人も死に 神も死んだ
青い空と 海が残り 平和の鐘 虚しく響き
オオーオー オオオーオー 鼻欠けの マリアさま

重々しく暗い詞ですが、原爆の悲惨さを如実に表現しています。シャンソンが好きな私は、8月になると仲間の前で年に1度だけ、この歌を唄うことにしています。この悲劇が二度と繰り返されないことを願って。少し格好をつけた物言いで、私らしくないと思いながら書きました。失礼します。(中楯健二さん、2022年8月25日)

――「鼻欠けの マリアさま」はいまも世界中で涙をながしておられます。人に欲がある限り、涙は絶えないのでしょうか・・・(野口)

 

=懸念すべきは今後の対応=

日本の終戦とその後については、ご指摘の件(敗戦でなく終戦、天皇制の維持と国体護持、吉田茂の平和条約等)(参照:8月25日付「視点」責任の自覚、受容の覚悟)はあの置かれた状況では、復興に向けて良い選択だったと考えます。少なくとも、結果としては受入られます。
懸念すべきは、今後の対応です。
憲法改正、防衛費の増額、敵基地攻撃能力の拡大・・アフガンの置かれた状況はウクライナと比較すると混迷と希望の差ですね。
スターリンのジェノサイドで1000万人が餓死した経験から国民の団結が始まった。
プーチンがスターリンの再現を始めた。そして、ゼレンスキーを中心に、ロシアから国を守るには戦うしかないという覚悟の国民意識の共有に漕ぎつけた。自分は戦わずしてウクライナ人に戦わせ、権力主義の防波堤を造るという虫のいい西側作戦は痛みを伴う覚悟を国民に如何にして徹底するかの政治リーダーにかかっている。
少なくとも民主国家、人権尊重国家を望む人はウクライナの犠牲を忘れてはならない。
(世田谷区 飯沼一元さん、2022年8月25日)

――それをどう評価するかはさておいて、「責任は自分が取る」、俗にいえば「ドロは俺が被る」といった覚悟を吉田氏はもっていた、ということですね。70年安保世代のわれわれ(少なくとも私)はそれだけの覚悟を持って「安保反対!」と叫んだのか。いまになって当時左翼を自覚していた人びと(自分も含め)にはそれが問われている気がします。民意として「敗戦」の意識が薄いこところに責任感のなさの原因があるのでしょうか。(野口)

⇒そうかも知れませんが、ドイツと違って、日本では誰がどうやって「敗戦意識」を広めるのか?難しいですね。
安部は最後まで、「侵略戦争」を否定しましたね。8.15ではこの点はいつも曖昧です。天皇が「過去の過ちを深く反省し、2度と過ちをしない」との言葉で締めくくりますが、自民党総理は、「尊い命をささげた英霊に哀悼の誠をささげます」という「ごまかし」を続けています。天皇制が間違いとの指摘もありますが、国民感情からして無理ですね。(飯沼さん)

 

=「戦争をなくす」星新一の提案=

野口さんの言われる通り、世界の平和を脅かす出来事が頻発しています。こんな暗いニュースばかりに囲まれて暮らしていると気分は落ち込むばかりです。話はどうしても悲観的になりますが、この地球上に人間が存在する限りは戦争はなくならない、いくら「戦争は二度と繰り返してほしくない」と言っても、「平和の世界が訪れてほしい」と願っても、全ては希望的観測に過ぎないと思えてしまう。それよりも、戦争の規模を小さくするとか、戦争勃発の頻度を減らすとかいった方が現実味があるような気がしてくる。こんな話を突然するのは、星新一のエッセイを読んだせいかもしれません。彼は「戦争」についてがこんなことを言っています。

「戦争とは何かなど、知らない方がいいのである。戦争をまるで知らない世代が育ってほしい。人類が50年間だけ、なんとしてでも戦争を休めば、戦争の体験者は消え、戦争という習慣をここで断ち切ることができるのではなかろうか。戦争という概念を強引に一掃するのだ。辞書やマスコミに戦争という語が出るのを禁止し、いかなる芸術品でも文学でも、戦争に関連したものは捨ててしまうのである。この世から戦争をなくすのに、他に方法があるとは思えない。人は戦争についての知識を子孫に伝えるべきでない。かくも悲惨なことだと説明つきであってもだ。じゃあ勝つほうに回ればいいだろと、人間は考え始めるに決まっているからだ。各国が話し合い、戦争に関する記念日を暦から消すべきではないか。戦勝記念日でお祝いをやる国があれば、それをうらやましがる国が出てくるのは当然のことだ。敗戦記念日もそれと表裏の関係にある。人類はあまりにも長く、戦争にあけくれてきた。戦争こそ正常という考え方が、心の底に潜んでいる。人類の文化遺産の中で、戦争に関した本や記録や研究は山のようにある。しかし、平和とは何かの問題に取り組んだ本は驚くほど少ない。戦争文献の精密さに比べると、粗雑そのものである。いかに平和が遅れた分野か、改めて気付く。戦争は大変なことで平和は安易だと考えている人がいそうだが、逆ではなかろうか。平和の方がはるかに大変なことであろう。戦争が病気で、平和を健康だと考えてみたらよくわかる。病気になるのは簡単だが、健康保持はたえざる注意と努力を必要とする。平和という言葉に何やら虚しい語感があるのは、私たちが平和の実体を知らず、その概念を持たないからである」。

これが要旨です。星新一も戦争にはほどほどうんざりしたとみえて、こんなことを書いていますが、私も同感だ。これは寓話に過ぎないと分かっていても、そうであってほしいと考えてしまうのは、世界に戦争とその被害になる人間が溢れているということの証左なのかもしれませんね。(中楯健二さん、2022年8月18日)

――戦争は人間が富を蓄積し始めてからの出来事ですね。富や支配圏を奪うために国や宗教をつくり武器を高度化させてきました。人間の動物としての本性ですね。ユーラシアを旅したり、日本の縄文時代の勉強をしたりすると人間が戦争を始めたのはほんの1、2万年まえからのようです。人間はほかの動物と違って知恵がある(はず)だから殺し合いせずにすむ方法を見つけ出すべきですね。本当はわかっているけど、欲をかく連中がいるからやまらないのでしょう。(野口)

 

=「ソビエト帝国の崩壊」復刻=

小室直樹が42年目の1980年に出版した「ソビエト帝国の崩壊」の復刻本が出たので購入して読みました。42年前の本なので、現状と合わない部分もありますが、本質をとらえている面もあります。
アフガン戦争も取り上げています。ソビエトの宗教論もかなり書いています。
コメント頂ければ有難いのですが・・(世田谷区 飯沼一元さん、2022年8月17日)

――小室直樹さんですか。一世を風靡した人ですよね。東工大でも教職についておられたようです。私は関係ありませんが、懐かしいです。温故知新精神で拝読いたします。(野口)

 

= NATOのやり方は余りにひどい=

ウクライナ問題は残念ながら日本ではマスコミは正しく報道していない。2014年アメリカはソチ五輪の閉会式の前日に軍事クーデターを起こし、選挙で選ばれた親ロ派の追放した。アメリカとイギリスの特務機関がクーデタ―を起こしたことを日本のマスコミは十分に報道しなかった。ミンスクで行われた合意内容をウクライナ現政権は違反し、ウクライナ東部地区で14000人の親ロが暗殺されている。クリミアにはロシア最大の海軍基地がある。安倍元首相はその後27回プーチン大統領と会談した。NATOのやり方が余りにひどいとおもったから。日本は西側であったが、米国や英国のような経済制裁を当時ロシアには行わなかった。ミンスクの協定にはドイツやフランスが参加しているのに今回ロシアとウクライナの戦争でアメリカやイギリス側についているのはだらしがない。というよりもアメリカの核兵器を利用して戦前の植民地主義を復活しようとしているのだろうか?ロシアは今回の戦争がなければ、毎年30兆円くらいの貿易黒字が予想され、世界でもトップクラスの富裕国であった。ロシアにはウクライナと戦争する理由がない。もしもNATOがウクライナを利用し、対ロ戦争を準備しないならば。ロシアに対し経済制裁をしているのは39か国。世界には193か国。153か国は中立ないしロシア支持である。日本人は安倍元首相の暗殺の理由を考える必要がある。(K.A.さん、2022年8月16日)

――ミンスク2の合意にたどりついたのにそれに基づく和平努力を怠ったウクライナ・独・仏の責任は重要と私も同意します。しかも現在のウクライナ戦争はウクライナとロシアの戦争でなく、NATOとくにアメリカ・イギリスとロシアの代理戦争です。『ウエッブ・アフガン』では、「プーチンはバイデンの罠にかかりウクライナ侵略を始めさせられた」と侵攻直後から論陣を張ってきました。第1次アフガン戦争(ソ連侵攻)とのアナロジーで言えば、ロシアがソ連、親ロ派がPDPA、ウクライナ軍がムジャヒディーン、英米NATOはそのまま当時と同じです。キャストの内容・主張はだいぶ違いますが、基本構造は何も変わりません。今回私がロシアを厳しく批判するのは、挑発に負けて先に手を出し(今回もクリミア併合も)、今回は核で恫喝している、知恵も忍耐力もないプーチンの愚かさと人類に対する犯罪性です。ロシア皇帝を持ち上げるアナクロ史観などは論外です。ロシア国民が考えるべきは、なぜNATOの策動が効果を発揮するのか、EUに憧れるのか、NATO・EUがなぜ影響力を広げられるのかをよくよく考えることだと思っています。アメリカの主敵は中国ですが、ウクライナ戦争が管理可能になったと判断したのか台湾危機を煽り始めました。果たしてアメリカに2正面作戦を展開するだけの能力と説得力があるのか、国内・国外の両面であるのか、はなはだ危なっかしいと思いませんか? こちらの方も人類に対する犯罪の域に達しているのではないでしょうか。(野口)

 

=8月15日はいろいろ考える1日=

8月15日は終戦記念日ですが、タリバンがカブールを制圧した日でもあります。
NHKもアフガンの変化をニュースで放送することでしょう。再びアルカイダとの関係を深め、テロの温床になるか、暫定政権が国際社会に認められる改革を断行するか。8月15日になると日本でもアフガニスタンを取り上げ関心が深まることを願いたいです。
予想通り朝日新聞もこの日に合わせアフガニスタンの動静を特集しています。NHKは日本とウクライナの高校生が戦争について考える番組を制作しました。いろいろ考える1日になりました。
野口さん、メタバースを彷徨いながらメタボにならないように注意してください。世の中の編集長にメタボが多いのは偶然ではない事に留意して。(B.Sさん、2022年8月15日)

――アメリカに敗北して民主主義国家になり世界第2位の経済大国にまで上り詰めた日本。アメリカに勝利して過去の亡霊のようなターリバーン支配となり歴史を大きく逆走したアフガニスタン。この鮮やかな対比はいったい何を表しているのでしょうか。「負けて勝つ」というのは日本の哲学なのでしょうか。いまはちょっと下り坂ですが。メタバ-スは毎晩ゴーグルを被って遊んでいます。Web3.0は最初にインターネットの洗礼を受けた時のようなワクワク感を体験しています。もう再チャレンジするには歳食ったので、若者たちの奮闘を観戦しております。山や海を3D、360°立体映像で見るとすごいですよ。(野口)

 

=米国のとんでもない愚かな行為=

いつも、アフガンニュースレター有難うございます。
ところで、米国がとんでもない愚かなことをしました。ペロシ下院議長が台湾を訪問して大騒動になっています。中国が強硬な反撃に出るのは明らかなのに、バイデン大統領はなぜ彼女の訪台を止めなかったのか。台湾問題は「中国のアキレス腱」です。触れば、中国が自分の立場を守るために必死になるのは分かり切ったことです。それは「越えてはならない一線」なのです。ウクライナ侵攻でロシアが世界から制裁を受けたのを見て、中国はこのところ台湾問題であまり表立った行動をしておりませんでした。それが今回の米国の行動をきっかけに、中国は過激な軍事的示威行動に出ています。ペロシ訪台はある面、中国政権にとっては「幸い」だったのかも知れません。行動のフリーハンドを得ることができた上、国内向けには国民に対して、対米でいつも守勢に立たされているわけではないというアピールの機会にもなったからです。中国はこれからも、今回の米国の行動を「口実」に軍事的行動を繰り返すに違いありません。これは、米国にとってマイナスのはずですが、果たして米国がそう思っているかどうかは分かりません。しかし、「寝た子を起こす」結果になってしまったことだけは明らかです。

米国は「中国は一つ」といいながら、トランプ政権以来、対中国外交でプレッシャーをかけ続けています。そのため、いまでは両国は「火」と「油」といった危険な関係に陥ってしまっています。水に油を注ぐのであれば分離するだけで大事には至りませんが、火に油を注ぐこととなればどこまで災害が広がるかわかりません。今回のことで、中国は「怒りは半端ではないぞ」と言わんばかりに、日本や台湾周辺で軍事演習を繰り返しています。これは、周辺国の日本にとっては極めて深刻な問題です。ただでさえ、ウクライナ問題で世界が緊張に包まれているのに、それに輪をかけるような米国の行動は「正気の沙汰」とは思えません。ウクライナ・プラス・台湾ではたまったものではありません。台湾問題はしばらくは静観すべきなのです。こんな微妙な政治的問題は時間を置いて対応するに越したことはありません。急げば、お互いに感情的になるだけで、いい結果は得られません。最近の米国は世界の問題児になってしまった感があります。対中国となるとムキになって、冷静さを失い感情的になる姿は見るに堪えません。全てが喧嘩腰です。今回のことも冷静さの欠如の表れです。

日本は、中国との関係では米国と違った立場にあります。
中国は日本にとってなによりも大切な貿易相手国です。敵にするだけではすみません。トルコは最近、食料不足問題でソ連とウクライナの間に立って仲介の労を取り存在感を示しました。国連が機能していない現状にあっては、日本も中国問題でそうした役割ができないか模索するべきではないでしょうか。安保条約があるからといって、いつも米国に引きずられっぱなしでいいわけはありません。日本独自の外交を展開すべきです。話は飛びますが、昔のプロレスのことを思い出します。オルテガやブラッシーといった米国の敵役が、反則の限りを尽くして力道山を追い詰める。すると力道山が最後になって堪忍袋の緒を切らして、伝家の宝刀「空手チョップ」を連発して敵を一蹴する。そこで観衆は総立ちになって拍手喝采を送る。シナリオはいつも同じでしたが大変な人気でした。米国は「オルテガやブラッシー」になってはいけません。なれば、中国を「力道山」にしてしまいます。

米国が繰り返す感情的な行動に対して、同盟国や世界が「中国が怒るのは無理もない」となったらどうするのか。そうなれば、米国は救いようのない立場に追い込まれることになる。今は感情的になるのを恥じて冷静になるべき時です。ロシアに続いて米国までもが正気を失うことになれば、これ以上の世界の不幸はありません。(中楯健二さん、2022年8月6日)

――まったくその通りです。『ウエッブ・アフガン』では、ウクライナにロシアが攻め込んだ時、「罠にはまったプーチン」と論評しました。アフガニスタンの40年を見ていればアメリカの意図、動向が見えるからです。ヨーロッパ、ウクライナでアメリカがいかにソ連を追い詰めていたかをいくら詳細に証拠立ててもあまり意味がありません。引っかかったプーチンに知恵と忍耐力がなかっただけです。台湾も同じで、米国にとって主敵は中国ですから、挑発の限りを尽くしています。本来中国は100年のスケールで物事を考えることのできる民族なので下手な挑発には乗らず、ずるいと思われても自分の利益を守る国(共産党を含めて)なんですが、何を焦ったか香港でミソをつけてしまいました。尖閣でも台湾でも日米の挑発に同じレベルで反応しています。中国にも何か焦らずにはいられない内部事情があるものと思えます。一方、挑発をかけているアメリカも足元を見ずに地球のあちこち、東と西とで大博打を打っていますから、こちらも危ういことハラハラドキドキで見てられません。(野口)

 

=おぼっちゃまの防衛大臣は何とかならないのか=

アフガンニュース拝読しました
谷川岳に上り、一の倉沢を眺めた余韻に浸っていたら一週間が過ぎました。世の中の喧騒は我が家に届きません。台湾を挟んで米中の火花は凄まじい、色を持たない日本は黒船を迎えた江戸時代に逆戻り、騒ぎが収まるのを待つしかないか。
それにしてもおぼっちゃまの防衛大臣は何とかならないのか。円安が象徴する弱い日本はどこへ向かうのか。
他国のことなど考える余裕がないのではないか、憂えること多く
次の山行を考えています。B.S(B.Sさん、2022年8月5日)

――先々月、久里浜と浦賀をぶらぶらしました。ペリー上陸記念館をみて江戸幕府の驚きぶりを実感できましたが、ちょんまげ佩刀すがたに幻惑されますが、外見に似合わず江戸幕府官僚は結構国際情報を持っていたんですね。浦賀で外洋船をつくったり明治維新になったらすぐに殖産興業政策をとれたのは江戸時代のバックボーンがあったんですね。太平楽を決め込んでいた江戸幕府のようにいわれますが、薩長明治政府の実務は江戸官僚が支えていました。ぼーっとしていたわけではなさそうです。(野口)

 

=日本はのほほんとしてますね=

(「<主張>アメリカの戦略とザワヒリの死」、アフガニスタンは)日本の論調に見られない『戦略と戦術、米国への二つの見方、』が社説として読める国と分かりました。日本はのほほんとしてますね。(見坊行雄さん、2022年8月5日)

――まったくその通りと思います。武力で脅されても忖度しないジャーナリズムが育ったのですね。アメリカの20年の占領は全体としては成功しませんでしたが、着実に進歩と民主主義の種は植え付けられました。これからの推移が楽しみです。(野口)

 

=物乞い精神改造の重要性を再認識=

アフガンニュースメールありがとうございます。
サイトを読みました。大変読み応えのある記事ばかりでした。
ある記事で物乞い精神はアフガニスタンの文化の一部だとありました。
私が入社一年目で駐在させられたナイジェリアでも同じような感想を持ったことを思い出しました。
私が居た現場事務所があった小さな村は現在大きな町になっています。しかし相変わらず治安は悪く人々の精神に進歩は見られません。
ナイジェリアを思い出すといつも魯迅の話を思い出します。
魯迅は医者になる夢を持って仙台医専に清国留学生として来日しました。しかし、2年程で医者の道を諦めて中退しています。中退の理由は、授業で取り上げられた中国民衆や中国人留学生を見て物事を見物人の視点でしか見ていないとか退廃した道徳心とか諸々に気がついて中国人の身体の治療よりは「精神改造」が必要だと感じたからだそうです。
それで文学の道へ進路変更しましたが、作家として成功したもののひとりだけではやはり何億もの人民の精神改造は無理だったのかも。
アフガニスタンのガニーとか最近のスリランカの大統領とかヤバくなればいち早く逃げ出し、亡命しています。ナイジェリアでも政治家や経営者にnoblesse obligeはありません。
どんなに偉い人でも肉体労働者と同じような精神で役得があれば沢山掠め取ることしか考えていません。
多分現在でもその精神はあまり変わっていないでしょう。ナイジェリアに武士道精神とか正邪真偽精神が生まれる土壌はありません。
アフガニスタンにも国際支援が沢山行くと思います。
魯迅のようなアフガン人が何万人も出て来て物乞い精神の精神改造でもして欲しいですね。
物乞いに慣れて民衆が自ら立ち上がらなければ良い国造りは成功しないかもしれません。
そのためにも男女公平にまともな教育をして欲しいです。
同じイスラムからあれはイスラムじゃないと言われているとか。
アメリカにアーミッシュと言う昔に生きる人達がいますが、どうせなら暴力は止めてアーミッシュのように人に迷惑かけずタリバン村の中だけで静かに暮らして欲しいです。
まともな教育だけは考えてもらいたい。
コロナも激増中です。油断せず気をつけましょう。(MMさん、2022年7月30日)

――宗教というより妄想に凝り固まると、つける薬がなくなるようです。決めつけることも決めつけられることも好きじゃない人生を送ってきましたが、どうしても会話が成立しない関係というものが人間社会にはありますね。養老先生はそれを「バカの壁」と看破されましたが、つくづくそれを感じます。一体、どちらがバカなんだろうか、と。(野口)

 

=人間と感染症の闘いが日常茶飯事になるのだろうか=

アフガンニュースレター最新号有難うございます。
アフガンとは直接関係ありませんが、今回のコロナの第7波は感染者が一日 20万人規模ですからかなり大きい波ですね。7月24日のNHK日曜討論会で、政府分科会の尾身茂会長が話したことが話題になっているようです。これまで2年半の政府の対策が後手に回って思うような成果が出ていないことが関係しているのか、「これからは政府や自治体の対策を当てにしないで、各個人が主体となって自分の身を守るように工夫してほしい」というような趣旨の発言をしたとのことで、職務放棄だと批判されているようです。とにかくコロナは、ちょっと静かになったかと思うと、また暴れ出す厄介な存在です。まるで、酒に酔って寝たかと思うと、また起きて騒ぎ出す人間のようで始末に悪い。年配者は4回目のワクチンを打っているようですが、私は最初の1回だけで、その後は一切打っていません。自分の免疫力を信用することにしています。
うちの会社関係でもコロナにかかった人が出ました。だんだん身の回りにもかかる人が出てきたようですので、注意は必要ですが、マスク着用、3密回避、うがい、手洗いなどの基本を励行して凌ぐほかありません。私は10年来の習慣で、毎朝30分のジョギングと15分のストレッチをしています。それと最近では、家で仕事をする時は30~60分程度昼寝をするようにしています。これはなかなかいいようです。疲れた頭がすっきりします。
去年は目の病気(白内障、禄内症、網膜剥離)、今年は糖尿病と腎臓病と診断され、踏んだり蹴ったりの状態ですが、気力だけは衰えないように気を付けています。感染症は人間の環境破壊に由来している面があると言われていますから、新しい感染症が次々とこれからも現れるかもしれません。実際、サル痘という新しい感染症も流行り出しました。これからは人間と感染症の闘いが日常茶飯事になるのかも知れません。毎日が灼熱の日が続きます。
お互い熱中症にならないよう気を付けましょう。

追伸:「アフガン人は乞食ではない」を読みました。アフガンに独立系の新聞が存在していることを知り驚きました。どうして経営が成り立っているのか、読者は誰なのかも知りたくなりました。それはともかく、筆者のようにプライドが高く、明確な目的意識を持った人がいるのは心強いですね。うれしくなりました。(中楯健二さん、2022年7月25日)

――コロナの生存戦略は、宿主が死んでは元も子もないので病毒性を低めて感染力を強めるはず、とコロナ発生時点で猛勉強し確信しました。対策としては自己免疫力を高めるのが一番と考え、その他もろもろの雑音は無視することとして今日にいたりました。第7波なるものはもうほとんど終わっているとみなしていいと思います。尾身さんの本音もそんなとこだと思いますね。ただ、さんざん国民を脅してきた手前、いまさらそう言うわけにいかない、ってとこじゃないでしょうか。アフガンの気骨あるジャーナリストには脱帽です。勇気をもらって一緒に頑張りたいものです。(野口)

 

=安井さんはなぜアフガニスタンに戻るのか?=

安井浩美講演会を拝見しました。
この絶望的状況で、なお、アフガンに戻る彼女の希望は何処からくるのでしょうか?

ウクライナ戦争とアフガンを比較すると
ロシア=タリバン
ウクライナ住民は国外退去、アフガン住民は難民にもなれずじっと死を待つ。
ウクライナ政権:戦い国を守る強い意志
アフガン政権:国を捨てたガニ政権
希望はアフガンにゼレンスキーの登場を待つこと。
ユダヤ難民がひたすら、救い主の登場を待ち望んで苦節2000年、イスラエルを建国した歴史の重みを思う。(世田谷区 飯沼一元さん、2022年7月15日)

――安井さんはその質問に、「アフガニスタンが好きだから」と答えておられました。絶望の中に灯っている希望の明かりを見ているんだと思います。「アフガンの声」の中に、野口も同じものを見ています。ところで、アフガニスタンでは他者によって引かれた国境線内にいくつもの民族が存在しており、共通する国家像がないところに困難が存在しています。アフガン人はユダヤ人と違って〝亡国(土)〟の民でなく、国土はすでに持っている点が異なります。今後ともよろしくお願いいたします。(野口)

 

=RAWAへの支援金、集まっています!=

今アフガニスタンはどうなっているのか、日本のメディアはほとんど伝えなくなりました。ウクライナのことが優先されますし、また今度は安倍元総理の死去でいっぱいいっぱいでしょう。御承知の通り、メディアが取り上げなくなったのは現地の人々の生活がよくなったからでは決してありません。

ターリバーンの支配下で命懸けで人々に寄り添うRAWAの活動をなんとか支えたいと思っています。この間、ニュースレターでも取り上げてくださり、支援金が集まっています。早く次の送金をしたいと思っているところです。送金方法は限られていますので、現地からの連絡待ちです。

「アフガニスタン・ペーパーズ」を読んでいますがとても分厚い本で・・・。金子さんがとても分かりやすく書いてくださっているのでうれしいです。
20年も続いた戦争!
それがどんな思惑(???)の中で行われてきたのか、アフガンの人々にとっては大悲劇です。こんなことで殺され、傷つき、何もかもを破壊されてきた・・・。
多分、アフガニスタンだけではありませんね。
この間のすべての戦争は同じようなものだったのではないでしょうか?
一部で儲ける人がいて、うまくそれに載せられて、そして弱い立場の人たちが戦い、殺されていく。
みんなそのことをわかっているのに、止めようともせず(止められず)、何とも歯がゆいです。
RAWAの闘いに学び、あきらめず、この日本の課題にも取り組んでいかなくては、今まさに「いつか来た道」の上に立たされているのだと思います。

「国葬」についても納得しがたく、なんで次から次へと問題が起こっていくのか、73才、ため息をつきつつ、腰をさすりつつ…毎日を過ごしています。
これからもアフガニスタンのことを多方面から研究されて教えてください。
どうぞよろしくお願いします。(RAWAと連帯する会 桐生佳子さん、2022年7月17日)

――ささやかでも、アフガン地震被害者へのカンパ活動のお手伝いが出来て嬉しいです。また、ロサンゼルスからは鶴亀さんがミーナの35周年の追悼ミュージックビデオの情報を教えてくれました。新しい時代の表現ツールを使って若い世代にミーナの精神が伝えられているのを知ったのも嬉しかったです。これからもアフガニスタンやパキスタン現地で苦しくても元気で闘っている女性たちの情報を伝えてください。戻り梅雨があけて、本格的な熱暑がやってきます。ご自愛ください。(野口)

 

=ターリバーン兵が生計を立てる為に何をするか考えただけで怖い=

スリランカが破産し大統領は国外へ逃げた。
外貨調達ができず物資が輸入できず、早くもインフラが不安定になっている。
中国から膨大な借財があることを除けば、国民は大統領邸に乗り込んでプールで遊んだりしているニュースは明るい。
1年前、武装勢力タリバンに追われて大統領が国外へ逃げたのと似ているがこちらのニュースは深刻。
17日朝日新聞朝刊には、政府軍に属さない戦闘員が首都に4万人いてほぼ無給とのこと、生計を立てる為に何をするか考えただけで怖いですね。
また同紙に女性ニュースキャスターの話が紹介されているが「顔覆え」命令にマスクで対応しているが、「顔を覆うのがイスラムの教えに則しているのか分からないが身を守る為にマスクしている」「何がターリバーンの規則に合い、何が反しているのか分からないが報道は確実に委縮している」と語っている。武力による恐怖政治は将来の希望を奪っていく。体力勝負だと思います。(B.Sさん、2022年7月17日)

――日本のマスメディアでもターリバーン政権の経済的苦境が伝えられていますが、実態はすさまじいもののようです。家宅捜索と称して個人宅に押し入り物品を略奪したり、徴発まがいのことを繰り返したり、果ては軍用車の修理すら踏み倒しているとの情報が寄せられています。ターリバーンと国民の体力勝負で共倒れになるのが一番の悲劇。避難民の増加、とくに技術者、専門家、インテリ層の流出は国力を著しく低下させ続けています。(野口)

 

=無秩序化し壊れていく地域に対して何ができるのか=

アフガニスタンは物乞いか。
アフガニスタンには、グローバルなサプライチェーンを担う、資源、産業、物流システムは無いのですか。中国が狙っている資源はあるようですが。
経済活動が出来なければ物乞いするしか道はない。1年前までは国際社会が認める国として存在したから、他国は経済支援できたのでしょうが、今は無秩序化し壊れていく地域を静観するしかできないでしょう。支援は継続しないだろうしこの地域が無秩序化した時、世界はどのくらい影響を受けるのだろうか。
別次元ですが、
国破れて・・・・の項で野口さんが展開した持論だと思いますが、これを読んで気持ちがざわついたというか、大分根底にある考え方が違うなと感じた。そしてこの考え方はウェッブアフガンのベースになっているのだから、読者も難しい立ち位置だと思った。初歩的なことですが読者は編集者と同じレベルではありません。例えば、タリバンの法典では女性はどのような扱いなのでしょう。インターネットの検索ではなく、正しく知りたい。このような読者のために、豆知識なる項目を加えたらいかがでしょうか。(B.Sさん、2022年7月15日)

――ターリバーンがアフガニスタンの支配者として戻ってきてから1年になりますが、国家予算もままならず、国民の協力もなかなか、という状況です。国家運営は多難というほかありません。アフガニスタンはいろんな意味で日本の常識からは推し量れない位置にありますから、QandAだけでなく、文中での注や解説を増やしていきたいと思います。これからも質問やご指摘をお願いします。その都度、コンテンツが充実していきますので。(野口)

 

=「アフガンニュース」読んでます=

安井浩美講演会を拝見しました。
この絶望的状況で、なお、アフガンに戻る彼女の希望は何処からくるのでしょうか?

ウクライナ戦争とアフガンを比較すると
ロシア=タリバン
ウクライナ住民は国外退去、アフガン住民は難民にもなれずじっと死を待つ。
ウクライナ政権:戦い国を守る強い意志
アフガン政権:国を捨てたガニ政権
希望はアフガンにゼレンスキーの登場を待つこと。
ユダヤ難民がひたすら、救い主の登場を待ち望んで
苦節2000年、イスラエルを建国した歴史の重みを思う。
(世田谷区飯沼一元さん、2022年7月15日)

――安井さんはきっと、絶望の中に光を見つけに行くのではないでしょうか。同じ気持ちです。今週号の「アフガン人は乞食ではない」という誇りは光のひとつではないでしょうか。
アフガン難民(500万人オーダーで存在)とユダヤ難民の違いは、アフガン国民は最初から国土を持っている点です。ユダヤの民は土地を失っていたのでヨーロッパ人がパレスチナ人の住んでいた土地にユダヤ人を割り込ませてパレスチナ人から土地を奪い、流浪の民を新たに作り出してしまった点が、アフガニスタンとは決定的に違います。さらに、アフガン国民は多くの民族・部族に分かれていて統一ができていない点も、幻想としての統一(ユダヤ教という)をもっているユダヤ人とも異なります。ひどくやっかいです。(野口)

 

= 野口さん =

アフガンだけでなく、ミャンマーも忘れないで下さい。
(松本康男さん、2022年7月15日)

――はい、決して忘れてはおりません。昨年のクーデターのとき在日ミャンマーの人たちも集会やデモをやりマスコミも大きく取り上げましたが、アフガン、ウクライナと続き、ニュースにならなくなりました。残念です。「トピックス」欄では5月23日付のUNHCR情報にてお知らせしましたが世界の難民が1億人を突破したそうで、やるせないです。(野口)

 

=「散華と殉教」を読んで=

野口さんの「散華と殉教」を読みました。力作です。
その中で、野口さんは「私は日本の特攻とイスラームの名をかたって行われる自爆テロを同列に扱う表現に大いなる違和感を感じながらも、神や国家の名のもとに遂行される自殺攻撃としての紙一重の共通性を感じます」と述べている。また、現代では「戦争」と「テロ」の区別は難しくなってきている、とも書いている。確かに、戦争とテロを区別するのは難しい。一般的な定義は、
① 戦争:宣戦布告をして、国家間で行われる武力衝突
② テロ:小さな勢力が大きな勢力に対して一方的に仕掛ける暴力
とされているが、近年ではその区別は曖昧になっている。宣戦布告なしにいきなり攻撃を受けたと米国が主張する真珠湾攻撃は、テロかと言うと誰もそう信じる者はいない。テルアビブ空港乱射事件や9.11は、この定義通り明らかにテロである。また、米国で頻発する若者の銃乱射事件は、個人を無差別に殺戮(さつりく)している点でテロと言える。しかし、戦争もテロも規模の違いはあっても、人を殺害する行為であることに変わりはない。両者を区別するために、国家が仕掛けるのが戦争で、個人が仕掛けるのがテロであると考えるのが分かりやすいかもしれない。野口さんの文章の中で心に残ったのは、特攻で命を落とした若者と、戦艦大和の臼淵大尉の話だ。特攻隊員の遺書は「きけ わだつみの声」に収められているが、それには死に対する恐怖と、あとに残される母親や家族、友人への思い、この世への未練などが切々と書かれていて読む者の心を打つ。自分の死を悲しむ母親の気持ちを考えながら、日露戦争に出兵した弟に向かって「君死にたまふことなかれ」と呼び掛けた与謝野晶子の詩を思い出した隊員もいたかも知れない。「名誉の戦死」などと言われるよりも、生きて帰ってきてほしいと願う母親の気持ちが、彼らには痛いほどわかっていた。この点が、9.11で世界貿易センターに突入して自爆したイスラム教徒との違いだ。彼らの心・・・(中楯健二さん、2022年7月8日)
つづきはここをクリックしてpdfでお読みください。A4/3ページ

――丁寧なご感想とまとめ、ありがとうございます。イスラームの主張にも聞くべき点、参考にしたい点が多々ありますが、自説を合理化するためにゆがんだ理解や手前勝手な歪曲によって多くの人々を傷つける行為はやめて欲しいと切に願います(野口)

 

=何をすべきか。何ができるか=

アフガンニュース拝読しました
ウラマー大会の映像をニュースで観ました。
全員男性で何を議論したか分かりませんが女性の権利や教育の実行といった議題がテーブルに乗るとは思わない。
7日にジョンソン首相が辞任し、今日安倍晋三元首相が撃たれました。日本のメディアは100%そのニュースです。
ロシアのジェノサイドは続いてるしアフガンの地震被害も救援活動が進んでいるのかいないのか。個人の生活は失われたままで、支援も不足したままだろう。
この人たちが Let me try と思えるために何をすべきか。何ができるか。(B.Sさん、2022年7月8日)

――アフガニスタンのウラマーはイスラームの聖職者ですね。イスラームといっても今や世界では千差万別。もっとも厳しかったサウジ・アラビアではハリウッドの向こうをはってワールド・シネマ・ファスティバルを主宰して女性のファッションを競うとっころまできました。アフガンのウラマーさんたちをメッカ巡礼の際に連れて行って見せたらどうでしょうか。わが国も世界でもっとも進んだ地域になったんですけど海外に留学する若者も減り、「内向き下向きひた向き」に生きる人が増えています。こんな国に誰がした、とあの人に言いたいです。ま、そんな中でも、アフガンではどん底でもあきらめず闘う人びとがいるので、勇気をもらいながらわれわれも、どんなに小さなことでもいいので、できることを地道にやりつづけたいと思います。(野口)

 

=ミーナが応援していますよ!=

アフガンニュースレター30号、有難うございました。
「編集室から」で「現代は、何が真で、何が善で、何が美で、ましては何が愛なのか、さっぱり分からなくなった」と嘆いていらっしゃるようですが、きっとミーナが野口さんを応援していますよ。本日彼女に捧げる音楽を聴きながら、そのように感じました。4分間の音楽です。静かにお聴きください。そして夏をお楽しみ下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=byFzmLYM9Dk
(鶴亀彰さん、2022年7月7日)

――早速拝聴しました。カルフォルニアからのメール、ありがとうございます。今年はミーナが31歳で暗殺されて35年目なのですね。彼女を追悼して作成されたこの音楽とビデオは知りませんでした。ミーナの意志を引き継いで闘う世界の人びとの映像に勇気づけられます。嘆いているヒマなどありませんね。(野口)

 

=「RAWAと連帯する会」へも寄付します=

ターリバーン弾圧あり、地震あり、実にお気の毒なアフガン。ペシャワール会を通じてわずかばかりのアフガン支援をいたしておりますが、今日のアフガンニュースメールを見て、「RAWAと連帯する会」へも寄付をさせていただくことにしました。
それにしてもターリバーンはひどい。政権を掌握した最初の頃は、だいぶ柔らかくなったのかなと期待していたのですが、時が経つにつれ、昔にドンドン戻ってしまい、それどころか政権を握ったその力ゆえに、より強権的になり、昔のターリバーンより卑劣になった感さえします。こんなこと、イスラムの教えにちゃんとあるのでしょうか。怒りを覚えます。(三宅和豊さん、2022年7月7日)

――現地からのニュースを見ていると第一次ターリバーン体制時よりひどいと思います。アル=カーイダやISKPなどとの内紛も表面化しており、それらが前回より状況を悪くしているようにも思えます。ウクライナの陰に隠れがちです。忘れられることのないよう周囲に語り、伝えることが重要です。小生もRAWAに貧者の一刀を捧げました。(野口)

 

= 日本こそEUの加盟国になるべきだ =

散華と殉教」の最後に問題提起されている、日本の「第三の開国」。唐突だが、EU加盟候補国に手を挙げたらどうだろうか。
今回スペイン・マドリッドで開催されたNATO首脳会議に日本の総理大臣が初めて出席したが、日米同盟がある以上、軍事同盟であるNATOと関係強化しても日本にメリットがあるように思えない。
それより、経済・政治的連合体であるEUとの関係を強化する方が、日本にとって圧倒的にメリットがあると思うが、いかがか。
EUの加盟資格や加盟プロセスなどを一切無視した上で、EU加盟のメリットを挙げると、スタンダードセッターであるEU相手に負け戦をする必要がなくなる、EUの財政規律により日本の財政赤字の解消が期待できる、個人情報の保護レベルが高まる、ジェンダー平等が進む、天然ガスや石油のバイイングパワーが増す、政府や企業の情報開示が進む、EUの公用語に日本語が加わる、アフリカが裏庭になる、などなど。さらに、シェンゲン協定に参加すれば、日本と欧州を結ぶ航空便は国内線になる。
「日本こそEUの加盟国になるべきだ」と思う。(髙橋 一朗、2022年7月1日)

――メールを拝見して、えっと思いましたが、EU加盟論は以前にもありました(水野和夫「グローバル化は終焉、日本はEUに加盟せよ」)。日本は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)や日英包括的経済連携協定(EPA)を結んでいたり、政府が巨大な債務(実は国民の債権)をもっていたりと、参加するにあたっては解決しなければならない課題が多々あるでしょうが、髙橋さんのおっしゃるメリットの方がはるかに大きいし、経済だけでなく政治や民族や国境の壁をなくして統一し平和を実現しようとする崇高な理念に合流できると考えれば胸が躍ります。ついでに宗教の壁もなくしたい。EU加盟は政策課題なので、新資本主義を唱え積極姿勢の岸田首相に提案したらどうでしょうか。(野口)

 

=「アフガンニュース」読んでます=

「編集室から」に、アフガンの女性国会議員ファウジア・クーフィさんの自伝の記事がありました。興味深かったです。
ターリバーン政府が地震被害に各国に援助要請をしているみたいですね。援助はしたらよいと思いますが、ターリバーン、あるいは他の勢力、政党でも、そのような援助を受け入れる役所などはあるのでしょうか。かつてのPDPA時代にはそのような受け入れも行っていたのでしょうか。
これまでのように国連や他国の団体に頼んでもよいですが、大きな犠牲を払って、アフガニスタンの人たちはイヤイヤながらもターリバーン政権を受け入れていることになっている訳だから、ターリバーンたちに援助金を渡したらどうなるか、やらせてみてはどうかと思いますが…。人道支援ならば国連などを通して被害のあった人に直接の方が安心でしょうけれども。
アフガンをテーマにしたアニメ映画『FLEE』がいま上映されています。まだ観てないのですが、あまりよい評判はないようで残念です。アフガンの人たちの気持ち、受け止めてあげたいです。
ちなみに映画といえば、最近、ペルー映画の「聖なる村」を観た。ペルーの村で行われる宗教儀式を章立した物語タッチで描いた映画ですが、宗教の映画ではない。これこそアフガニスタンの人たちにも観てもらいたい良い映画だと思ったので追記しておきます。東京、渋谷のイメージフォーラムというミニシアターで上映しています。ぜひどうぞ。(Webアフガン読者 m.o.さん、2022年6月29日)

――ニュース、お読みいただき、また感想をお寄せいただきありがとうございます。クーフィさんの記事は随所にあります。検索してみてください。目次欄にある虫眼鏡アイコンをクリックすると検索窓が開きます。「クーフィ」とか「Koofi」のキーワードでどうぞ。特に「VIDEO」コーナーの「タリバンとの平和的共生をめざして」のインタビューは興味深いですよ。(野口)

 

=「散華(さんげ)と殉教」、拝読しました=

こんばんは! いつもアフガンニュースレターを送ってくださり、ありがとうございます。
一昨日、偶々テレビを付けていますと、アフガニスタンで先日起きた地震の被害の様子を映していました。
医療設備のない地方からドクターヘリ(?)のようなヘリコプターを使って助け出された人を運ぶところが映っていて、まだ、埋まっている人もいるとかいうニュースでした。
阪神大震災も経験した私としては気の毒に感じてみていましたところ、そんな折にアフガンニュースレター「No.29」が届きました。
ひょっとして地震のことが書かれているかしら?なんて思いながら覗いてみますと、重信房子さんの出獄から話が続いて、イマジンから啄木の詩に・・・。
2002年(9.11の翌年)に書かれたというエッセイ(注:「視点:散華(さんげ)と殉教」)を読ませていただきまして、ドンドン文章に引き込まれていきました。
同じ戦後の傷痍軍人など見て育ち、戦争の傷を少しは分かる年代として、同じ70年安保世代として、熱い思いがほとばしるような文章に感銘を受けて読後、つらつら考え込んでしまいました。
20年前だと野口さんも若かったから血がたぎっているのが感じられましたよ。(笑)
映画「ほたる」は泣くのが分かるので見ませんでしたが、特攻の事は昭和の時代にはテレビドラマにもなったりしていたので、なんとなく分かります。
戦艦大和の最期の本も読んではいませんが、戦艦大和の映画は見ました。今の行き詰まったような日本社会で近々、行われる参議院選挙を思いますと、臼淵大尉の言葉も胸に響きますね。日本人は敗戦を経ても変わっていないです!!
トルコのアタチュルク、アフガニスタンのハーン国王、それぞれ国際政治の渦に巻き込まれましたが、トルコはエルドアンになっても、ドンドン西欧化、リラは下がっても先進国のように垢ぬけたモダンな街並みで発展しているようです。翻ってアフガンは・・・(泣)
とにかく、否応なしに特攻へ行かされた日本の若者と今のテロリストとを安易には比べられたくはないですね。
どちらにしても死にに行くのは民ですから・・・。
話はまとまりませんでしたが、アフガンニュースのエッセイに胸を打たれました。有難うございました。再度、読み返してみます。孫にもコピーして送ろうかしら?(M.I.さん、2022年6月26日)

―—想いを勢いに任せて書いた文章をよく読んでいただき、ありがとうございます。言わんとしたことをきちんと整理していただき、その点でも感謝です。もう余命いくばくもない私たち(女性はまだまだこれからでしょうけど(笑))の思いをぜひとも次の世代に受け止めてほしいですね。お孫さんにも読んでもらいたいですが、解説が必要かもしれませんね。(野口)

 

=八方ふさがりを開く道筋を日本がつける位の行動を=

ファテー・サミ氏の現地レポート(アフガンを外国諜報員やテロリストの競技場に変えるターリバーン)を読みこの事象をアフガン国民一人一人に置いて考えると胸ふさがる思いだ。時が解決する問題ではない。日本としては何ができるのか、難民受け入れ条件をウクライナと同じにするとか、人道支援の働きかけを積極的にやるとか八方ふさがりを開く道筋を日本がつける位の行動が必要だ。(B.Sさん、2022年6月26日)

――2001年以降のアフガンに資金だけでも1兆円規模の支援をしてきた日本です。アフガン支援の国際会議も東京で開いたし、国連やさまざまな組織を通してアフガン難民支援や平和プロセスにもさまざまなレベルでかかわってきた日本ですから、当事者責任がある、といえます。(野口)

 

= 難民についての私の考え =

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は5月23日、紛争や暴力、迫害によって避難を強いられた人の数が1億人を超えたと発表しました。それだけの難民が世界に溢れているということは、戦争や動乱、紛争がそれだけ多いということを意味します。シリアやイラク、アフガニスタン、ミャンマー、それにウクライナも加わり、全てが戦争絡みの難民です。これ以外にも、気候変動や飢餓、干ばつによって住む場所を追われる人々もいます。いずれも、安住の地を追われ他国に避難し、多くが、家や仕事を失い、家族もばらばらな生活を余儀なくされています。衣食住にも事欠く不慣れな環境での生活は、何と言っても精神的負担が大きいと思います。同情に耐えません。こうした難民の数字の中には「東日本大震災」で被災した日本の避難民は含まれていません。3.11で避難せざるを得なかった人は16万5千人おります。その2割に当たる3万4千人もの人がいまだに全国各地で避難生活を送っています。生まれ故郷を離れ、家族もばらばらになって見知らぬ土地で生活せざるを得なくなったという意味では、彼らも「難民」と言ってもおかしくありません。それを考えると、難民は他国の問題でなく、日本自体の問題でもあると言えます。戦争でなくても、こうした原発事故が起きれば、先進国と言えども自国の難民を抱えることになるということです。
奇しくも、最高裁判所は6月17日、福島第一原発事故で被害を受けた住民が
国に損害賠償を求めた集団訴訟で、国の責任を認めない判決を出しました。その理由は「現実の地震・津波は想定よりはるかに大規模で、防潮堤を設置させても事故は防げなかった」と言うもので、国を無罪放免としました。事故の前に「原発の安全」を喧伝していた東京電力の後ろ盾になっていた国に責任はないというのです。それでは住民の自己責任ということになるのでしょうか。津波を含む原発事故関連の死者が2万人弱、行方不明者は約2500人、全壊した住宅が12万5000棟に及ぶという大事故だったというのに不可解な判決と言えます。「ああ無情!」と言わざるを得ません。今回のマスコミの報道では触れていませんが、東電が採用したGEの原発はハリケーンに備えたもので、沿岸用には不向きだったと言います。非常用発電機を地下に置く「米国式設計」をそのまま採用したため、事故の被害が大きくなったと専門家は証言しています。海でなく陸地用だったのです。そんなものをなぜ設置したのか。この選択の誤りは誰の責任なのか。難民問題からこんな話になりましたが、理不尽で不可解なことがこの世には多すぎます。難民は、戦争だけでなく原発事故でも生まれるということを知れば、日本にとって難民は「他人事」ではないと言うことが分かります。難民問題の報道でこんなことを考えた次第です。(中楯健二、2022年6月26日)

――原子力発電は東電が勝手にやったものではありません。全国的に国策としてすすめてきたもの。想定外の事態についても最終的には国が責任をとる(監督責任も含めて)もの。最終責任者が責任を取らない団体は崩壊ないし消滅するしかありませんね。上がそうなら下もこうなるしかありません。最近の熱海盛土土砂崩れ問題。(野口)

 

=犠牲をこうむる人びとの生の声を聞きたい=

いよいよ旬刊発行ですか、読者に問題意識を持たせるにはタイムリーな発行が必要ですね。
タリバンはアフガニスタンを制圧してから1年が経ちますがトップの顔が見えない。ニュースは殺戮と女性蔑視が目に付く。
ウクライナ侵攻にしてもプーチンとゼレンスキーの顔は見えても大義が見えない。ロシア市民は生活に影響が出ていないのか無関心を装っている様だが、戦場で死んでいく両国の兵士、ウクライナ市民、難民は大義が見えているんだろうか、あきらめているのかが分からない。
過去の戦争でも仕掛けた側の大義が見えない、トップの顔が見えない、殺せと号令をかけるのだからトップは表に出られる訳はない。日露戦争で反戦論が起きた、ロシアのトルストイは「戦争が始まった、陸で海で野獣のように殺し合う、安全な場所にいる者が他人をそそのかし戦わせる」与謝野晶子はきみ死にたまうことなかれの第3節で「すめらみことは戦ひにおほみづからはいでまさね。互に人の血を流し獣の道に死ねよとは、死ぬるを人の誉れとはおほみこころの深ければもとより如何で思されん」と声を上げている。
戦争にかり出された人や難民から「何故」という声は聞こえてこない。圧殺されているのか。アフガニスタンの民主化、女性の解放や教育もタリバンによって一変したが声は聞こえてこない。このアフガンニュースレターから声が聞こえてくるのを期待します。(B.Sさん、2022年6月20日)

――「アフガンの声」コーナーでは当事者たちの声を拾って伝えようと思っていますが、どうしても論説などが多くなる傾向がありました。いまは、SNSで生の声、生の情報があふれかえる時代になりましたから、それらをもっと拾っていくよう、努力します。「便利帳」コーナーは大量の情報にアクセスできる窓口になっていますので、どうぞご活用ください。(野口)

 

=教育にお金を注ぎ、立派な人材育成を=

アフガンニュース、ありがとうございます。
日本は参議院選挙が始まり、各党政策を発表していますが、ウクライナ情勢から日本も軍備を増強すべきだとの声が大きくなって来ています。
コロナ対策で多くの予算がつぎ込まれ、国のお金は無尽蔵にあってどんどん使っていいとの感覚なのか、政党は直ぐに国民にお金を配布するといい政治をしているかのようなパフォーマンスをしていますが、日本の将来をしっかり導ける政治家が皆無です。
将来人口が減り、労働力が不足し、外国人に頼らなければならなくなって来ています。特に農業は外国人がいなければ成り立たなくなっています。
今、将来の日本が発展していくためには、若い世代の教育にお金を注ぎ、立派な人材育成をすべきです。
ヨーロッパが軍事費にGDPの2%なので日本もそうすべきとの論理ですが、日本の教育費はヨーロッパにとても及ばず世界的にもかなり低い水準です。
コロナでオンライン教育をしようにもネットワークも端末もない状態でした。
お隣のお孫さんがインドネシアから帰国し、オンラインで授業を受けていると聞き、日本がいかに教育に力を入れて来なかったことに落胆しました。
先日、横浜の中学校の理科の実験で7名が気分が悪くなり、4名が病院に搬送されたとのニュースがありましたが、アナウンサーの説明では、鉄と硫黄に塩酸をかけて硫化水素を発生させる実験とのことでした。
この理科の実験は多分、教育実施要綱に基づいたものと思いますが、硫化水素は猛毒で、25年前に安達太良山頂で霧のため迷った登山者が4名硫化水素のために死亡した事故がありました。この横浜の中学校のニュースを聞いて、今の日本の教育の実態に強い危機を感じました。
国の発展を支えるのは軍事でなく、若い世代の教育だと思います。そんな政策を訴える政党がひとつもないことに日本の将来に危機を感じました。

<追記>
若者の育成ですが、皆さんよく知っている話です。
戊辰戦争で破れた長岡藩の窮乏をみて、支藩の三根山藩から米百俵が贈られ、小林虎三郎は米百俵は皆んなで食べればすぐに失くなるが、この米百俵で教育設備をととのえて若者を育成すれば、万俵にも100万俵にもなると教育の大切さを訴えました。
2002年の首相所信表明演説で時の小泉純一郎首相が政治の改革の故事として「米百俵」を引用していますが、小林虎三郎が米百俵に取り組んだのは、政治改革ではなくて、人材育成が大事だとして取り組んだ内容なのです。長岡藩の小林虎三郎のようなリーダーが出て欲しいです。(HKさん、2022年6月18日)

――教育はアフガニスタンでももっとも重要な課題で、ほかの読者の方からも、「アフガニスタンでは教育、とくに女子教育が大事」との指摘が寄せられています。両国の現時点での教育の在り方、方向にはずいぶん違いがあると感じますが、国づくり=人づくりという点では同じですね。議論を深めていきたいテーマだと思います。ご意見、今後ともよろしくお願いします。(野口)

 

=コロナは科学とシステムで必ず駆逐できます=

コロナ、アフガン、ウクライナを3大パンデミックと捉えて比較するのは面白いですね。
アフガンとウクライナの本質的な違いはなんでしょうか?
コロナとウクライナの本質的な違いはコロナは科学とシステムで必ず駆逐できることです。
コロナの争点はゼロコロナかウィズコロナかではないと思います。
「感染者の隔離」方法の問題です。ワクチンだけでは解決できないでしょう。ITと行政システムで解決できると考えています。
米食とも関係があります。次の研究論文を参考にしてください 。(飯沼一元さん、2022年6月17日)
※ 次の論文名をクリックすればPDFファイルをダウンロードできます。 COVID-19感染者・死者数と米食の相関(20220110)

――コロナに関しては自然現象としての疾病ですから科学的な研究と正しい対策さえ実施すれば必ず成果があがりますよね。人間だけは自然法則に従わない妄想でも生きることのできる存在ですからやっかいです。でも、必ず対策はある、と信じたいです。(野口)

 

=「強権国家」と「村八分」考=

アフガニスタンは何と呼んだらいいのだろうか。軍事国家だろうか、宗教国家なのだろうか、あるいは独裁国家と言うべきなのだろうか。どれをとってもしっくりこない。強いて言えば、それぞれの要素を加味した「強権国家」と呼ぶのが相応しいのかも知れない。そんな強面(こわもて)の国家をどうしたら国際社会に復帰させることができるだろうか。外部とのつながりも少なく、他から孤立したような存在だけに難しい問いかけだ。しかし、塗炭の苦しみにあえぐ国民のことを考えれば、国際社会は見捨てるわけにはいかない。何らかの形で手を差し伸べなければならない。国家の締め付けで、国民は声を上げようにも上げられない状態にある。また上げたところでその声は外になかなか届かない。我々は、断片的に伝わってくるニュースをつなぎ合わせて全体像を推し量るしかない。そう考えると、「アフガンニュースレター」は、暗闇を照らす 灯(あかり)の役割を担う貴重な存在と言える。

日本には江戸時に「村八分」という制度があった。村の共同決定に従わなかったり、共同労働を拒否したり、犯罪行為を働くなど村の秩序を乱した場合、村民から付き合いのほとんど(八分)を断たれる制裁を受けた。ただ、例外として「火事」と「葬儀」の二分だけは残された。火事は延焼して村全体に被害をもたらし、葬儀は死体を放置すれば疫病の伝染が広がる原因にもなったため、この時だけは村全体で手を貸した。アフガンは今、その村八分に似た制裁を世界から受けている。アフガンにとって「火事」と「葬儀」に当たる「二分」とは何か。それは「人権」と「教育」だ。国民に対する「人権の尊重」と子供、特に女性に対する「教育の付与」がそれに当たる。これは、アフガンが今後、国際社会で自立して生きていく上で欠かせない条件だ。しかし、イスラム教の教えを厳格に守るタリバンにそれを期待することは難しい。もし、国際社会までもが内政問題だからといって目をつぶるようなことになれば、アフガンの「自立」は「絵に描いた餅」に終わってしまう。
タリバンがどうしてもこの問題に熱心になれない理由が一つある。それは人権を尊重すればするほど、国民への重しがきかなくなり、政権の立場が危うくなると考えているからだ。そうであればなおさらのこと、国際社会はタリバンに対するメリットを提案する必要がある。例えば、政権が前向きな姿勢を示した時は、制裁の枠を少しずつ外し、国際社会の一員として処遇する枠組みをつくる。そして次に、国民の声を抑えるだけでなく、すくい上げるための効率的な仕組みを考える。こうした取り組みは、タリバンの「自覚」を促し、「国家統治」への自信につ ながる効果がある。同じイスラム教国家でも、インドネシアやトルコなどの比較的自由度の高い国も参考になる。事情は異なるとは言え、より開かれた社会へ向けた目標にはなり得る。考えが甘いと言われようが、目標を立てないことには物事は前に進まない。「千里の道も一歩から」と言うことわざもある。それを信じて歩を進めて行くしかないのではないかと考えた次第である。(中楯健二さん、2022年6月9日)

――示唆に富むご指摘、ありがとうございます。ネガティブにとらえられがちな「村八分」の考え方システムには、たしかに、コミュニティを成立・存続させる知恵がありますね。国連が安保理国家の拒否権(米英仏もふくめ)によって機能不全に陥る現実をまえに、何とかせねばという切迫感が世界に生まれてきています。ここで一言、「知恵なくば滅ぶ」(野口)

 

=人類人の声=

エスペラント語の発案者であるザメンホフの「人類人」と「人類人主義」について大類さんから教えて頂きました。私はそれまで「地球人」という言葉を使い、ペンネームとして使ったりしていたのですが、「人類人」の方が良いと最近は思っております。
(注:鶴亀さんと大類さんのやり取りについては、本サイト「トピックス」欄 満州に日本人開拓民の遺骨を祀る周恩来首相と中国人の好意で作られた「中日友好園林」をご参照ください。)

私は『致知』という月刊誌を読んでいるのですが、その6月号に薩摩焼宗家の第15代沈壽官の「四百二十年の思いを伝承して生きる」という記事がありました。その中に彼が司馬遼太郎さんから貰った手紙の話がありました。その司馬さんの言葉が「人類人」を思い出させました。

日本の文化の中で育った状況と体に流れる朝鮮人の血の間で葛藤した若き沈壽官さんに司馬さんは「民族とは瑣末なものです。文化の共有個体でしかなく、種族ではありません」「小生は年少の頃より、心掛けて自らを一個の人類に仕上げてきたつもりです」と伝えたそうです。

更に「いまの日本人に必要なのはトランスネーション(造語)です」との言葉があったそうです。日本人の枠だけに留まらず、人類人として生きる重要さを司馬さんも感じていらっしゃったのかなと思いました。Beyond Nationalism Into Humanismが大切なのですね。

(鶴亀彰さん 2022年5月30日)

――昔、246コミュニティを始めた時に鶴亀さんに「カルフォルニアの風」を連載してもらったことを思い出します。当時、もうかなり大きな風にはなっていたのですが、GAFA+Mと騒がれたり、イーロン・マスク氏の2000個の衛星がウクライナ軍を助けたり、それとネットでつながったドローンが飛び回ったり、する時代になるとは! 喜んでいいんだか、悲しむべきなのか、悩みは深いです。でも、人類人の視点から、国境や領土や偏狭な民族主義や損得勘定の利権争いやをなくする思想が技術と結びついて、争いを少しでも減らす社会創造に貢献できれば、とも考えます。いずれにせよ、今度は”Web-Afghan”に、「人類人の風」を吹かせていただけると嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします。(野口)

 

= トルコに集まったアフガン政治家たちは賞味期限切れ =

トルコに集まったこれらの指導者たちは、賞味期限切れの政治家であり、アフガニスタン人は二度と彼らを信用しないでしょう。彼らは現職の時には国を守るための手段や道具をすべて持っていましたし、亡命している今、前向きな変化をもたらすことができるとは思えません。
だから、私は彼らに何の希望も抱きません。彼ら自身が建設的な役割を果たせないだけでなく、若い世代が指導者の役割を引き継ぐのを妨げているのです。彼らは過去20年間、政治的な影響力を利用して私財を蓄えることに夢中になっていました。アフガニスタンの唯一の希望は、第一に新しい世代に指導者の役割を引き継ぐ機会を与えること、第二にタリバンに対抗する世俗的な戦線を確立することです。しかし、残念ながら野党もイスラム的な感情にまみれており、真の解放への道はイスラムのカードを持った外国人プレーヤーに影響されやすいものに脱線しています。このすべての核心は、民族問題が権力闘争に浸透していることであり、大量虐殺を防ぐために真剣に取り組まなければならないことです。残念ながら、現在の亡命指導者たちにとって、アフガニスタンの政治の中核をなす民族問題は、手遅れになるまで、数十年にわたり優先されることはなかったのです。(一若手アフガン人、2022年5月29日)

――「野党もイスラム的な感情にまみれており」という点が厳しくかつ難しい課題ですね。でも、女性の解放を抑えていたサウジアラビアでさえ解放が進んでいます。40年前、5~60年前にはアフガニスタンはイスラム圏での女性解放ではトップランナーのひとりでした。さらにアメリカ占領中の20年間に都市部では自由の経験をしています。力だけでは抑えきれないと思います。若い世代に期待します。頑張ってください。(野口)

 

=的確な情報で穴を埋めてほしい=

『ウエッブ・アフガン』の記事を拝読しました、朝日ジャーナルを読んでるような錯覚を覚えました。
それにしても、アフガニスタンの新政権はタリバンとなるのでしょうか。アフガニスタンでは、相変わらず IS が自爆テロを行いタリバンは女性教育や女性の人権を剥奪する行動をエスカレートさせています。マララさんの努力は無に帰そうとしています。そのタリバンに中国は食糧支援を始めています。
国際社会はタリバンを認めないと言っているが、所詮他人事ですし政治家は任期が来れば交代です。タリバンが政権を掌握する可能性もあります。中央アジアに巨大テロ国家が誕生するかも知れない。
日本の外交はアメリカの手先みたいな動きで情けないと思います。バイデン政権はアフガニスタンに手が回らないから、日本も動きようがない。NGOも動けないでしょう。中村医師の意思はつながっているのでしょうか。
私には共感疲労はありませんが、分からないことが多すぎます。的確な情報で穴を埋めていただきたい。期待しています。(B.Sさん、2022年5月18日)

――「朝日ジャーナルを読んでるような錯覚」はお褒めなのでしょうか皮肉なのでしょうか(笑)
でも、少しでも議論の口火にはなっているようで嬉しいです。日本はなまぬるくても生きていけるので、アフガニスタンを見ながら自己鍛錬します。今後ともよろしくご支援ください。(野口)

 

= ヨーロッパの知性を信じたい =

最近、米国の映画監督のオリバーストーンが2015-2017年にロシアのプーチンにインタビューした番組をAmazonプライムで観ました。4時間番組でしたが、なかなか内容が濃い番組です。
プーチンは、米国大統領の四世代と付き合っていますが、米国大統領は見劣りします。
フランスの人口学者のエマヌエルトッドがTV番組で最近コメントしていましたが、ロシア軍隊は、予想以上に弱く、ロシア経済は予想以上に強くなった。プーチンの功績です。
ロシアの国防費は、米国の1/10ですからね。従って、プーチンに落とし所を提案できないとこの戦争は、長引きます。
米国は、儲かっているので頼りになりません。元々頼りにならない国です。
ヨーロッパの知性を信じたいね。ロシアは、ナポレオンもナチスも滅ぼせなかった国です。ロシアを滅ぼすなんて正気の沙汰ではありません。
奴隷Slaveは、スラブ民族を奴隷にする事を意味しています。奴隷は、黒人だけではありません。アングロ・サクソンの数々残虐な歴史をもっと勉強すべきです。(F.K.さん、2020年5月17日)

――オリバーストーンの「アメリカ史」全10回、すべて録画してDVD保存しました。アメリカの光と影をきちんと描いてとても勉強になりました。プーチンとの対話も知ってはいましたが、まだ観ていません。Amazonで早速観ます。ありがとうございました。(野口)

 

= 共感疲労の方々におすすめ =

共感疲労の方々は、Fact Fullnessを読まれる事をお薦めします。
世の中は、着実に良くなっています。そんなデータは、国連の公表データ等を集めれば、解ってくるというのをFact Fullnessは教えてくれます。
核戦争が始まったら、人類は終わりですから、それは、何としてでも阻止しないとダメですが。(F.K.さん、2020年5月17日)

――良い悪いの価値判断は主観的なものですが、衣食住にかかわる客観的事実は人類史の発展ベクトルで推し量れますよね。問題は、地球規模での格差があまりにも開きすぎている、という点にあると思います。その意味で、私にとってはアフガニスタンが比較基準となりました。現実をみると絶望的ですが変革目標は明確(Fact Fullness)ですから、やるべきこともはっきりしています。日本はやるべきことを見失ってうろうろしていることがよく分かります。(野口)

 

=何度も転べば精神的にも成長するはず=

(「共感疲労」について)共感によりこれほど鬱になるのは優れて日本的現象ではないでしょうか。中国も同じかもしれませんが、少子化で親が子供を過剰保護しており、これが子供の精神を弱くしているような気がしてなりません。今は精神的に弱いことが正しいというような世間の論調があるような気がして心配です。男は大いに泣けと云うのは恐らく米国では通じないでしょう。政治家が泣く姿を見せれば弱い人(男女を含めて)と見なされます。日本は男は泣くなと云われて育った旧世代がいたので先進的(?)な知識人やマスコミが寄って集って男は泣いて良いのだと囃し立てました。どうも納得がいきません。同様に女が泣くのは当たり前というのもどうなんでしょう。
最近の日本人は精神的に弱くなっているように思います。我慢しなくていい人はハッピーですが、我慢しないのが当たり前というのもどうかと思います。前にも云ったと思いますが、「転ばぬ前の杖をつくのは止めました」、転べばいいのです。何度も転べば精神的にも成長するはずです。精神的に強くなる訓練が忘れられているのではないでしょうか。
難民については、まだ戦争が始まって2カ月程度です。ウクライナ難民についてはEUも体力的にも受け入れられていると云うことでしょう。これが長期化すれば早晩中東からの難民との差は縮まるのではないでしょうか。EUも当初は人手不足から移民を積極的に受け入れていました。しかし、多過ぎて国内の治安に影響が出始めた辺りから難民に対する評価は暴落しました。東欧からの移民に対する忌避感も英国をEU離脱に追いやった根拠になったはずです。ウクライナ難民も今は良いというにすぎないのではないでしょうか。それ程甘くはないと思いますよ。(松本康男さん、2020年5月17日)

――人間進歩のメルクマールがリスク(何をリスクと思うかが問題)の解消ないし軽減と思われているところに基本的問題が潜んでいるのでは? 先進国病ではないでしょうか。生存をある程度解決した発展途上では、「便利・楽」などが指標でそのあとは「利」だったのでしょうが、「リスクゼロ」は発展・成長の行き止まりのような気がします。
男女問題もいくら平等をめざしても究極的な違いは残ると思うのですが、技術の力で性差をなくすんですかね。
難民問題も松本さんご指摘の論点は盲点と思います。『ウエッブ・アフガン』で取り上げた「声なき叫び」は多文化共生先進国のノルウェーで「多文化共生」の建前があらたな差別を生んでいく現実を解剖しています。難しいものです。(野口)

 

=東経30度より東には民主主義はない?=

歴史、地理そして現代について様々な意見がありますが、私は東経30度より東にはいわゆる民主主義というものが国民に浸透していないのではないかと思うことがあります。基本はすでに申し上げた「女性の教育」等です。
東の日本、韓国などが例外としてあげられますが、本当にそうなのでしょうか。まだ50年以上がかかるのではないかと思います。50年前、私が30歳になったときです。あまり変化はありません。「血を流さず」に変化してゆくには、あと2世代は必要なのかな、と思います。長くなりますのでこの辺で。(匿名さん、2022年5月17日)

――東経30度というとちょうどキエフ(いまはキーフ)あたりですね。調べたら30度30分でした。南下するとイスタンブールあたりが29度でした。なるほどなーと感心しました。
去年『ウエッブ・アフガン』を始めてアメリカの生の声に(断片ですが)触れる機会が増えました。建前と本音が国全体で激しくぶつかり合って動いているダイナミズムの凄さを実感(これもほんの部分ですが)しました。民主主義とは時間と金と精神力をなんと必要(浪費か?)とするものなのかと感じ入りました。英米の二枚舌とよく言われますが、民主主義でもあるんじゃないかと今思い至りました。ありがとうございました。(野口)

 

= 「同情」と「自分の立場」は別のこと 

お早うございます。ニュースレター有難うございます。
野口さんが言われるように、確かに世界中から耳を塞ぎたくなるようなニュースが毎日のように入ってきます。今は、ネットでもテレビでも速報されますからたまりません。否応なしですから、「共感疲労」に堕ちるのも当然かも知れません。ときには全て遮断して気分をリセットしたくなりますが、それもできません。それが、我々現代人の「性」と言えるのでしょう。
「同情」すれど「共感」しないということが出来れば、落ち込まないで済みますが、そんな器用なこともできません。どうしても自分のこととして考えざるをえなくなるのが人間の良心というものです。先日、ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会で演説したことがありますが、その演説の後で山東昭子参院議長が「命を顧みず祖国のために戦う勇気に感動した」と述べて批判されました。なぜ批判されたのかが分からない人も多かったと思いますが、平和憲法を持つ国の代表としてはそのような情緒的な発言をするべきではなかったのです。コメントするなら、「ロシアのウクライナ侵攻は我々の憲法に即しても決して許されるものではない。断固として反対するとともに、ウクライナの側に立って支援していく」と言うべきだったのです。「同情」と「自分の立場」は別のことです。その兼ね合いは難しいと言えます。
イーロン・マスク氏の「日本は消える」といった趣旨の発言が新聞に出ていましたが、それはまんざら当たっていないわけではありません。生まれる人より死ぬ人の方が今のペースで増えて行けば、200~300年後には地球上から日本人がいなくなることはあり得ます。世界の人口が増え続けている現状を考えれば、減る国があってもいいと言えますが、自分の国がそうなってほしくないと考えるのが人情です。「建前」と「本音」はとかく衝突します。なかなか一致することはありません。「矛盾」した考えは、ダブルスタンダードを多く持つ日本の宿命といえるのかも知れません。(中楯健二さん、2022年5月17日)

――お早うございます。早速のご意見、ありがとうございます。
山東議長のみならず、プーチンを「戦争犯罪者、その地位にいることは許されない」と指弾したバイデンや「ロシアを弱体化させる」とのオースチン国防相の発言も本音がポロリだったのでしょうね。政治家としてはミスったのでしょうが敵失のほうがはるかに大きいですね、今回は。(野口)

 

=三界は火宅だ=

「和国」日本国民の安心と日本国の安全を堅持する見識を持ちつつ、今後の世界の安定要因をなすべきユーラシア・東アジア諸国民の平和を願っています。
有史以来の混迷の世界状況です。「コラム・世界が燃えている!三界は火宅だ」をお送りします。(村石恵照さん 2022年5月5日)

――「有史以来」とは、「混迷とは人間のサガ」、「火宅を楽しめ」、ということでしょうか? 「コラム・世界が燃えている!三界は火宅だ」はここをクリックすれば読めます。(野口)

 

=ユーラシア、多様性に敬意し民族の共生を!=

加藤九祚先生生誕100年を5月18日に控え、大野遼は、かすみがうら市牛渡1796-1に「加藤九祚記念ユーラシア共生センター」「加藤九祚先生顕彰記念碑」を建立するプロジェクトを推進し、「タジキスタン共和国と日本の国交30周年」を記念して日本語版が発火された「秘められたシルクロード タジク・ソグドの黄金遺宝 ソグド人パミールから奈良へ」を記念碑に奉納することにしました。

加藤先生から大野が継承した薫陶は、多様性に敬意、民族の共生でした。これまで北方ユーラシア学会、ユーラシアンクラブを創設して体験した40年の活動を踏まえて、人がいかに自分中心でものを考えるものかと痛切に感じることとなりました。
少なくともユーラシアンクラブは、国家民族宗教を超えて、人と文化に関心を示し、敬意を表し、協力することが目的でした。しかし、これまで中央アジアでもロシアでも、他者に関心を示し、敬意を払い、協力するという考えや言葉、活動がいかに広がりにくいかということを体験しました。今回のウクライナでも、イラクでも、リビアでもそしてベトナムでも、挑発し、戦争を引き起こす戦争ビジネスが一番の「共生」を妨げる原因になっていることがますます明らかになっています。このままでは人類に未来はないでしょう。大野は民族主義や愛国主義に敬意を表するものですが、行き過ぎたナショナリズムは、これまで戦争ビジネスを仕掛ける人の挑発を避けることができませんでした。

「真珠湾」が、コミンテルンと結託したルーズベルト一派の挑発に、軍部が乗った結果で、西郷、勝、頭山らの大アジア主義をはき違え、起きたと大野は考えていますが、この時代に自分たちの国家民族宗教的ナショナリズムの境を超えて、多様性に敬意を表し、共生を願う潮流が生まれなくては大変なことになると信じます。ユーラシアンクラブが、単なるナショナリズムを満足させる活動にとどまっていることを心から反省しています。「昔があるから今がある」ということを改めて強く考えながら、ユーラシアンクラブを改革したい。「つなぐ人」加藤九祚先生の志をどう生かせるか、今回の記念碑建立プロジェクトを通して、皆さんと考ええていきたいと思います。

かすみがうら市は、旧常陸国の国府の近くに位置し、コスモポリタンソグド人安如宝が仏教の研修担当として勤務した下野国分寺からも50キロ。ソグド人は、太陽信仰の山パミールから、東へ東へと移動し、揚州から東シナ海を超えて、奈良にわたりそして常陸国まで至りました。常陸国は、文字通りパミールと同じ「日出国」です。ソグド人安如宝の足跡は霞ヶ浦にも残したと考えています。大きなアジア史を体感できる拠点としての活動をここで模索したい。皆様の感想をお聞きしたい。どうぞおいでください。

(大野遼さん、2020年5月1日)

――豪華本『秘められたシルクロード タジクの黄金遺宝』が届きました。完成、おめでとうございます。ずしりと重くカラフルで存在感のある出来栄えに接し、大野さんのご苦労をメールなどで眺めるだけの協力しかできませんでしたが、当事者のような喜びを感じながらページを紐解いております。この出版に引き続き、加藤九祚先生の顕彰記念碑の建立やユーラシア共生センターの設立など、重要事業を実施されています。当『ウエッブ・アフガン』でも、大野さんの事業の推進状況を随時報告していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。(野口)

 

=関東軍が悪者に?(笑)=

アフガンニュース25号ありがとうございます。
アフガンとウクライナの対比、理屈でなく宗教、肌の色、その他考えさせられますね。
先週、ミュージカル李香蘭見てきましたが、今までより関東軍が悪者に見えました。(笑い)
(I.Yさん、2020年4月26日)

――李香蘭、懐かしい名前です。パレスチナ友好議員連盟の事務局長をされていた山口淑子さんです。たしか、アラファトPLO議長の1989年の来日のときホステス役でレセプションを主宰されました。その他大勢のひとりとして招かれてご挨拶したことがあります。そのさい感じたオーラを思い出しました。今や悪名高くなったかのレーニンが主著『帝国主義論』のなかで、「帝国主義は進出先の経済を発展させる」と評価していることを日本の「左翼」の方がたはお忘れじゃないですかね。満州国も好個の例ではないでしょうか。李香蘭も親日(日本から見て)と売国奴(中国から見て)の二つの役割を演じ、恥と悔恨を抱えながら抑圧された人びとのために尽くされました。その半生(反省)に敬意を表します。(野口)

 

= 決してアフガンは忘れられていません 

お早うございます。
世の中(ウクライナ戦争でアフガン報道の減少)はそうゆうものではないでしょうか。佐々木投手が完全試合をし、鈴木誠也が活躍すれば、大谷翔平の影も一時的に薄くなります。だからといって大谷への関心が減ったわけではありません。
アフガニスタンもソ連が侵攻した当時は、連日トップニュースだったはずです。アフガン、ウクライナ、シリアの問題で共通しているのは難民問題です。世界の心ある人達はこの問題に心を痛めているはずです。今、報道がウクライナに集中していることで、世界の目が集まっているに過ぎません。問題の深刻さは共通しています。決してアフガンが忘れられたわけではありません。
ニューズレター有難うございます。(中楯健二さん、2022年4月25日)

――いつも素早く適切なご意見、ありがとうございます。
確かに、ニュースの量が減ったからと言ってアフガン問題の重要性が下がったわ
けではないので、粘り強くウォッチしていきたいと思います。
今後ともご意見よろしくお願いします。(野口)

 

=「こころ」と「からだ」の相関について真剣に考え,向き合いました=

いつも貴重なレターをお送りいただきまして,誠にありがとうございます.
レターを拝読しながら,ため息が出たり,ポジティブな気持ちになったりしておりました.
中々返信できる余裕がなく失念しておりましたことをお許しくださいませ.
さて,お陰様で心身健康科学において論文「チャクラを意識した発声が心身に及ぼす効果の検証」で修士号取得いたしました.今後も,音楽と心身健康科学と文化の融合を念頭に置きながら,研究を進めてまいりたいと考えておりますので,ご指導のほど宜しくお願い申し上げます.この2年間は短い期間ではありましたが,Covid-19禍であったからこそ,ヒトと微生物・ウイルスとの共生についてやDNA抽出実験からPCR検査を知ることができ,「こころ」と「からだ」の相関について真剣に考え,向き合うことができました.

さて,昨日,お台場の日本科学未来館へ行ってまいりました.
毛利衛さんが館長の時から気になりつつも行く機会がなく,初めてでしたが素晴らしいかったです.
昨年から,全盲の浅川智恵子様が館長に就任されているのには驚かされました.
今,常設展示ゾーンが熱いです!
お子様だけでなく,大人も大いに学べ感動・感激する内容でした.

例えば,【今から50年後の子孫からの手紙】にはドッキリしました.
先祖の私から「誰もが健康でいられる地球ですか」と手紙を出せば,子孫から「2038年までしか持続できませんでした.私たちの時代までは届かず,多くの人が病気で苦しみ,治すにもお金がかかるので怯えながら毎日を過ごしています」と.また,「芸術文化に満ち溢れた地球ですか」と手紙を出すと,
「2032年に伝統文化は完全に消滅!芸術文化の創成に失敗しました.2042年には文化遺産が消滅しているのに,それなのに皆,無関心です.
私たちの時代,昔あった文化遺産はすでにほとんど破壊されなくなり,新しい芸術作品を作ろうとする人も現れません」.

アフガニスタンの世界の貴重な文化遺産・バーミヤン大仏を破壊された壁画を「クローン文化財」として復元した宮廻正明芸大教授は,
「芸術と科学が融合してイノベーションにいかして,ただ残すだけでなくオリジナルを超える感動を生み出し,先端技術と芸術家の能力を結びつけ,1+1=3以上に」
のメッセージが書かれていました.

「これからの健康のあり方」や「芸術文化」について,どのようにお考えになりますか.また,お目にかかってお話しできる日を楽しみにしております.

(松木貴子マリアさん 2022年4月24日)

――修士論文の完成と修士号取得、おめでとうございます。ますます「音楽と心身健康科学と文化の融合」に拍車がかかりますね。頑張ってください。日本科学未来館の館長に全盲の方が就任されていたとは知りませんでした。わたしも知り合いの全盲の先輩といろいろと話す機会があるのですが、目が見えているとかえって見えないことが多いと痛感させられることがあります。50年後の子孫の目を想像して今の「眼前」を見れば多くの発見がありそうです。情報、ありがとうございました。(野口)

※ 松本貴子マリアさんは研究者であるだけでなく、声楽家です。来る5月7日・8日に妙高高原の大自然の中で「 こころ 」 と「 からだ 」 を 健やかにする合宿セミナーを開催されます。まだ参加申し込みできるそうです。案内と参加申し込みのpdfファイルはここをクリックしてご覧ください。

 

=バカは相手にせず、国民を信じる=

ガルージン駐日ロシア大使の発言は「馬鹿に付ける薬はない」に違いありませんが、彼を相手にしても仕方ありません。彼はロシア政権の端くれですから、プーチンの意図に反する発言はできません。そんな彼の発言にいら立っても無意味です。ロシア政権に論理は通じません。彼らを従わせるには戦争に勝つほかありません。そうなればガルージン氏も強弁は出来なくなります。その後で彼が言うことは決まっています。「自分の発言は、ロシアの代表としてプーチンの考えを代弁したもので、自分の本心ではなかった」と自己弁護をするでしょう。彼らを相手にするより、政権の背後にいる国民をいかに説得するかを考えた方がましです。でも、80%以上の国民がプーチンを支持している現状ではなかなか難しいですね。
言論統制下で洗脳状態にある人間の脳を正常に戻すのは並大抵のことではでありません。彼らを考えさせるには、二つの方法しかありません。一つは制裁による「兵糧攻め」と、もう一つは「真実情報の伝達」です。私はシステムのことはよく分りませんが、今の言論統制の壁を越えて、国民に直接真実の情報を流すことはできないのでしょうか。それができれば、耳を傾け
る人も出てくると思うのですが、いかがでしょうか。前に書いたことのあるベラルーシの「スベトラーナ・アレクシェービッチ」さんが、ロシア国民を敵と考えてはいけないと言っていましたが、それは正しいと思います。国民の高い支持率は、真実を知らされてないことによるものだと信じたいものですね。プーチンが採っている政策は、論語で言う「民は由らしむべし、知らしむべからず」だと伝えたいものですね。(中楯健二さん 2022年8月25日)

――そのとおりですね。どこかの国の教育省の事務方トップで違法行為の咎で詰め腹を切らされた官僚がいました。彼は退職後講演会で善人面して在職中の座右の銘は「面従腹背」だったとぬけぬけとしゃべっています。子供たちにどの面さげれば、そんなことがいえるんでしょうか。ガルージンも同じですね。一方、命令されて悪事に手を染め悩んだあげく手記を残して自死した公務員もいます。不条理を感じます。また、アレクシェービッチさんの指摘も信じたいですが、目と耳をふさがれ脳を支配され隣組で監視されがんじがらめにされた戦前の日本国民のことを考えると、似たような境遇に押し込まれているロシア国民に果たして通じるか、と暗澹たる気持ちになります。でも、いまはインターネットがあります。そこに一縷の望みをかけたいと思います。(野口)

 

=英語に”Arm’s Length”という言葉=

「戦争が天気予報」のように報道されるとはうまい表現ですね。その通りだと思います。
野外イベントを企画している業者が天気を気にするように、毎日のウクライナの戦況は我々の気持ちをやきもきさせます。言われる通り、人間は同じ事を遠い昔から繰り返しています。全く愚かなことだと思います。動物は同じ種で喧嘩をしても相手を殺すことはありません。片方が負けを認めて逃げだせばそれでおしまいです。人間も素手で喧嘩をすればいいのにと思うことがあります。しかし、人間は武器という殺人道具を手に入れてしまいました。それが不幸のもとと言えます。
もう一つの不幸は、人間が増え続けてしまったことです。英語に”Arm’s Length”という言葉があります。密集しすぎると争いが起きるということです。腕の長さの距離に無断で入り込めば敵とみなすという習性が動物にはあります。地球は70億もの人間が住んでいます。そこで、戦争を起こさせて、人間を少し減らすという神の摂理が働いていいるのかなと勘繰りたくもなります。愚かな戦争を繰り返す人間の行動はそれでしか説明できない気がします。アフガンはアフガンです。これからもどうぞ発信続けてください。(中楯健二さん 2022年4月12日)

――アームズ・レングスとはコロナで言えばソーシャル・ディスタンスのことですね。飛び道具が極端に発達してしまったので、「アームズ(武器)レングス」が地球一回りよりも長くなってしまったようです。21世紀にもなって何百年も前の国境(くにざかい)のいざこざを持ち出してくる頭の為政者をもってしまった民衆の悲しみを共有します(野口)

 

=ウクライナの国民と国土の安全回復を!=

ウクライナ紛争はロシアの侵略に間違いないが、現実のウクライナ国民の死傷者・避難民の増加の現実を見ると、専制色の強いウクライナ大統領の国民にたいする人権無視の政治的責任が加重されてきたと言える。
権威政治のロ首脳陣は自壊する以外には、旧ソ連域復活までは侵略を止めないと言える。歴史的にも旧ナチ陣営のように首脳陣の歴史事実が証明している。共産主義の理想と乖離した初期のソ・中・北鮮の政治理念でなく権威主義と、専制独裁主義であるのだとして対処すべきだ。その色彩は旧共産系の各国ともに日々に強まっている。
ウクライナ大統領は、わが国終戦処理のように人権保護のための名誉ある全面降伏をして自国民と国土の経済的安全と食料(穀物等)生産を守るべき政策を勉強しておくべきだったと言える。
この事態が解消した後はロ・ウ首脳は次期政権に交代して初期の共産主義国家の政治理念をもって専制国家の解消につくすべきだ。そして現国連は廃止して拒否権のない国連組織を新設すべきだ。
「スターリン・ソ連からプーチン・ロシアの戦争政策」の歴史学ブレーンは現実社会に生かす努力をすべきであった。
スターリンは第2次大戦終了直前に日本に参戦して北方占領して非人道的なシベリア抑留の歴史的な汚点を記録しています。今の不法かつ非人道なウクライナ侵略も共産主義・人間平等理念からは、政治・人道論から理解できない独裁策です。
日本はシベリア抑留の賠償論を北朝鮮拉致問題と同じくらい強く要求すべきでした。(東山春紀さん(85歳無職)2022年4月12日)

――プーチンの行為は人類進歩に資する理念はまったくなく、ナショナリズム・帝国主義にもとづく武力侵略であり力による国境の変更です。その一点で許されざる行為であり、そこを曖昧にしてロシアの論理を忖度したりウクライナの対応を問題視したりすると本質を見失うと思います。日本人としては今回の事件を他山の石とするとともに、現代世界の課題が何かをしっかりみつめて行動することが大事なのではないでしょうか。(野口)

 

= 力なき者たちの力 

いつも有難うございます。
ところで、ウ゛アーツラフ・ハヴエル著の「力なき者たちの力」を読みました。彼はチェコのプラハの春でビロード革命【無血クーデター】を指揮した人です。
彼は戯曲歌詩人でしたが、アレクシェービッチ女史と同じ哲学を持っていると感じました。「責任ある行動をすべき」との指摘があったのでネットでウクライナマスクを購入し、外出時は毎日着用しています。ささやかな意思表示です。(INさん、2022年4月6日)

――「ささやかな意思表示」「力なき者たちの力」「声なき者の声」。いい言葉ですね。わたしも1人の民衆として、ほそぼそでも声を上げ続けていこうと思います。(野口)

 

=プーチンを罠にはめて米は大丈夫?=

「和国」日本国民の安心と日本の安全の永続的確保を堅持し、今後の世界の安定要因をなすべきユーラシア・東アジア諸国民の平和を願いつつ、一水四見(多面的視点)の立場からの参考情報。
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パキスタンとスリランカで内政不穏の動きがありますが、とりあえずウクライナ問題:
1。【伊藤貫の真剣な雑談】第5回「米露関係破綻の原因は何か?」(「チャンネル桜」一定の癖のあるサイトですが、講師と内容自体を評価)
伊藤貫(米ワシントンに30年以上在住国際政治アナリスト)
=国際政治専門家たちのシンポジウムや月並みな時事解説者たちとは一線を画す明快な解説。
80分。しかし最初の20分でも視聴の価値あり。(以上、私見)
今回のウクライナ問題は、2014年、ヌーランド(オバマ政権)の策謀からすでに開始されていた。
ミアシャイマーら米人識者の見方、イスラエルーウクライナーロシアー米国をつなぐ緊密な(ユダヤ系)金融連携の実態、歴代米大統領の金色夜叉ぶり、ロシアの伝統的政情、ロシアのユーゴ化を必死に防ごうとしているプーチン、中国・米国・ロシアの比較政体論、ウクライナ永世中立国案、プーチンとキッシンジャーの興味あるエピソード(53分ごろ)、堕落したクリントン政権への批判、今回のウクライナ紛争で漁夫の利を得るのは中国とユダヤ人、同情されるべきウクライナの一般市民、よく言ってアメリカの召使い、厳しく言えばアメリカの奴隷のような情けない日本政府の見識、などなどを開陳。
80分の楽しい、かつ系統的な現代アメリカ政治論の講義。
2。「プーチンを煽りウクライナ侵攻させた“真犯人”は誰か?炙り出された悪魔の構図」、他、和文情報1点、英文情報2点。
3。ウクライナ問題の淵源を探るーー2014年から始まる・ウクライナ+反トランプ米民主党連携、ヌーランドの動き、などなどの詳細な情報。
Ukrainian-Democratic coordination traces back to 2014, when then-Obama Vice President Joe Biden helped install Petro Poroshenko in Kiev. Then came collusion against Trump.(村石恵照さん 2022年4月6日)

――貴重な情報、ありがとうございました。早速、伊藤貫氏の講演ビデオ拝聴しました。結論は「あれっ」と肩透かしされました(本心は後で、っということですかね)が、話の中身は知らないことが多く8割以上賛同しました。とくに面白かったのは、プーチンを罠にはめるアメリカの8年以上におよぶ工作の具体的暴露でした。私もアメリカの主敵は中国だと思っているのですが、プーチンを罠にはめたは良いけれど、「中国+属国ロシア」体制を生み出してしまったら、衰退化しつつあるアメリカは対処できるんでしょうか。困ったもんです。(野口)

 

= スターリン・ソ連からプーチン・ロシアの戦争政策 

スターリンは第2次大戦終了直前に日本に参戦し北方占領して非人道的なシベリア抑留の歴史的な汚点を記録しています。今の不法かつ非人道なウクライナ侵略も共産主義・人間平等理念からは、政治・人道論から理解できない独裁策です。
日本はシベリア抑留の賠償論を北朝鮮拉致問題の同じくらい強く要求すべきでした。(H.Hさん、2022年4月5日)

――日本の外交は「負ければ賊軍」。ひたすら米ソの「勝った官軍」の言いなりで独自の論理構築をしないでやってきました。そのつけが一身に若い人たちに押し付けられそうです。棺桶に足を突っ込んでいるわれら高齢者の責任は大きいといえます。(野口)

 

=足元の自分の行動を問い直す鋭い指摘=

4/2夜のETV特集の案内は約100名の友人に拡散しました。
ノーベル文学賞作家のアレクシェービッチ氏は人は3階層に分けられる
1.は戦争止めることに高い関心を持ち行動しようとする人
3.はこれに反対する人
2.はどちらでもないグレーゾーン
とした上で、
「無関心・無行動のグレイゾーンが広がれば戦争を止める未来はない」と全世界の人に対して宣言しました。これは足元の自分の行動を問い直す鋭い指摘であるとハットさせられました。
同時に日本人への警鐘でもあり、特に若者層にこの傾向が強いという危機感を抱きました。
ETV特集案内の友人からのレスポンスは10件ほどありましたが若い人からの反応は0でした。
では私たちができることは何かですが、私はウクライナおよびモルドバ大使館への寄付をしました。外務省のページに振込先が記載されています。
寄付については詐欺サイトも多いので、注意が必要です。(K.Iさん 2022年4月5日)

――素早い行動、さすがですね。私は忘れてはならないアフガニスタン(RAWA)の方に寄付しました。それぞれができる範囲で行動を起こすことが求められています。アレクシェービッチさんの3階層の実態は、僕が学生のときにも体験しました。仲間内だけでなく、迷っている人、反対している人への働きかけがとても大事で、知恵を使わなければいけない、と実感しました。(野口)

 

=実体験をした人の言葉だからこそ、心に響く=

昨日、NHKのテレビ番組〝ETV特集「ウクライナ侵攻が変える世界(2) 私たちは何を目撃しているのか海外の知性に聞く〟を観ました。3人の中でもノーベル賞受賞作家のアレクシェービッチ氏の言葉が私には一番心に響きました。実体験をした人の言葉だからだと思います。ジャック・アタリ氏は、「民主主義国の間ではこれまで戦争は起きていない」と言っていましたが、そうなるとやはり、世界に民主主義国家を増やすことが、戦争抑制のために核武装するより大切なことだと思いました。NHKは3月にもアレクシェービッチ氏とインタビューをしています。それと昨日の放送の内容を纏めてみましたので添付いたします。(中楯健二さん 2022年4月2日)

――早速のまとめ、ありがとうございます。pdfファイルにまとめていただいたアレクシェービッチさんの言葉、わたしも読ませていただき、記憶が定着した思いです。文字の力ですね。(野口)
pdfファイルはここをクリックしてお読みください。

 

アフガニスタンの人びとを忘れないで

この間のウクライナ情勢、本当に心が痛みます。
ロシアは即時撤退するべきだし、この後の保証をきちんとするべきと思っています。
けれど、なぜこういう事態になっていったのか、しっかりと考えないとと思います。
この数日、ウクライナ難民支援に日本政府は手厚い支援方針を出しています。
それは良いことですが、アフガニスタン難民に対してしたこと(しなかった事)と比
べると、この差はどこから来るのかと考えさせられます。
「ロシア悪:アメリカNATO善」という構図があまりにもはっきりと打ち出され、それ
が日本のマスコミもこぞって右に倣えしていることに恐ろしさも感じています。
(桐生佳子さん、RAWAと連帯する会2022.4.1)

――ロシアに比べれば何十倍もの悪を重ねてきた英米。過去を忘れる人間の特性を悪用してここぞとばかり「ロシア悪:アメリカNATO善」で過去の悪を隠そうとしています。反省ができていればよいのですが、そうも見えない。かといって英米独仏などの過去悪は大きいからロシアの明白なる侵略と戦争犯罪が許されるわけではありません。英米ソの無策無責任で歴史的な困難に加えて最もつらい、厳しい境遇を押し付けられても、くじけず勇敢に戦い続けるアフガニスタンの人びと、とくに女性たちの闘いに励まされながら、騙されない視点を守り育てたいと思います。(野口)

 

=アフガンでの失敗を繰り返すな=

(マスコミの世界では)マイダンなんか無かったかのような論調が占めていますね。
米国によりロシアにはウクライナ侵略に引き込まれたと思っていたのですが、バイデンの失言(米国はウクライナに軍を送らない)にあるように思えるようになっています。ロシアは、2014年のクリミア併合後の経済制裁により疲弊し、今をおいて時はないかもというプレッシャーの中で意図せざる侵攻を開始してしまったのかもしれません。このままゆくと、プーチンの失脚どころか、ロシアが分裂してしまう事が懸念されます。残された核、ロシアという箍が外れての騒乱など、激動の時代になってゆく恐れがありますが、米国にはそれを抑える力はありません。
侵略開始後のロシア軍の動向は、お粗末としか言いようがありません。まるで、へぼ将棋。真っ先に要衝を抑えなければならないのに、目についた駒を取って、ウクライナ側に反抗の時間を与えてしまった。いくらロシアが弱体化したとしても解せません。欧米側へのブラウとして配置した軍、どうせ使わないのであれば張りぼてでもよい、虎の子を配備したくないという軍側の思惑があったのかもしれません。意図せざる開戦により慌てた将官が陣頭に立たざるを得なかったことが将官の損失に繋がったのかもしれません。
だが、プーチンの目的がロシア発祥の聖地とされるキエフの奪還にあるのだとすれば、親ロシア地域の解放という開戦名目、ウクライナの中立、非軍事化という名目の達成では収まらないかもしれません。
もっとも、この開戦名目はお題目。NATOへの加盟は、ウクライナの片思いだし、ロシアを攻撃できるほどの兵器も持っていない。2月24日以前の状態に戻っても、名目は達成できたことになる停戦の落としどころ。
停戦も、欧州側と米国では異なるようです。欧州側の本音としては、例えウクライナの一部をロシアに引き渡したとしても停戦に持ち込みたい。米国は、中国への牽制もあり、少なくともプーチンの失脚までゲームを続けたい、力による現状変更に失敗したという印象を残したいという思いがあるように思えます。
ゼレンスキー大統領は、巧妙で欧州を当事者にしてしまった。停戦後には、ウクライナに残された武器、過激派の扱い、破壊されたインフラの復旧などが問題になりそうです。難民も時が経過すれば、受入国への負担が増大し、差別意識に転換するかもしれません。
アフガンでの失敗を繰り返さないためにも大きな課題です。(渡邉惠さん、2022年4月1日)

――冷戦終了、ソ連とヨーロッパ社会主義圏崩壊、ワルシャワ条約解体のヨーロッパの流れを押しとどめ、逆流させることが政治舞台に登場してからのプーチン大統領の一貫した野望なんでしょうね。だとすればもう少し賢くたちまわらないと。攻撃一辺倒の力業では返し技でコロリ。柔道の達人にしてはお粗末な終盤とはいえそうです。(野口)

 

=世界にとって第2次世界大戦後最大の危機=

いつも興味深くアフガンニュースレターを見ています。
ウクライナ 世界にとって第二次大戦後最大の危機状況ですね。
UNHCR、国境なき医師団、ユニセフ等国際機関を通して寄付を送る程度のことしかできませんが推移を見守っていきます。『ウエッブ・アフガン』の活躍を期待、応援しています。(S.Aさん 2022年4月1日)

――激励ありがとうございます。実質的に日本も銃後の立場に立たされた第3次世界戦争の様相です。ウクライナで、またロシア内で闘っている人びとの勝利を祈りたいと思います。(野口)

 

=守る価値を信じて戦っている人びと=

ロシアのウクライナ侵攻は日本人には否応なしに戦争という現実を突き付けましたね。今まで中東でさんざん起きていたのに日本人は殆ど興味を示さなかったような気がします。難民に対する扱いも人種差別そのものでしょう。
それにしてもウクライナの人々に直ぐに降伏しろなどと言う連中がいますが呆れたものです。日本が攻められたら直ぐに無条件降伏して明け渡すのですかね。そう主張したい人はそれが現実になったら直ちに逃げることですね。太平洋を横断できるような大きなヨットでもお買いになったらいかがですかと言いたいですね。こういう発言はウクライナ人に対する侮辱以外の何物でもありません。「ウクライナなど守る価値もない国だ」と思えと言っているのと同じですからね。(Y.Mさん、2022年3月30日)

――まったく同感です。
次の発言を発見したので、『ウエッブ・アフガン』に載せておきました。
今度の事件は人間をテストするリトマス試験紙の役割も果たしていると思います。
https://afghan.caravan.net/studies/
★ 「ウクライナは早く降伏するべき」そうした主張は日本の国益を損ねるトンデモ言説である
「国際法」を守ることは、日本の国益を守ることになる
篠田英朗 2022年3月28日 PRESIDENT online(野口)

読みました。著者の言うことはよく分かりました。しかし、恐らくウクライナは降参すべきだという人の説得材料にはならないような気がします。彼らの発想の原点は市民が死ぬのは悪だ、国家は人の命に替えても守るべき程のものではないという感情的なところにあると思います。むしろ、ウクライナ国民を侮辱する気かという言い方のほうが説得力を持ちそうな気がします。
それにしても日本とはそんなに価値のない国なのですかね。かつて故野坂昭如が同じことを言っていましたが、何を言っているのだと思いましたが、結構そう考えている人がいるのだと思いガッカリしているところです。まあ年寄りですから、戦争になっても前線では何も出来ないかもしれませんが、後方支援なら少しは出来そうな気がします。戦争が起きないことが第1ですが、本当にそれで良いのか考えなければいけないという現実を突き付けられたのですから。(Y.Mさん、2022年3月31日)

――たしか学生時代に一世を風靡した寺山修司の名言に「身捨つるほどの祖国はありや」という言葉があって「国家と自分」について考えましたね。親の世代の戦争体験、高校時代のベトナム戦争、学生運動という流れで人生を送ってきたものとしては、いつもそれを考えてきました。ウクライナ問題というのは否応もなく台湾問題=日本人に自分の国、というものを突き付けますから、本音が出てくるでしょうね。橋下徹やテリー伊藤が「降伏すべし」と最初に唱えたのには驚きました。それが日本での大衆意識、ポピュリズムの現れ方なのでしょうか。いずれにしろ、考えなければ、と思うテーマであることは間違いありません。(野口)

日本人が日本について守るべき国ではないというのは自由ですが、ウクライナ人にお前の国は守る価値がないというのは明らかに侮辱だと思います。
それにしても寺山は日本が攻められたら真っ先に逃げ出すのですかね。
寺山氏の云いたかったことは、日本がもっと守るに値するような国になって欲しいと言うことだったのでしょうが、これからもそれ程変わるとは思えません。そうであれば戦争が始まったら真っ先に逃げるしかないという事になりませんか。今でも中東の状況やウクライナの状況を見ていると、日本に生まれて良かったなと感じます。理想的な国など出来ないでしょうから、少しずつ良くするような努力を続けることが必要だと言うことなのでしょうね。(Y.Mさん、2022年4月1日)

――身を捨てても守るに足る国にしたいものです。(野口)

 

=ソ連を罠にはめる話、まるでスパイ映画=

こんばんは! ニュースレター、ありがとうございます。色々、忙しくしていてNo.21も読んでいない内に No.22が届きました。急ぎNo.21を目を通した次第です。
罠にはまったプーチンとロシアのウクライナ侵攻が始まった時に、野口さんが呟いていらっしゃいましたが、No.21に書かれているブレジンスキー大統領補佐官による8年間の裏工作の話はスパイ映画を観ているようで正直、面白いと言ったら 罪になりそうですが、興味深かったです。不思議なのは、プーチンはKGB出身ですよね? そんなスパイもどきの作戦は当然、推測もするだろうし、自分も計画立案していただろうし、まんまと罠に嵌るプーチンが変に感じました。
それから下の方の記事にモスクワのデパートの写真が載ってましたが、 あのデパートには3年前くらいに行ってます。だから、中の閑散とした風景を見てショックですね。私が行った時はデパートらしい華やかさがありましたよ。 ロシアも美しい国ですのに・・・。
テレビのニュースもワイドショーもほぼウクライナ一色で アフガニスタンの事はまるで無関心ですね。タリバンが政権に復帰した時はもう以前の保守的なタリバンではないとの評判も新聞には書かれてましたのに、今は何も報道されないですね。こういう風に無関心にさせられるのが怖くて。金正恩はミサイルを何度も飛ばしてくるのですね。忘れられるのが何より怖い将軍です。
簡単な感想で失礼いたします。(M.Iさん、2022年3月29日)

――国際的で歴史に残るような大事件も裏で秘密の工作があるんですね。歴史は夜つくられると言いますが、スパイもかなり作ってるようです。人の命を何とも思っていない連中が執務室から人殺しの指令を発しています。ゼレンスキー大統領が信頼されるのは周りが心配しても殺されるのを覚悟で先頭に立って奮闘しているからでしょう。政策が正しいか妥当かはもちろん大事ですが、指導者はその前に問われるものがあるんですね。とにかく庶民感覚としても、誰がなんと言おうと先に手を出したものが悪いんですから、泥棒にも三分の理なんていわずに、ここは必ずウクライナを勝たせないと国際秩序が崩壊してしまいます。祈りましょう。(野口)

 

=『ウエッブ・アフガン』に感謝=

アフガンニュースレター、ありがとうございます。ロシア軍のウクライナ侵攻で、世界の目は一挙にウクライナに向かい、厳しい環境の中で飢餓などありとあらゆる苦難にあえぐアフガニスタンの人々への援助が後回しになっているのではと心配しています。
少し話題は変りますが、二つほど、いや、三つかな、読者の皆さんに報告させて頂きます:
1.方正友好交流の会
ウェッブ・アフガンに掲載された同会の大類会長から依頼され、同会の会報誌へ一つの記事を送りました。三重県熊野市にある英国人墓地のことと中国黒竜江省にある日本人公墓とザメンホフの「人類人主義」について2800字書きました。近く発刊の予定です。『ウエッブ・アフガン』さんに結んで頂いたご縁でした。
2.平和の木
3月21日にアイルランドで放送された番組に私と日英蘭三つの潜水艦家族が平和を願い植樹した三本の木の話が12分間に纏められています。下記のリンクで後23日間はいつでも誰でも自由に観れます。Part Oneは12分間のアイルランドでの植樹運動の話で、後半12分のPart Twoが私達の話です。
https://www.rte.ie/player/series/nationwide/SI0000001172?epguid=IH000412791
3.ハートでリスニング
こちら地元の無料月刊紙に今月出た記事ですが、ひょっとしたらこの話、以前にお話しましたかね? 重複していたら、すみません。添付の文書です。(文書pdfはここをクリック
最後に、皆さんの頑張りに負けないよう、私も出来る限り、シコシコ努力を続けたいと思います。(鶴亀彰さん、2022年3月28日)

――鶴亀さん、近況報告、ありがとうございました。『ウエッブ・アフガン』が機縁になって方正友好交流の会との交流が生まれたとのこと、嬉しいお知らせでした。ザメンホフのエスペラントの話も興味があります。ウクライナの記事を書くので調べておりましたら旧ソ連圏を金融面で崩壊させた(といわれている)ジョージ・ソロスはウクライナにも財団をつくっていました。しかもハンガリー系ユダヤ人の彼は親の影響で生まれた時からエスペラントを学び母語がエスペラントだったそうです。しかも無神論者。コスモポリタンを目指して一時エスペラントを学んだものとしてソロスの評価を考え直す必要があるのか、と思ってしまいました。「ハートでリスニング」の記事でも触れられていますが「日英蘭奇跡の出会い」を報道した「平和の木」も良かったです。英語の字幕が速すぎて難儀しましたけど(笑)。(野口)

※編集部より読者の皆さんへのご紹介:鶴亀さんが触れられている「日英蘭三つの潜水艦家族」の話とは、第2次世界大戦中、鶴亀さんのお父上がイ号潜水艦の機関長として乗務する潜水艦がオランダの潜水艦を撃沈し、次にイギリスの潜水艦がそのイ号潜水艦を撃沈した事件をめぐる奇跡の実話です。二潜水艦の犠牲者と生き残っていた本来なら仇のイギリス船船長の三家族が数十年後に出会い、和解します。感動的なこの話は『日英蘭奇跡の出会い』として学習研究社から出版されています。詳細はここをご覧ください。→ http://www.tsurukame-book.net/

 

=独裁政治は危うい=

世界は今、「非常事態宣言」を出してもおかしくないような危険な状態にあります。一人の独裁的な大統領が国家を牛耳る危うさと限界を感じます。國際ネットを遮断し、罰則を強め、言論統制をして国民の目と耳を塞げば、自分の思い通りに何でもできるとプーチンは思っているようです。かつての日本の軍部と同じく、国民の耳に届くのは自国に都合の良い大本営発表ばかりになるでしょう。これが専制国家の恐ろしさです。
こうなると、主権在民で国民が国家のトップを決める民主主義の有難さが分かります。中国も、北朝鮮も、アフガンも、ミャンマーも、全て国民は蚊帳の外です。トップの独断で政治が行われている点ではロシアと同じです。こうなると、地球上に民主主義国家を増やしていくことが、戦争を減らす最善の方法だということになります。国民には良識があると信じられるからです。しかし、そんなことは「希望的観測」に過ぎず、「誇大妄想」だと言われてしまえばそれまでですが。
ところで、ロシアとウクライナ両国に関係が深いトルコが仲裁に入ろうとしていますが、果たして効果はあるのでしょうか。関心を持って見ています。(中楯健二さん、2022年3月28日)

――まったくその通りですね。民主主義は時間とコストがかかるが、誤りを最小にすることができる、と歴史が証明していると信じます。学生時代、「ポツダム民主主義ナンセンス」と称する全共闘という思想が蔓延しました・これもまさに危うさを体現しました。ただし、ナチスが権力をとったのも民主主義体制下でした。形式化した制度の危険性、決して多数ではなかったナチスがさまざまな手段を弄して「形式民主主義を利用」して権力の座につき独裁権力を握った事実を忘れてはならないと思います。プーチンだって形の上では選挙で選ばれた大統領ですものね。そういえば、中国も北朝鮮も「人民民主主義」。昔はプロレタリア独裁の革命理論にもとづいて「プロレタリア民主主義」というものもありました。言葉の持つ力といいかげんさを感じます。(野口)

そうは言っても、ロシアの選挙は全て管理されたものです。国民の自由意志を表すものではありません。名ばかりの「民主制」は、お前には自由がないと言っているのと同じことです。甘柿といって渋柿を食わせるようなもので、食べれば顔が引きつります。オブラートに包まれた言葉には毒が含まれていることが多々あります。褒め殺しということもある。専制国家のトップの言葉には裏があると考えて間違いはありません。信じたら大怪我のもとです。ビッグブラザーも日本のビッグボス・新庄のように単純明快であれば可愛いものです。見た目通りで裏を読む必要がないから楽です。(中楯健二さん、2022年3月30日)

 

=「女性の教育」が最も重要=

SDGsが様々な事象で叫ばれているが、私は、「女性の教育」が最も重要ではないかと考えている。大学に在籍しているときもこの点を授業で年に2回ほど行った。学歴イコール人の上に、ではないのである。
子供への教育、社会への教育など、社会の平穏、安定に極めて重要ではないかと思うのです。
アフガンでも、中東でも、アフリカでもこの問題は重要です。(匿名さん、2022年3月15日)

――むかし、何にもできない赤ん坊を生んで手取り足取り人間にするのは女性だと教わりました。その女性が無学(無知恵)であったらどんな人間ができるか、押して知るべしですね。アフガンの女の子たちは教育を熱望しています。(野口)

 

=トップ記事が「核戦争勃発」になりませんように=

ニュースレター有難うございます。その通りですね。
新聞で言えば、トップ記事が入れ替わってウクライナ問題が一面のトップを飾り、アフガン問題は2面の片隅に追いやられてしまった印象です。
ロシアがウクライナに侵入した口実も、アメリカがイラクを攻撃した口実も非常に似ています。ロシアはウクライナ国内のロシア系住民の保護を口実にし、アメリカは「イラクによる大量破壊兵器の保有」を口実にしました。自国の思い違いで相手を攻めているのだと思います。
今回の記事の中で興味を感じたのは、ウクライナが旧ソ連の一員としてアフガン侵攻に加担し、加害者になっているということです。今の世の中、加害者と被害者は容易に入れ替わります。それは個人の問題として考えても同様なことが言えます。また、ウクライナの女性がロシア兵にヒマワリの種を渡し、ポケットに入れるよう言い寄る写真は衝撃的です。彼女は、その兵士が死ねば、そこから芽が出て地を覆うということを想像したのでしょう。彼女の勇気もさることながら、彼女はその種が平和を生み出すものになってほしいと願ったのだと思います。現代の出来事は一面的や二面的だけでなく、極めて多面的な要素を含んでいるます。その深層を見極めるのは大変難しく、注意を要します。
とにかく、今は新聞のトップ記事が「核戦争勃発」にならないことを切に願います。(中楯健二さん、2022年3月14日)

――「核戦争」をほのめかしての脅迫、空恐ろしい事態です。今日のトップニュースは、ロシア国営テレビでの、女性スタッフの一揆ともいえる「戦争反対」行動でした。女性特集の今号で「女性が変われば世界が変わる」と書きましたが、「女性が世界を変える」との感を深くしました。男が変わらないと世界も変わらないのかもしれません。(野口)

 

=継続こそ力、頑張れ=

アフガン問題はかなりの風化が始まっていましたが、ウクライナへのロシアの侵攻で完全に消えてしまったという印象です。継続こそ力です。続けることが大事ですね。頑張れ頑張れ!!(Y.Mさん、2022年3月14日)

――激励、ありがとうございます。アフガンの友人たちにも励ましの声を伝えます。(野口)

 

=「道連れ殺人」はごめんこうむる=

大変なことになりましたね。「キューバ危機」以来の深刻な出来事です。欧米や日本の制裁措置が有効に働いてくれればと思います。
中国の動きも心配です。甘い対応をすれば、これをチャンスとばかり、台湾侵攻を進める危険性があります。台湾の友人もそれを心配しています。
金融による制裁がどれほど有効なのか分かりませんが、厳しい対応をしなければなりません。ロシアはクリミア併合で味を占めていますからなおさらのことです。プーチンは核の保有を口にして欧米を恫喝していますから、追い込まれると何をするか分からない面があります。彼の精神状態が最近の「道連れ殺人者」のような心境になって、核のボタンを押せば地球は終わりです。
幸い、ロシア国内を含め世界各地で「戦争をやめろ」と叫ぶデモが展開されています。経済制裁だけでなく、こうした声の広がりが重要です。地球規模の深刻な問題はコロナで終わりにしてもらいたいものです。(中楯健二さん、2022年3月1日)

――「盗人にも三分の理」といいますが、今回のプーチンの行動には一分の理も見出せません。危険極まりない核ミサイル遊びをやめさせるのは国際的包囲とロシア国民の理性だけですね。(野口)

 

=お互いを慈しむ世界であって欲しい=

強国の論理はいつも同じですね!
暮らしやすい世界を築き上げるには、力の論理でなくお互いを慈しむ世界であって欲しいと思います。
中村哲さんや台湾の烏山頭ダムを造った八田與一さんなどのような、アフガンや台湾の人々のために貢献した人の功績は長く人々に語りつづけられ、親日感が広がり、お互いの国どうし信頼できることにつながると思います。
明治時代、トルコの軍艦エルトゥールル号が帰国する際、紀州沖で台風に遭遇し、転覆した乗組員を串本の漁民が救助した話は、今でもトルコの小学校の教科書に載っており、多くのトルコの人々は日本への敬意と親密な信頼感を持ってくれています。イラン・イラク戦争の折、救援機を出せなかった日本に対して、一日本人商社員の要請で当時のトルコの首相は自国民の救援に用意していた2機の飛行機を日本の避難民に提供してくれました。
飛行機に乗れなかったトルコの人々はトラックで陸路帰国したとのことでしたが、トラックでの避難に変わったことに対して一つも不満が出なかったとのことです。これも小学校で習ったエルトゥールル号の乗組員の救助の話を知っており、日本への恩返しの気持ちだったのではないかと思います。
国民の不満を外に向けるため、ウクライナの同胞を守るという理由でウクライナへの介入という蛮行を許さない世界であってほしいと願っています。(一読者さん、2022年3月1日)

――本来政治は、人びと(国民、民)の暮らしを豊かに、幸せにするものだったのに、本末転倒して権力の維持が目的になってしまったように見えます。逆に、人びとの救済や幸福に直接貢献する行為は、政治や体制の違いをこえて人びとの記憶(歴史)に残ります。それが救いだと思います。(野口)

 

=ウクライナのための祈り=

今回の暴挙(ロシアのウクライナ侵攻)はご指摘の通りですが、何かできることはありませんか?問題はロシア対ウクライナではなく、プーチン対ウクライナです。

ロシア1.5億人の41%はロシア正教徒です。ロシア正教会は旧ソ連に弾圧されましたがソ連解体後は信徒が増加しているようです。また、ロシアのキリスト教徒は47%を占める一大勢力です。
プーチンは戦争に反対する国民を拘束し厳しい情報統制もしていますが、ロシア国民のかなりは戦争反対ではないかと思料します。

参考までに、ウクライナのための祈りを添付します。

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ウクライナのための祈り(2022/02/27 主日礼拝)

ああ、神よ、
私たちは呻(うめ)いています。
この苦しみ、この痛み、この失意を、言葉にできません。
ウクライナの人々が、命を守るために、家をあとにしています。
思い出と文化と歴史が詰まった街が、破壊されつつあります。

使徒パウロは、ローマの信徒への手紙を通して告げています。
言葉にできないほど深くにある思いを、聖霊が、呻きをもって執り成してくださる、と。
それゆえ、私たちもまた呻きます。

私たちが呻くとき、私たちすべてが同じ空気を呼吸していることを、思い出させてください。
ひとりが受けている衝撃は、私たちすべてが受けている衝撃であることを、思い出させてください。
あなたが人間の命を重んじておられること、そして、戦争は当然の選択ではないことを、私たちの心に刻みつけてください。

私たちの呻きを、祈りとして受け取ってください。
今日、命を長らえることを不安に思っている、ウクライナのすべての人々のために。
この侵略によって、命を失っていく人々のために。
生き残ることができても、戦争が与える心の傷によって、人生を変えられてしまう人々のために。
命令を疑い、武器を用いることを拒絶するロシア兵のために。

私たちの呻きを、祈りとして受け取ってください。
核兵器が廃絶されるように。
帝国主義と植民地化という罪が終わるように。

私たちの呻きを、祈りとして受け取ってください。
私たちひとりひとりが、真理と平和と連帯に手を引かれながら歩んでいくように。
私たちの呻きを、祈りとして受け取ってください。
ウクライナのために、そして、この世界すべてのために。

呻くことを通して、この身体に満ちる悲しみと恐れが吐き出され、
この身体に勇気と絆が満ちますように。
そうして、ウクライナの人々と共に歩む生活をする備えをし、
この戦争を、そしてあらゆる戦争を終わらせる歩みをなさせてください。
アーメン。

── エミリー・ブルーワー牧師による祈り(米国長老派教会平和会ホームページ)に基づいて

(「WEBアフガン読者より」さん、2022年2月28日)

――祈りの力を届けたいと思います。ウクライナ、世界、そしてアフガニスタンはじめ帝国主義と植民地主義に苦しむすべての人びとに。(野口)

 

=ミサイル、軍資金供与が政治家の仕事ではないはず=

アフガンニュースお送りくださりありがとうございます。
ウクライナ気の毒で見ておれませんね。
ミサイル、軍資金供与ではなく、そもそもこんな事態を招かぬように
手を打つことこそ政治家の仕事なんですが、、。(Y.Yさん、2022年2月28日)

――悲しいことに戦争を遂行するのが政治家の仕事とわきまえている人がいるみたいです。(涙)(野口)。

 

=アフガンに直接支援を届ける方法は?=
いつも内容一杯のニュースレター、ありがとうございます。野口さんと金子さんのアフガニスタンへの強い思いと情熱を感じます。
最近ニューヨークタイムズがアフガニスタンからイランやパキスタンを目指す人々のことを書いていました。冬を迎え、貧困と飢えに襲われている人々、特に幼い子供達の様子に胸が痛みます。何か出来る事は無いのだろうかと思います。クラウドファンディングなどで多くの細かい寄付を集め、そして食料を直接、子供達に届ける方法は無いものでしょうか? 敗戦後の食糧危機でひもじい思いをした世代だけに、飢えの苦しみを思います。(鶴亀さん、2022年2月15日)

――国連から宗教団体やNGO、ボランティア団体、個人まで寄付を募って届ける活動をしている団体はたくさんありますね。でも、公的な性格を帯びるほど相手国の機関を通すことになるのでどこまで対象者に届くのか心配です。本サイトの「便利帳」コーナーに掲載した「支援友好団体」は直接の支援をしているので安心ではないかと思います。(野口)

 

=まるで、「キューバ危機」の再現のよう=

ニュースレター有難うございます。
大量な情報なので読むのが大変ですが、広く深く分析していて大いに参考になります。米国の戦略が「アフガニスタンに中国・ロシアを引き込む。そして新疆ウイグル・台湾問題で中国を叩き、ウクライナ問題でロシアを叩き、経済的軍事的に足元を脅かすようになった中国を蹴落とそうとする」ところにあると書かれていますが、まさにその通りだと思います。
そうしたなか今、ウクライナ情勢は緊迫の度合いを強めています。まるで、「キューバ危機」の再現のようで、ウクライナ問題が戦争への引き金になるのではないかと不安になります。西側に目を向けるウクライナをNATOに引き入れようとする欧米と、そうはさせじとするロシアの綱引きは簡単には収まりそうもありません。「危険な火遊び」が戦争に発展しかねない瀬戸際にあるのを見るとストレスが溜まりますね。「自国を守る意思のなかったアフガニスタンは見捨てたが、自国を守る意欲を見せているウクライナは見捨てない」と米国の深層心理を言い当てている言葉が印象的です。
ノルウェーがタリバン幹部を自国に招待したというニュースは知りませんでした。タリバンは包括的政府の樹立を求められていますが、彼らにはそのような気は一切ないようです。人道支援を御旗に国際社会の協力を仰ぐのみでは、自立した統治システムは望むべくもありません。
アフガンの問題が、ウクライナや台湾、新疆ウイグル自治区などの問題に関連しているということが分かりました。世界はますます欧米対中国・ロシア間の覇権争いの様相を強めています。その対立が続けば世界は絶えず不安定な状況に置かれます。この背景には、米国の自信喪失の実体があります。米国はかつては世界の警察官として良いも悪いも世界に対する責任を果たしていました。しかし、今の米国にはその余裕は全くなく、ただひたすら自国中心の利害に走って世界を混乱に陥れています。仲介する国も機関もありません。国連の安保理も機能していません。にっちもさっちもいかない袋小路に世界が追い込まれているところに最大の問題があります。情報有難うございました。(中楯健二さん、2022年2月16日)

――国際情勢はわれわれの手の届かないところで動いていきますが、何よりも実際の生活に大きな影響を与えます。虚無感に陥らず、また、他人事だ、手が届かない事件だと等閑視せず、何が真実なのかを自分の眼でみて考える習慣をつけることが世の中の動きを変えていく力につながると信じて毎日を過ごしたいと思います。(野口)

 

 NHK: アフガンから脱出した家族の物語 

知人が最近NHKで放送された下記の映像を送ってきて呉れました。
アフガニスタンを脱出した家族の物語です。すでにご存じかと思
いますが、念のため、お送りさせて頂きます。

“僕たち家族は国を追われた” アフガニスタンから日本へ 退避の記録
(↑ クリックしてご覧ください)

国の枠を越えて人間同士が助け合い共に働く時代です。私の最近
のモットーはBeyond Nationalism Into Humanismです。この家族3人
を守れない日本であってはいけません。(鶴亀彰さん、2022年2月15日)

――日本への避難希望者は800人を超え、実現した避難者も300人に達したそうです。コンソーシアムが作られこれらの人びとへの生活支援がなされています。https://pathways-j.org/archives/1506 (野口)

 

 インドから見たアフガン情勢

アフガン市民の厳しい生活が思いやられます。
ご存知かも知れませんが、
日印協会発行の『現代インド・フォーラム2022年冬季号 No.52』号の特集が 「アフガンの動向」です。
https://www.japan-india.com/forum/3a86f798a47124985d0ddeec5703857ee4576971
大学研究者の寄稿です(Nさん、2022年2月05日)

――貴重な情報、ありがとうございました。中央アジア情勢をふまえインド・パキスタン・アフガニスタン関係を鳥瞰図的に理解するうえで大変参考になりました。(野口)

 

=国の礎は教育だと思います=

寒中お見舞い申し上げます。 今冬はあまりに寒くて 外へ出る気も起きないですね。
ところで アフガン・ニュースレターを送って下さり、ありがとうございます。
今、少し目を通して 即座に脳をよぎったことを軽く書きますね。
まず、アフガニスタンのニュースは新型コロナ禍で消され、このニュースレターでしか現状が分からないです。
地震の被害があったようですが、かの国に地震が起きる事すら 考えてもいなかったですね。
聴いて、真っ先に野口様ともご一緒したイラン旅行の際の博物館で地震に依って生き埋めになった岩塩採掘者らしき人のミイラを懐かしく思い出しました。ヨルダンも地震が多いと聞いたことがあります。 トルコも地震が多いですよね。イランからアフガニスタンにかけて 地震帯でもあるのだろうかと思いましたね。
それから楽器を壊しているアフガン人の男性の動画を観まして、感じたことはかの国は戦争が多くて満足に学校へ行くことが出来ていない人達は文盲ではないか?と・・・・
それだと、コーランに書いてあることも読めないし、正しい情報を得ていないですよね。アフガニスタンの文盲率はどのくらいでしょうか? 女性に多いのは理解できますが・・。
まずは国の礎は教育だと思います。アフガニスタンも貧しくても 早く落ち着いた国になって男女とも教育を十分に受けることが出来るようになったら いずれ変わっていくのではないかと極、当たり前のことを考えました。
映画「カブールの孤児院」も機会があれば見てみたいです。(池上眞理子さん、2022年1月25日)

――イランの塩漬けマン、可哀そうでしたが実はあの地域は地震が多いんですよね。ユーラシア大陸を構成するいくつかのプレートがぶつかる地でもあるんですね。トルコ・イタリアへと続いているようです。
アフガンの識字率はきわめて低く、僕が最初に行った40年前頃は女性で読み書きできるのは数パーセントと言われていました。たが、欧米支配の20年で若干上昇しています。2005年の国連の「アフガニスタンMDGレポート2005」によれば、「15歳以上の識字率は34%(男性50%、女性18%、)で、世界的にみて低い数値であり、男女の格差も他国と比べて非常に大きい。また、人口の74%が住む地方部においては、男性の約63%、女性では約90%が読み書きできず、地方格差も大きな問題」(https://www.jica.go.jp/project/afghanistan/004/outline/index.html)とされています。
ターリバーンは神学生という意味ですが、コラーンの暗唱が中心で普通の教育はほとんど受けていないはずです。
イランは、女子の大学就学率は男子より多いですよね。おなじイスラーム国でおなじペルシャ圏ですが、とんでもない差がつきました。
パシュトゥーン族は進歩から取り残された最後の部族(アフリカ除く)といえるのではないでしょうか。「文明開化」を阻んでいるのはイスラームだけが原因ではないですね。女性の頑張りに期待するしかないです。
ともあれ、アフガニスタンの国づくりは長期戦です。今後とも忘れず見つめ続けてください。とにかく、忘れられ見捨てられるのがもっとも悲しいことですから。(野口)

 

=命の尊さを普通に感じることの大切さ=

いつも情報ありがとうございます。私の知識は乏しいのですが、質問させてください。
ターリバーンとはイスラム教の教えとは少し違うやり方をしていると思います。最初は宗教の問題だと認識していました。ですが、宗教とかの問題ではなく、単なるテロリストなんだと今は私は思っています。この方達は、教育という面で乏しいためにこの行為を行なってしまうのが最大の理由だと思います。ですから私は教育とは、差別なく行うことが平和への道だとも思います。
質問ですが、この方達を平和への道へと導ける方法はあるのでしょうか?
話し合いや交渉の余地はあるのでしょうか?
女性達や子供達に未来を描くことはできるのでしょうか?
もともとはシルクロードの途中の繁栄した国だったと思います。
中国もですが、私は歴史の古い国ほど本当に大国だと思います。
繁栄していた時は、きっと女性も尊重された身分だったと思います。
命の尊さとを普通に感じることがき、大事にするというのは考えられないのかと本当聞いてみたいです。(Tさん、2022年1月25日)

――教育の大切さはおっしゃる通りですね。ターリバーンに結集している若者たちも年配者から教育を受けてそのイスラームを信じているわけですよね。だから、教育の中身も彼らが自ら選び取っていかないと変化は生まれません。ターリバーンは今度は2度目の支配的立場に立ったわけですから、その立場を維持したいと思うなら、変わっていかざるを得ないと思います。存在が彼らを教育していきます。だから、民衆が声を上げていくことが大切なのだと思います。アフガニスタンは生存そのものが危機にあります。命を生み出す女性は生存本能がつよいので必ず彼らを変える力を発揮すると期待しています。(野口)

 

=なぜ、人間は戦争をするのか=
ニュースレター有難うございます。タリバンは世界から全く孤立した存在になっているばかりでなく、統治能力もありません。一番の被害は国民、特に女性と子供です。国連からの人道支援はあるものの、どれだけ行き渡っているのかは、外部からは分かりません。なぜ、人間は戦争をするのかという原初の疑問はいつまで続くのでしょうか。(Nさん、2022年1月25日)

――全く同感です。
最近は「戦争をするのが人間なのだ」と思うようになりました。動植物の争いは自然法則で平衡状態が作り出されておのずと共生共存条件が定まるようですが、人間は相手を皆殺し、ある場合は共滅する武器まで作り出したので、自然に任せて平衡状態にたどり着くことができません。人間は理性も獲得しているので、自己制御できるまでに集団理性が成長するのを待つしかないのでしょうか。(野口)

 

=人口の約半分は性が別、活用せねば損=

レポートありがとうございました。大変な国の大変なレポートに考えさせられることばかりです。イスラムの国は私もいくつか行きましたが、陽気なイスラムもいれば親切な人も多かったと思います。日本でもまだジェンダー論が盛んです。私自身はあまり関係なくきましたので、え!まだ😱の感が強いのですが、人口の約半分は性が違うのですから関わりなく活用しないともったいないですよね⁉️ お体に気をつけてご活躍下さい。今年もよろしくお願いします。(J.Kさん、2022年1月17日)

――「天の半分は女性」とは毛沢東の有名な言葉。彼の評価にはいろいろありますが、これは尊重すべき見解ですよね。東アジアは総じて母系社会の色を残しているようです。女性はアダムの骨から作られたというフィクションの文化圏とかなりの違いを感じます。僕は「男は女のできそこない」という生物学的見解にちかいのですが (笑)(野口)。

 

=本初公開映画「カーブルの孤児院」を観て=

昨年末に開催されたペルー映画祭の会場で「カーブルの孤児院」という映画が日本初公開されると記されたチラシを見た。年末の忙しい時だったけれど初公開、ということなので思い切って観に行くことにした。カーブルというのはアフガニスタンという国の首都。今また混乱の時期にあり、旅行者はもちろんジャーナリストにも来てほしくない、そっとしておいてくれという時期にあると思うのは私だけだろうか。アフガニスタンはある意味人気者の辛さを背負った国だ。そういうアフガニスタンの初公開映画が、この時期、東京で上映されたのは本当に気の利いたことだと思った。今後、追加上映の機会があるのかは分からないけれど、アフガニスタンを理解するには必見の映画だと思うのでお勧めする。

監督はイラン生まれのアフガニスタン女性とのこと。映画ではカーブルでいわゆる「ダフ屋」をしていた主人公の少年が孤児院に入れられる。孤児院で少年は仲間を得て一人ではなくなり集団生活を通して成長していく。そしてその保護された穏やかな生活はムジャヒディーンが孤児院にやってきたことにより終わる。映画にはアフガンの人たちに人気だというインド映画の影響を感じさせるシーンがたくさん含まれていて、いままでのアフガニスタン映画とは趣の違う新しさも感じさせる。印象的だなと感じたことはたくさんあったけれど、長くなるのでそのうちの一つをこの場をお借りして記しておきたいと思う。

常日頃、職業に「女性」を付けるのはいかがなものか、と思っていたが、この映画の場合は監督が「女性」であることは記されてもよいかもしれない。主人公が喜びや悲しみの感情を孤児院の仲間たちとの関係のなかで育てていくその描き方には好感が持てる。そして大変な状況でも決して自棄になったりしない楽観もアフガンに相応しいと思う。けれどこの映画の最終場面、孤児院に乗り込んできたムジャヒディーンたちを止めようと一人前に出た職員が画面の真ん中で撃ち殺されるシーン。アフガンの人たちはそのようなことをしたら殺されると知っているから実際にする人はいないと思う。これは演出なのだと分かっていても、ドキッとして映画館のなかで「うわッ!」と声をあげてしまった。つまりアフガニスタンでは簡単に人を銃で殺すという狂気がまだまだたくさんあるということ。その女性監督の伝えたかったことはそこに集約されていたのではないかと思う。映画館のある街が偶々若者の町だったから、外に出てその賑わいに救われたけれど、正直言うととても重い映画を観てしまったなあと私は思っていた。何に対してか分からないけれど、思わず祈りたくなった。アフガニスタンの平和を祈っている。(m.oさん、2022年1月13日)

 

=これはアフガニスタンの風景か!=

読者のKさんから年賀状をいただきました。オリジナルの版画だとのことでしたが、水彩画のようで版画にはみえず、カラフルで美しいものでした。他のも観たいと所望したところ、数点送っていただきました。するとまるでアフガニスタンの風景のように見えました。Kさんの了解を得たのでご紹介します。元のモデルがどこか、おわかりでしょうか?

まるでパンジシール渓谷のよう。

カーブル川の畔に立つシャード・シャムシラモスク(左側)?

ヒーンズークシュを臨む田園地帯?

 

 

=心にアフガニスタンへの気持ちを待ち続けましょう=

いつもアフガンニュースレターをお送りいただきありがとうございます。
今年はアフガニスタンと人々に、とって大変な年でしたが、来年はよりよき一年となりますようにと祈るばかりです。
野口さん始め、心にアフガニスタンへの気持ちを待ち続けること、できることをやっていくこと、それが必ず人々を励ます力になると信じています。
私もささやかですが力を尽くしたいと思っています。
これからもお力添えをよろしくお願いします。
良い年末年始をお過ごしください。
(長倉洋海さん、2021年12月28日)

 

米中の対立はどっちもどっち

「『視点』アフガンのつぎ、西はウクライナ、東は台湾」、読みました。
米中の対立はどっちもどっちですね。
中国の専制主義を支持はできませんが、その価値観はアメリカの民主主義は価値観とは異なっていることは確かです。一方の価値観が絶対的に善で他方の価値観が悪と決めつける論理的根拠はありませんから、経済制裁という文言には違和感を感じますね。市場経済においてはアメリカが専制君主になっているつもりのようです。
国内経済の土壌が痩せて収穫が上がらなくなったからといって国内の土壌改良をせずに経済的土壌な肥沃なところで稼ごうとするのは焼畑経済と呼ばなければなりませんね。
中国で稼ぎやすいように中国を変えようとするのは筋違いで、国内経済の土壌改良を行うのが先だろうと思います。
日本にも通じる話ですが。
中国のリスクが外部コストになっているなら、中国と取引する国内企業に外部コスト課税(ピグー税)を課すべきです。米国企業が中国で稼いだ結果、中国が軍事強国化して、そのためにかさむ国防費を国民全体が負担することになっているという現実に国民は気づくべきですね。
中国との輸出入全取引に課税すれば保護貿易とは言えないからWTO違反にはならないだろうと勝手に思っています。
ピグー税の導入は軍事的衝突を避けるために必要性を感じています。デカップリングではなくルーズカップリングですね。
喧嘩の絶えない夫婦は、離婚する前に別居するとお互いの不寛容が和らぐようなものですね。
(Tさん、2021年12月13日)

 

「連邦制」の話、面白く読みました

「読みどころ」にあった「連邦制」の話を面白く読みました。広い国土と色んな民族の中で一つの国に纏め上げるのは難しいのかも知れませんね。その昔、徳川幕府は完全なる中央集権ではなく、多くの藩の一定の自由を認めていましたね。群雄割拠のアフガニスタンも5つくらいの州が連邦政府を築く感じでしょうか?(A.Kさん、2021年09月24日)

――日本の歴史の発展段階とアナロジーすると戦国時代に近い気がします。島国と広大な開かれたユーラシアの山岳領域という違いはありますが、民族、部族、氏族が命と利害をかけて争奪戦をしているところに、近代を掲げた異教徒が介入して痛い目にあっている図式に見えます。アフガニスタンでは中央集権化の難しさを踏まえた連邦制の案もあれば、それもあきらめた分国化案もあるようです。しかし、アフガン領内では民族部族の混住が進みパキスタン領内ではパシュトゥーン族の自治領が存在するという複雑さを抱えているのでどの案も決定打を欠いているようです。民族部族と国家間の利害対立、過去と未来の相克。当分の間目を離せません。(野口)
※「連邦制の話」は[ここをクリックして]ご覧ください。

 

=国家を形成する難しさを痛感=

アフガン情報を頂いて強く感じることは、多民族国家の在り方、多宗教国家の在り方についてです。国家を形成する難しさを痛感します。
アジアへの日本の中小企業の進出のサボーをしてきた程度でも、日本人の理解の仕方は異常です。
「後進国の問題」などではなく、たとえば、旧ユーゴスラビアの分裂抗争、世界の何処にでも起こっている紛争であり、解決の仕方も一つではない複雑さ、その視点で今回のアフガン問題も読み取る必要があるように思います。
これから先の世界の仕組みは、現在の国の仕組みがどの様に変革しなければいけないのか、アフガンはその試金石つまり先駆けとして、世界にアピールする立場とも言えます。
混在する情報を拝読しながら、他人事の様に受け止められるかも知れませんが、深刻に考えさせられております。
日本国内のコップの中の争いには辟易しております。(網和久さん、2021年09月21日)

――全く同感です。
日本でも道州制の議論が高まった時期がありましたがいつの間にかたち消えになり東京1極、明治以来の超中央集権化。地方の独自色も薄れつまらない国になるなぁと嘆いていたらついに中央が腐ってしまいました。
アフガンは過去と未来が激しくせめぎあっており人間の欲得が素の形で現れ、中央が全体をまとめることができません。そもそも中央が作れません。日本の対極のようです。
中国恒大の破綻が取りざたされています。土地転がし経済が行き詰まり中国はどうなるのでしょうか。習氏は一層の集中化/強権化で乗り切ろうとしていますが果たしてうまくいくのか。ソ連は解体再編しました。アメリカは二極化が進行中。
日本はアメリカの傘の下の島国で太平天国を満喫してきましたが独り立ちできずに30年。世界と直につながるネット社会の到来。「人民大衆」もうかうかしてるわけにいかないでしょう。(野口)

 

=終戦直後の我が国も同じ様な状況を経験したはず=

野口さん、ご無沙汰しております。
貴重な情報ありがとうございます。
なんということ。なんという状態。
終戦直後の我が国も同じ様な状況を経験したはず。
今回の情報を知らずに軽薄に歴史を語れないと感じました。
これまでどれだけこの様な事を経験して人が生きてきたのか考えると、いかにすさまじい状況を人は生きてきたのか想像すると絶句してしまいます。
ありがとうございます。(阿蘓 政志さん、2021年09月16日)

――アフガンが他人事でないことがよくわかります。鞭と銃剣でしごかれて従わされるのと、真綿で首をしめつけられて忖度を強制させられるのとどちらがいいか。の差でしょうか。どちらもいやですけど。(野口)

 

=アフガンの方が希望を感じます=

野口オリジナルのアフガン情報、素晴らしい説得力です。
今週の赤旗日曜版に宮田律氏が解説しておりますが、パキスタンのパの字も出てきません。
野口氏の記事を読んでいると、”革命前夜の暗闇”を彷彿させるものがあります。
60年安保反対の6月に、安保成立に涙して日比谷公園で敗北集会を開いた時のことを思い出しました
日本の政治の貧困を目の当たりにしているとアフガンの方が希望を感じます。(網和久さん、2021年09月13日)

――宮田律氏の記事は私も拝見しました。「パの字」もでないのは、編集部の意図ではないでしょうか。宮田氏は早くからパキスタンだけでなく中東など外国のイスラム過激派の関与を積極的に明らかにされてきた論客です。(本サイトの「研究/批評/提言」コーナーの〝『黒い同盟 米国、サウジアラビア、イスラエル』宮田律 2019年 平凡社刊〟をご覧ください)。日本共産党はソ連が支援したアフガン四月革命を糾弾しつぶす活動をしました。9.11後のアメリカ主導のアフガンにもアメリカやNATOを批判するだけでなにもしなかったはずです。しかしソ連進駐&PDPA時の約13年+米侵攻時の20年、曲がりなりにもアフガンでは女性解放や教育や社会改革の努力がなされました。それに反対したのはイスラム過激派(と日本共産党)。彼らはアフガンに住む人々の生活(医療や教育や農業や社会改革)改善や飢餓からの生存を考え救援したことがあったのでしょうか。「万国改革主義(あえて革命とは言いませんが)」の立場を捨ててただ評論し我田引水し自分たちの主義主張の合理化の材料に使っただけではないでしょうか。中村医師の仕事を持ち上げるのはまったくかまいませんが、慈善事業やチャリティーだけで苦民が救われるのなら政党や革命運動や社会改革運動はいりません。世界中でアフガン難民が避難先の国民と一緒になってアフガンの民主化や難民支援を闘っているとき、民主革命大好きな人たちは何をやっているのでしょうか。(野口)

 

=ともかく、アフガニスタン人の考えで進めることが必要=

アフガニスタン、私が思いつくのは、高校生の時にアフガニスタンは独立している数少ない国家でした。たしか、20世紀の初めではなかったかと思います。「アユブ・カーン」という君主国ではなかったかなと思います。
陸上の「国家」は大変です。先日のクリミヤ半島も陸続きの悲劇です。私の家内が、ドイツにいたときに数人のポーランランド人とお付き合いをしていました。彼らが曰く「右がソ連、左がドイツ」叶わぬ夢ではありますが、どこかの海に越したい。わかりますね。
それに比べ、フィりピン、インドネシアは大きな島が複数存在し、なかなか思うように行かないものです。しかし、科学・技術ほどではありませんが、国際社会も変化しています。ともかく、アフガニスタン人の考えで進めることが必要と考えております。(Nさん、2021年9月8日)

 

未踏の地、アフガニスタンで政変
〜バーミヤン大仏破壊から20年の今後は〜

「コロナ感染の全国拡大の上に猛暑が戻り、さらにはアフガン情勢の急転と、
世の中は最悪のシナリオ。気が滅入る毎日です。
さてそんなアフガンについて、note に書きました。
下記サイトにアクセスしてみてください。
https://note.com/mahaktyo/n/n2f5f0e13bd1b」(白鳥正夫さん)

――拝見しました。復活したタリバンがアフガニスタンの文化財にたいしてどのような政策を持って対処するのか、注目したいと思います。(野口:白鳥さんの活動へのリンクを「ユーラシア」のページにつくりました。ご参照ください。)

 

=国の礎となる人材教育が欠かせない=

ニュースレター、ありがとうございます。
遠回りかもしれませんが、アフガニスタンのことは、外部の者が干渉するのを控え、その地に住む者に任せるしかないのかもしれませんね。善意で手を差し伸べようとしても、アラビアのローレンスになりかねない。トルコ共和国が、トルコ人とは何者なのかを定義し、国の範囲を自らの手で勝ち取ったように。パキスタンやISが絡んでいるのは厄介ですが、アフガニスタン人とは誰かの合意形成を待たねばならないような気がします。その上で、ロールモデルとなる国家を選び、国の礎となる人材教育が欠かせないと思います。(渡邉惠さん、2021年09月07日)
――「アフガニスタンのことは、その地に住む者に任せるしかない」。まことにそう思います。どういう解決策を見つけ出すのか、血や汗が流れるのでしょうが、見守るしかないと痛感します。(野口)

 

=世界は太陽信仰に戻ればいい=

「 グレートゲームという東西ローマ帝国の子孫たちの植民地覇権主義の結果ですね。中央アジアでは1881年1月のギョクテペ要塞でのテケ部族殺戮でロシアの中央アジア覇権は完了、アフガニスタンを分割したデュアランドラインが、今の中央アジアの不幸の結節点。
アフガニスタンの難民支援は、イギリスはじめ介入し続けた欧米各国が第一義的に対応するべきでしょう。若いタリバンの指導者たちが少し模索的な対応をしているのは要ウオッチです。

中共の世界人類運命共同体と一帯一路は第五の植民地覇権主義の宣言、日本も大東亜共栄圏といったこともあります。大アジア主義は、勝海舟や西郷隆盛にさかのぼり、もともと欧米の植民地帝国に抵抗するためでした。宮崎滔天、頭山満、犬養毅らが孫文や毛沢東の漢民族復興に傾いた似非アジア主義に惑わされて支援したが、漢民族復興のためならとロシアやコミンテルンを引き入れ、ルーズベルトらが蒋介石を見限って中共を支援して今日の元を築いたために、イスラム原理主義と中共が手をつなぐことになったという大きな背景にあると見えます。

イスラムも、宗教覇権で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教などアブラハムの宗教形成に影響を与えたゾロアスター教を信奉したササン朝やソグディアナのソグド人集落を滅ぼす過程で、東方へ逃げたソグド人、パミール山中に逃げたソグド人、もあった中で、大勢やむなしと、8世紀の前半に中央アジアの領主サーマーン(サーマーン・フダー)がゾロアスター教からイスラムに改宗したことで、ソグド人はタジクと呼ばれ今日に至っています。9世紀から10世に、今のアフガニスタンを含めイラクからインド中央アジアのすべてを領域とするサーマーン朝を形成し、カラハン朝を含めトルコ系の人々をイスラム化し受け入れたことが現代のトルキスタン形成にいたるアジア史の転換点となりました。

元々、北方草原にいた牧畜民が南下したことで、メソポタミア文明、インダス文明が崩壊し、インドのバラモン教、ヒンズー教の差別体制ができます。遊牧民の男性結社の中から生まれた、女性差別のイデオロギーだと考えています。アフガニスタンからイラン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンにひろがるホラーサーンが、アフラマズダが主神にされる前の太陽信仰の拠点でした。

私は、世界は太陽信仰に戻ればいいと思います。少しでも男性結社の信仰を緩めるために。大野遼の早朝の寝言でした。」(大野遼さん、2021年09月05日)

――大野さんはシルクロードを理解するには必携の書『秘められたシルクロード タジクの黄金遺宝』の出版に向け奔走されています。注文はまだ間に合いそうです。詳細は当ウエッブの「ユーラシア」のページ、または直接大野さんのページ「NPOユーラシアンクラブ」をご覧ください。)

 

前とは違ったターリバーン政権になることを祈る

アフガニスタンから、その昔ソ連が出て行ったことも、今回アメリカが出て行ったことも、基本的にはアフガニスタン国民の平和確保にはいいことでしょう。もっとも、アフガニスタンは多民族国家ですから、この先、内戦が頻発し、周辺国が裏で支援し、より悲惨な状態になるかもしれませんが。そこのところは、前とは違ったターリバーン政権になることを祈るしかないでしょうね。

で、日本の為すべき役割とは何でしょう。
アフガニスタン国民が望むものは、何といっても「おまんまが食える」ことに尽きましょう。そのためには、欧米が行うような食糧支援ではなくて、農業基盤整備、雨の少ないアフガニスタンでは特に灌漑用水路整備ではないでしょうか。
これは、「ペシャワール会」代表の亡き中村哲医師の受け売りですが、中村哲医師は当初は医療支援でアフガニスタンに入られたものの、現地の状況を見て、農業基盤整備に重点を移されました。
中村哲医師は残念ながら2019年12月に殺されてしまいましたが、ペシャワール会の活動は引き続き活発に行われているようです。しかしながら、今回の事件により、ペシャワール会の活動も中断せざるを得なくなり、再開の目途は立っていないようです。
最新の情報は次のとおり。
ペシャワール会会長/PMS総院長 村上優 アフガニスタンの現状とPMSの今
http://www.peshawar-pms.com/topics/20210825.html
一刻も早く事業が再開されることを祈りつつ、小生、毎年年末に幾ばくかの寄付をペシャワール会にしているのですが、今般、臨時寄付をすることとした次第です。(三宅和豊さん、2021年09月03日)

 

いつまで続くのかアフガンの悲劇

「まずはコロナ禍、残暑お見舞い申し上げます。それにしてもコロナは手強いですね。東京の感染拡大が関西にも波及し、深刻な事態です。ワクチン接種を終えられたと思いますが、当分厳戒ですね。
随分ご無沙汰しておりますが、お変わりなくお過ごしのこと何よりです。アフガンの件は、アメリカの撤退が進む中、内戦が激化、タリバーンの侵攻が進み、こちらも深刻な事態ですね。どこまで、いつまで続くのかアフガンの悲劇に心いためます。平和の祭典が強行され、それなりに感動をもたらせましたが、その裏で、戦乱はやみません。人類の愚かさに絶望的にさえなります。」(白鳥正夫さん、2021年09月03日)

――こころ痛む2021年の夏。われわれにできることはアフガニスタンのこころある人々の営為に声援を送ことぐらいしかできませんが、挫けず絶望せずアフガニスタンを忘れず見守り続けたいと思います。(野口:白鳥さんの活動へのリンクを「ユーラシア」のページにつくりました。ご参照ください。)

 

=関係諸国に働きかけられないか?=

アフガニスタン・サイト、お送りいただきありがとうございます。大変なご労作で、野口さんのアフガニスタンへの想いの深さに圧倒されました。同時にタリバンが席巻するだろう今後を考えると、暗たんたる思いがします。国の将来を決めるのは民衆自身であるにしても、古くから外国勢力のせめぎ合いの場であるアフガニスタンの場合、外からの入力がキーファクターでしょう。当面、タリバンへの武器売却ルートつぶし、パキスタンの日和見的な対パシュトン政策の是正を、日本政府は関係諸国に働きかけられないだろうか。(H.I.さん)

――日本は民間のボランティア活動だけでなく、難民問題や武器廃棄・ゲリラ兵の就業支援、国連平和事業、地雷除去などで相当の資金や労力をつぎこんでいるのですが、日本国民に知られていると言えないのが残念ですね。タリバンは武器をパキスタン内で調達(というかパキスタンISIから供与されている)しているからパキスタン政府をどうにかしないと難しいんじゃないでしょうかね。(野口)

 

=アフガンは世界の過去か未来か=

「アフガニスタンを見るとき、近代の国家観という視点は捨てた方が良いのではと感じています。同様の視点は、バルカン半島にも言えると思います。両者の共通点は、交易路であると同時に外部勢力の押し合いの場であったこと。同時に、地勢が山岳地帯であり、住民の交流に制約があったことなどがあります。つまり、外部勢力が一地域を制圧したとしても、全土を平定するには至らない。逆に、住民が一体となって対抗するにも至らない。力尽くで押さえ込む事は出来ない、ということ。
オスマン帝国とハプスブルクは、両者ともバルカンでの住民の多様性を認め、統治すれども支配せずという知恵を働かせていたように思います。両者とも第一次大戦で敗戦し、その知恵も消滅してしまったようです。
「バルカンは、ヨーロッパの過去か未来か」という言葉がありますが、「アフガンは、世界の過去か未来か」なのかもしれませんね。」(渡邉恵さん)

――まったくその通りと思います。国民国家論も民族国家論もアフガニスタンでは通用しません。むしろ、封建社会と言っていましたが、イギリスが進出してくる前の部族封建民主主義(日本の寄合の大規模なもの?)で秩序が保たれていた面がありますね。ジルガ。産業革命と植民地・帝国主義・資本主義がこれらを壊していったわけです。最近「銃・病原菌・鉄」を読んでその意を強くしました。ニューギニアなどポリネシアの共同体でもバルカン半島に似たような事態が進行したようですね。今度のコロナがあぶりだしたと思っているのですが、国家論、政府と社会の在り方、全般が問われるようになってきていますね。その意味でも連邦制を追求するアフガニスタンは、道州制が話題になっている日本も他人ごとではないと思います。(野口)

 

=映画『アウトポスト』見ました=

「アフガニスタン問題どういう展開となるか、注目しています。
過日、アフガン戦争の最前線でのアメリカ軍の死闘を描いた映画『アウトポスト』見ました。舞台はアフガニスタンの奥地のすり鉢の底のような地形に設営されたアメリカ軍の最前線の基地。敵軍に囲まれれば敵の砲火の中、米軍はヘリコプターでしか降りることができないような陣地。米軍側はここを数十人の指揮官、兵士で守る。
敵軍は谷間を伝って下りて攻めてくるが、その武器は銃とロケット砲など。谷底で迎え撃つ米軍側の主な武器は銃。映画は両者の戦いをひたすら描き続ける。敵軍を殺しても殺しても、谷の上から後続の兵隊が蟻の如く押し寄せる。
米軍側に死者、負傷者が出てき始め、このままでは持ち堪えられないのではという危機感が強まってきた時、基地の撤退命令が後方の司令部より届き、さらに応援の舞台がヘリで到着、敵を撃退する。映画は終わる。この映画には格段の反戦のメッセージはない。
映画はアフガン戦争をアメリカ側の視点から描いたものであることは間違いないが、ひたすら殺し合う最前線の模様しか描かないことが、かえってこの戦争の無意味さを表現しているように思えた。この戦争の意味を考えさせられる映画でした。猛暑、コロナ事態なを続きそうです。お大事になさってください。」(Yさん)

 

=仏教の慈悲の心を持ってこれに当られますよう=

「野口様のアフガニスタン問題の解決に向けられる決意と努力に感銘をしました。この国の問題の根本にはアフガニスタン人の国民性を向上させることが大切と考えます。国民性とは精神性でもあると思われます。彼らの大部分はイスラム教を信奉していますが、同じイスラム教でもスンニー派とシーア派ではまるで異教徒のような敵がい心を持っていることが不思議です。古い歴史を辿れば、アフガニスタンには仏教が伝来されバーミャンの仏像に見られるように、仏教を篤く信仰していたことが伺えます。仏教は、誰でもが悟れば仏になれることを説いており、敵を作らないことをモットーにしております。この点はキリスト教やイスラム教のような観念的な唯一神の信仰とは根本的な発想の違いがあります。これを物理の世界に例えれば、絶対時空間に基づく古典力学と絶対時空間を否定した相対性理論にも例えられるかと思います。絶対的唯一神は人間の感性には良く合いますが、他宗教との争いも起こし易いと思っています。
アフガニスタンの方々に、仏教の教えを説くことは難しいかもしれませんが、涅槃経には「物心一如」ということが説かれており、物質面・精神面の両面で彼らを支えていくことがそこに少しでも近づけるのではないかと思っています。真言密教の祖である弘法大師は仏教の実践的活動として四国で大規模な灌漑事業を行い、多くの溜池などを造り、民衆の救済を行いましたが、一昨年カブールのテロで殺害された中村医師の活動もそれに例えられるかと思います。野口様も日本人の精神的な宝である仏教の慈悲の心を持ってこれに当られることを祈っております。理論家である私は、理論面・精神面で野口様をお支えできればと考えております。共々真に平和で豊かな世界の実現に向けて精進させて頂きましょう。」(長塚義隆さん)
――寛容と調和の精神をもって努力いたします。(野口)

 

=アフガンには40年前に行こうとしました=

「アフガニスタンには40年前に行こうとしたことがあります。ネパールヒマラヤで冬のエベレスト隊に参加した後、日本に帰る気がしなくて陸路でデリー経由でラホールに入りました。北に向かってアフガンへ行くか迷いましたがロンドンまで抜けようと思ったので鉄道でカラチに行きイランへバスで入ろうとしました。イランイラク紛争のため国境が封鎖され結局ロンドンまで空路。イランを越えてトルコに入る陸路が見つからず、安チケットだとカラチ-イスタンブールもカラチ-ロンドンも同額だったので。この地域、ずっと気になっています。これからも情報を期待しております。」(Yさん)

 

=日本の立ち位置がはっきりしないのが気がかり=

「このところ頻繁にアフガニスタンのことがメディアに取り上げられるたびに、貴兄(注「野口」)のことがまず浮かんできます。やはりいろいろと気遣いされ、手立てを施されているのですね。大いに勉強させていただきます。
貴兄と同様に思い出される人がいます。50年ほど前に青少年の国際交流事業にともに参加し、エチオピアの発展に貢献した友人です。2度のマラリアにかかりながらも青年協力隊やODAのメンバーとして半生を捧げました。その国も今では内戦で穏やかではありません。最近とみに日本の立ち位置がはっきりしないのが気になります。Global に俯瞰できる政治家がいなくなってしまったようですが、だれか心当たりの人いますか?」(Aさん)

 

=ペシャワール会には毎年寄付してました=

「貴兄の著作(注『新生アフガニスタンへの旅』)を読んで以来、アフガニスタンのことはずっと多少は気にしています。そうしたことから、ペシャワール会には毎年なにがしかの寄付をし、農業基盤整備を通して少しでも平和を取り戻してくれないかと願っているところです。本会の代表・中村哲医師が殺害され、どうなるかと心配したのですが、引き続き現地活動はなされるとのことで、ホッとしました。」(Mさん)

 

=かわいそうなのは国民=

「アフガンについてですが、米軍は完全撤退はしないでしょう。少数の軍事顧問団は残して、アフガン政府軍の教育に当たると言うことにしたようです。中国もソ連も直接の軍事介入をするつもりはなさそうです。せいぜい武器の供給でお茶を濁すのではないでしょうか。関係するとすれば一帯一路の陸上の部分でしょうが、これもアフガンを通るようにしなければ良いだけの話でしょう。恐らく中国はアフガンのみならず中東の紛争に軍事介入するつもりはないのでは。必要なのは石油だけのはずですから。当然ソ連はもう懲りているはずで、軍事介入には国内の抵抗が大きいのではないでしょうか。米国が軍事顧問のような少数の部隊を
残してもタリバンの拡張を抑えることは出来ないでしょうが、タリバンも全土を征服するのには時間が必要になりそうです。米国は大規模な空爆を既に始めていますが、今後も続ける可能性はあります。タリバンはそれなりの損害を覚悟で戦闘を拡大することが必要になるのではないでしょうか。アフガンの平和は当分見込めそうもありません。かわいそうなのは国民という事になりそうです。」(Mさん)

 

~~国連官僚の大きな快挙~~

「アフガンについて、面白くやっていますね。アフガンは下記の話があったようです。暑さには気をつけて頑張りましょう。
~~国連官僚の大きな快挙~~
「農業・農地整備は公共事業が有効!!」
国連アフガニスタン支援団(UNAMA)代表を今年3月に退任した山本忠通前代表が4日までに共同通信のオンラインインタビューに応じて、アフガンのガニ大統領が、現地で昨年殺害された福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表の医師中村哲さんが尽力したアフガンの農業復興を続け、遺志を継ぎたいと申し出ていたと明らかにした。 事件直後にガニ氏と面会した山本氏によると、ガニ氏は、中村さんが同国東部ナンガルハル州で取り組んでいた用水路建設などの業績に触れ「彼のやり方で緑の大地づくりを政府プロジェクトとしてやっていきたい」と述べた。 # 共同通信社」(Hさん)

 

=インド・パキスタンとアフガニスタン=

「アフガニスタンについて、詳しくありませんが、印度にとって、対パキスタンの面から、アフガニスタンは重要な相手国です。20年ほど前、アフガニスタンの配電網整備を進めている企業と印度で会ったことがあります。」(Nさん)